【コラム】多度へのラブレター

まちづくりには二種類あると思っている。
一つは、観光客数、来場者数、移住者数、売り上げといった「数」を求めるまちづくり。
もう一つは、その町を大切に思う人がそれぞれ町のためにやれることを考え、実行する、数値化できないまちづくりだ。

バブル崩壊から時が経ち、インターネットが発達し、人々とその暮らしからますます行間(余裕)が無くなりつつあるように見える。そんな中、結果の見えやすい数を求めるまちづくりは行われても、より時間と根気が必要な数値化できないまちづくりは切り捨てられてしまう…そんな現状があるように見え、まずは自分達でやれることから…と、多度ふるさと塾の結成〜写真展の開催を思い立った。

この写真展はこれから毎年、多度町で開催していきたいと思っている(その時々で会場や規模は変わるかもしれないが)。私達がこれから生きるであろう数十年はもちろんのこと、亡き後も続けていける仕組みをなんとか考えたい。そのような気持ちで今回、町の方々から写真をお借りし、寄贈をお受けした(今後の予定としては、秋の多度町文化祭での出展が決まっている)。

この取り組みは、恥ずかしげもなく言わせてもらえば、多度へのラブレターだ。ラブレターを出す時、大切なのは交際や結婚といった見返りを求めることではなく、好きだという気持ちをただただ伝えること、伝え続けることだと思う。私達はこれから毎年、多度の町や、多度の先人達に、取り組みを通じて気持ちを伝え続けていきたいと思う。それを観に来てくださった方々が、何かを感じてくれたならそれ以上の喜びはない(というか、多度について私達にいろいろ教えてください)。

末尾だが、北村けんじ先生を取り上げさせていただくことを、快諾してくださったご家族の皆様に感謝申し上げたい。ここに書いたようなことを、多度に腰を据え、教職と児童文学で長年やってこられたのが北村先生だと思っている。私が小学生の時に校長だった北村先生の、優しい笑顔が忘れられないが、今回の展示の至らない点を、北村先生が笑って許してくださるといいな、と思っている。


「多度の古い写真展 "北村けんじのいた多度"」で配布されたパンフレットへの寄稿文を転載しました。

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金はないものが出すものぢや。あるものは出さん。

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Yuki Ito

映画監督(日本映画監督協会会員)/映画「まちや紳士録」('13)「人情噺の福団治」('16)を監督・劇場公開/福岡県八女市の「えほん屋・ありが10匹。-books&coffee-」オーナー http://blog.livedoor.jp/ari_books_and_cofee/

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