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第115回 オンラインサロンだから語った秘策――作品のマネタイズに「アートの基本的な価値=認知度-普及度」をどう使う?

VIP戦略の実践編! 予算回収が難しい短編アニメーションの莫大な制作費。どう回収する⁉

今日は現在製作中のコマ撮りアニメーション『ボトルジョージ』の進捗状況(および方向性)の共有をさせていただきたいと思います。

みんな頑張ってます!


現在、トンコハウスさんと、ドワーフさんと、CHIMNEY TOWNがワイワイ集まって、コマ撮りアニメーション『ボトルジョージ』を作っております。

堤監督のキメ細かい指示のもと、キャラクターや背景や演技や光が一つずつ一つずつ作られているわけですが、どれもこれも本当っに美しいんですっ!

ライティングを施してキッチリと作り込んだ絵は、画像の2枚目(パソコンの画像)を見ていただくと分かりやすいと思うのですが、この時点で「ブッたまげた作品になる」と確信しております。

それだけに『デリバリー』も大切で、すんごい作品を頑張って作っても、知られなかったら意味がありません。

そんなこんなで「丁寧に作ったものを、丁寧に届けきる」をモットーに、デリバリーの打ち手を探る日々をおくっております。

『君たちはどう生きるか』で見られた“情報非公開”という離れ技(変化球)を決められるのはスタジオジブリだからで、僕らのようなベンチャーは1にも2にも“知ってもらわないと”始まりません。

変化球を投げるつもりは一切なくて、「使えるものは全て使って、キチンと宣伝する」という“面白味はないが確実な手”を打っていくつもりでおりまして……直近だと、2023年10月28日の『えんとつ町の踊るハロウィンナイト』に9000人が集まるので、まずはそこで30秒ほどのCMを打とうかなぁと思っております。
(※ドワーフの松本さんが「10月28日にいろいろ間に合わせてよねー!」とスタッフさんを脅してくださっています! 感謝っ!)

大きな予算をかけて作っているものですから、当然、どこかのタイミングで何かを売って、予算を回収しなきゃいけないのですが、今の段階ではまず「知ってもらう」ことが大切です。

「知ってもらわないと、この先の予算回収の手が打てない」といったところかしら。
なので、あの手この手で周知活動を進めるとして……ここからは今、ボンヤリと考えている「ボトルジョージの予算の作り方(なんとなくの方向性)」をお話しします。

たくさん知ってもらって、ちょっとだけ売る


NFTに賭けて「のるか、そるか?」みたいな博打マネタイズはしたくなかったので(「【コマ撮り×NFT】でマネタイズできればラッキー」ぐらいにしておきたかったので)、とっくの昔から『ボトルジョージ』の資金繰りはスタートさせています。

現在、全国各地でおこなっている講演会&交流会がそれ。
#売上は全額ボトルジョージの制作費にブチ込んでいます

「水商売で稼いだお金で作品を作る」という涙無しでは語れない打ち手ですが、一番の安全策であることは間違いなくて、これによって制作費はすでに集まっているので、仮に『ボトルジョージ』の映画チケットが1枚も売れなかったとしても、「スタッフさんにギャランティーが支払われない」ということも、CHIMNEY TOWNが潰れることもありません。

さて。
短編コマ撮りアニメーション『ボトルジョージ』で、どうやってお金を生むのか?
これは大きな大きな問題で、僕が知るかぎり、短編アニメーションにこれだけの予算をかけ、その予算を回収しきった事例はありません。

だからこそ燃えるわけですが、最近は、「そもそも『たくさんの人に買ってもらうには…』という発想が間違ってるんだろうな」という考えでまとまりつつあります。

これは明らかに他のプロジェクトで仕掛けている「VIP戦略」の影響だと思います。

『ボトルジョージ』に関しては、「たくさん知ってもらって、ちょっとだけ売る」が正解な気がしていて、そこで、バンドザウルスの個展でもお世話になった美容室『NORA』さんに「えっと…あの〜、『ボトルジョージ展』をNORAさんでやらせてもらうことって可能だったりしますぅ?」とスリスリしてみました。
【NORA×西野亮廣】

映画チケットをたくさん売って予算を回収するのではなくて、ボトルジョージのアートパネルを世界で100点だけ作って(1点はAKIHIRO NISHINO MUSEUMに展示する)、「アートパネルを販売して、予算を回収する!」と覚悟を決めた方が、まだ未来が見えるなぁ…というのが僕の思考の現在地です。

だからこそ知ってもらわないと意味がない。
アートの基本的な価値は「認知度-普及度」なので。

バンドザウルスに見られる「アートで予算回収」という打ち手は意外と転用できるのかもしれません。

ちょっと試しに一枚作ってみますね(なるべく、デケーやつ)。
完成したモノを見ると、また新しい打ち手が出てきそうな気もするので。

そんなこんなで、「たくさん売るのはやめて、アートの方から攻めてみますわ!」という御報告でした。
やるぞー!

現場からは以上です。

西野亮廣

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