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#12 青年海外協力隊_2年目始動

フランスから帰国後は任期2年目となりましたが代表活動がなかったため、実質活動はお休みでした。この時期は、少し焦って練習会などを企画しましたが、参加人数は基本1人で多くても5人程度でした。今思い返せば、選手のほとんどは労働時間を割いて代表活動に充ててましたので、練習会を企画しても難しいなとは感じます。2年目は代表活動で国内旅行など全然行けませんでしたので、やるときはやる休む時は休むとメリハリをつければよかったかなとは思います。2年目の活動としては年明けより本格的に始まりました。


代表始動ミーティング

任期2年目の2019年は東京オリンピック前年でしたので、7人制アフリカ予選が開催されました。チームの目標としては出場権獲得でしたので、選手にもしっかり意識を持ってほしいと考え、チームミーティングから始動しました。また、フランスで、7人制に関する選考基準の資料などを頂いてましたので、求める能力、選考基準などを明確に伝えました。
とはいうものの、マダガスカルは能力の高い選手は数が限られてますので、代表選考をするとなると、ほとんどの選手は事前に決まっております。例えば、FWとして選ばれるためにはAというスキルが必要と伝えても、結果的にはAというスキルがなくても、チームとしては能力の高い選手は必要なため選出せざる得ない状況でした。他にも1週間の練習構成を伝えたりしました。

連盟でのミーティング

練習内容

私自身は15人制の前列しかできなかったですが、マダガスカル選手は7人制というよりラグビーの基本的なパススキル、フィットネスなどが勝てない原因ではないかと考えてましたので、基本を徹底的にすることにしました。月火木金と週4回練習がありましたので1回あたり1時間30分に設定。月曜日はウエイト、火曜日はフィットネス、水曜、木曜は基本練習としました。
また、幸か不幸かスタジアムのグランドが芝の植え替え中で半年間程使用不可でした。そのためグランドを大きく使う練習ができないため、ローカルコーチも基礎練習のみを受け入れてくれたかと思います。ちなみに参加選手は20名前後だったかと思います。

文化の違い

マダガスカルでラグビーに携わって、文化の違い?を実感しました。

1つ目はフィットネステストについてです。
練習の成果を見える形にしたいと考え、定期的に計3回程シャトルランを実施しました。マダガスカルではシャトルラン自体に馴染みがなかったようで、慣れるまでは音に合わして走るのが難しかったようでした。そのため日本で行うようなドレミの音源だとわかりやすいかなと考えて、音源を変えようとしましたが、もっと馴染みがないようですぐコーチに却下されました。

2つ目はグランド状況です。
練習してたグランドは芝といえど雑草でデコボコです。そのため全力で走ると負荷が高い状況でした。観客席はコンクリートでしたので、そこを走るように提案しました。すると数名の選手は反発が大きいので、デコボコの芝の方が良いということを言われました。多くの選手はコンクリートで走ってましたが、数名の選手はデコボコの芝にこだわって走っていました。

3つ目は選考についてです。
日本遠征を企画していており、20名前後で練習して選考していました。とはいっても、日本へ行く12名の選手はほぼ決まっていました。なので航空券のこともあり、早めに人数を絞って効率よく練習したいと伝えました。同僚かからはそのやり方だと、選ばれなかった選手の今後のモチベーションに影響するということで意見が合いませんでした。

個人的な価値観の違いもあるかと思いますが、ラグビーに対する考え方、文化的背景の違いがあるのかなとは感じました。


測定会
フィットネスを観客席で実施
グランドは改修で使用不可

最後に

マダガスカルラグビー連盟も練習道具不足、とりわけボールがない状態でした。そのような状況でしたが、2019年はワールドカップ開催だったため、日本協会からたくさんのボールの寄付を頂きました。偶然にも当時の日本の外務大臣がマダガスカルを訪問しており、さらに、ラグビー経験者ということでボールの贈与式が盛大に行われました。始動当初は片手ぐらいのボールの数しか練習で使えなかったので、大変助かりました。また代表チーム使うだけでなく、地方のチームにもボールを提供しました。改めてありがとうございました。一方でボール管理は連盟に任せておりましたが、国内の大臣が来たときなどに頂いたボールを記念に渡していました。モノがないというわりに、そのような使い道だったので少し残念だったかなと感じました。

ボール贈呈式


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