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#2 青年海外協力隊_マダガスカルラグビー

今回はマダガスカルのラグビーの基本情報をお伝えさせて頂きます。
青年海外協力隊の活動では主に女性代表の指導、あとは数回地方で普及活動です。赴任するまでは、世界に対するマダガスカルのラグビーの立ち位置やアフリカのラグビーなど全然知らなく、赴任後に活動を通じて知ることができました。特に女子はヨーロッパ、さらにアジアとは違った状況でした。アフリカのラグビーをはじめ、女子の状況についてもお伝えできればと思います。

最初に、アフリカのラグビーについてどのようなイメージをお持ちですか?



南アフリカとナミビアの2か国が思い浮かぶと思います。
この2か国はワールドカップに出場しており、比較的馴染みのある国です。
7人制まで含めるとケニアもときどき名前をみることがあるかと思います。

経験を基に少し掘り下げていきたいと思います。
記憶が曖昧なところもありますのでご了承ください。

アフリカにおけるラグビー

加盟国について

アフリカラグビー連盟によると39連盟が参加しており、そのうち22連盟がワールドラグビーのメンバーでもあるとのことです。残りは13連盟がアフリカラグビー連盟のみ、6連盟はワールドラグビー、アフリカラグビーのメンバーではないけど関わりのあるということです。
※数が合わないですが、気にせずいきたいと思います。

男子について

前述の通り、アフリカの順位は南ア、ナミビアに続いてケニアです。毎年、アフリカ大会が開催されております。カテゴリーも他の大陸同様に複数あります。2023年は男子ラグビーワールドカップが開催されますが、アフリカ予選も開催されています。予選方式は、世界ランキングを基にカテゴリー分けされているようで、下位カテゴリーで結果を残すことで上位カテゴリーの大会に参加することができるようです。上位カテゴリーで優勝することで出場権獲得、2位はプレーオフです。マダガスカルは下位カテゴリースタートでしたが、結果を残せず、すでに敗退しています。

女子について

女子に関しては、赴任した2017年までは15人制の国際大会はなかったようでしたが、2019年より南ア、ケニア、ウガンダ、マダガスカルの4か国で国際大会のフォーマットをスタートしました。その大会で優勝した南アが2022年女子ワールドカップに出場しました。現在は参加国も増え、予選プールから実施されているようです。

7人制について

7人制に関しては男女ともに毎年アフリカ大会が開催されております。オリンピック前年は男女ともに予選を兼ねての開催です。
女子については、南アは国内オリンピック委員会がアフリカ予選はレベルが低いという見解のため、優勝してもオリンピックに出場はできません。実際にリオ、東京予選では南アは1位にも関わず、2位のケニアが出場しています。

その他の大会

U-20も男子はアフリカ大会が開催さております。女性については2018年ユースオリンピックの際は、チュニジアとマダガスカルの2か国で予選を実施しておりました。またマダガスカル近隣諸国(モーリシャス、レユニオン、マイヨット、コモロ)と定期大会を開催しています。この大会は時期にずれはありますが、ラグビーのみならず他のスポーツでも開催されているようです。

近年はアフリカラグビー連盟は女子ラグビー15人制、7人制に関わず力を入れている印象を受けます。東京オリンピックの敗者復活戦前には出場チームで合同合宿を実施していました。また、実際に2019年チュニジアでのオリンピック予選に参加した際には、ヒジャブを着用して試合をしている選手が数名しており、選手の数から15人制よりも7人制が盛んかなと感じます。

マダガスカルラグビー

人々にとってのラグビー

マダガスカルは1960年にフランスの植民地より独立しました。食事、建物などフランスの影響を受けた側面があります。スポーツも例外でなくサッカー、ペタンク、ラグビーがマダガスカルの人気スポーツです。ペタンクについては街中でしている風景をよく見ました。ラグビーボールを持って歩いているとパスしてくれ!みたいな感じで声を掛けてきたり、ペットボトルをラグビーボール代わりにしてラグビーをしています。また、仏語でle rugby est l'école de la vie(ラグビーは人生の学校)という言葉があるほど根付いています。雨季に時期はドロドロになりながらもラグビーをしてます。スタジアムに練習に行く途中でたまたま見かけました。日本で見たことないラグビーの風景だと思います。

実際にマダガスカルラグビー連盟からの資料によると、競技登録されている人は 42,000人、普及活動等でラグビーに関わったことがある人は34,000人とのことです。人口比でみると、日本よりマダガスカルの方が数値は若干高くなります。
その中でも驚いたのは女性選手の数です。世界ランキングでみると、活動当時は男子51位、女子ランク外と日本とかなりの差があります。それにも関わらず女性チームが十数チームありました。そのため女性が練習をするために男子チームに混ざる必要もない状況でした。また、マダガスカル女性は比較的早い年齢で出産を経験する為か、親子で同じチームでプレーというのもありました。

実際に国内大会の決勝は人でスタジアムは満員になります。この風景を見ると世界ランキングではマダガスカルは低いですが、ラグビー人気でいえば日本より上かと思います。


女子7人制について

アフリカでの立ち位置は、活動当初の2018年頃は5位でした。
※2018年大会は南アが参加してないため4位
やはり強いのは男子同様に南ア、ケニアでした。その2か国についてはアフリカでは別格の強さでした。続いてウガンダ、チュニジアでしたが力はそんなに変わらないと感じました。アフリカ大会を除くと国際大会の経験はほとんどなく、聞く限りリオオリンピックのときに各地域との敗者復活戦に参加したぐらいのようです。帰国後は何とかワールドカップに出場し、1勝をしてくれました。

女子15人制について

先述の2019年の大会参加が15人制ラグビーの発国際試合でした。アフリカの15人制は、基本的に7人制の勢力図と変わらずですが、南アを除くと各チームFWが整備されてないと感じました。7人制のおかげでBKについてはある程度の形になっている印象を受けました。あとはマダガスカル女性の平均身長は日本人女性と同じぐらいの印象を受けます。そのため、他アフリカ諸国の女性と比較すると少し小さいくなります。連盟はFWに体重のある選手を選ぶ傾向がありましたが、特にフィットネスをしてないため体力がありません。以上のことから疑問を持ってました。この選考基準が、後に大論争を呼びました。隊員活動で忘れられない出来事なので、また振り返ります。

普及活動

普及活動については、マダガスカルのみならず世界で行われている「Get into Rugby」というプログラムが盛んに行われいます。マダガスカルにいた影響か、このプログラムは他の地域に比べてアフリカの方が盛んではないかと感じました。
他にはフランス系NGOのTerres en mêléesがマダガスカルのみならず、仏語圏アフリカでラグビーを通じて社会問題解決にに取り組んでいます。マダガスカルでは首都というより地方での活動をメインとしているようでした。
マダガスカルラグビー連盟も国際女性デーには女性向けラグビーイベントをしたり積極的に普及活動を行っている印象を受けました。
※最初の写真

今回は長くなりましたが、お読みいただきありがとうございました。

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