仕事帰り、バギーを押して改札をくぐろうとするが、何かの影響で改札を通れず困っている背の曲がったおじいさんがいた。

多くの人が行き交うのだけれど、気にかける人はほとんどいなくて、なんとなく都心ではそれが当たり前みたいにもなっていたりして。

私は比較的そういうのに敏感に気付く方なのだけれど、何となく勇気が出なかったりして、これまでは恥ずかしながら、心が痛みながらも通り過ぎてしまうことが多かった。

電車の座席に関しても、ようやく最近「どうぞ」と声かけができるようになってきたばかり。

自分の中で、少しずつハードルは下がっているのだけれど、まだ「小さな見て見ぬふり」をしてしまうことがある自分に嫌気がさすことがよくある。

ついさっきも、すぐには勇気が出なくて、余計なお世話と言われて逆上されたらどうしようと怖くて、一旦通り過ぎてしまったのだけれど、あまりにも困っているその姿に、どうしてもそのまま帰る気にならず、一旦戻って声を掛けたわけなのだが。

結局、私がその人に声をかけて駅員さんを呼びに行っている間に、通りすがった中年男性が迷うことなく立ち止まってそのおじいさんをサポートをし、私は何をするでもなく呆気なくその場は終わったのだけれど。

理想は、その中年男性みたいに迷わず手を差し伸べられることだと思うのだけれど、まずは、一旦立ち止まって声を掛けた自分を、ほんのすこしだけ褒めてあげてもいいのかな、と思ったから、今の気持ちと併せて記録に残すことにした。

いつかこれを見返す頃には、迷うことなく手を差し伸べられるようになっているといいな、という願いを込めて。

という最後の文を電車の座席に座って打っていたら、目の前にヘルプマークをつけた女性が立って、慌てて立ち上がった私がよろけて、むしろその女性に手を支えてもらう始末。。（ああ、相変わらずおっちょこちょいだな〜自分。。）と、少し呆れながらも、なんだか気分は清々しかった。