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満天の星空をながめる

ものすごい感動が押し寄せてきた。自分が自然の一部になって、無になるような感覚を得たのは、15年ほど前にカナダのロッキー山脈で体験したとき以来だ。そんな体験を自宅から100kmほど離れた場所で経験できるとは思っていなかった。

ベルリンから西に100km離れた場所にある西ハーフェルラント自然公園内のギュルパー湖の近くで、友人たちと一緒に星空を眺めた時のことだ。

自然保護区の野鳥観察を終えたあとに、午後8時ぐらいに携帯用のライトを灯しながら外でスープをいただいたあと、灯りをすべて消すと、空にじわじわと小さな星たちが姿を現しはじめて、あっという間に夜空を埋め尽くした。微妙なグラデーションが分かる形で天の川を見たのも初めてだったし、とにかくこんなに多くの無数の星を見たこと自体が初めてだった。

不思議な感覚だ。星たちは常にそこにあったのに。場所を変えて、灯りを消すだけでこんなに美しい星空が見れるなんて。

思わず湿った地面に大の字になって、寝転んで星空を眺めた。

太古の人はこんな空を毎日眺めていたのか、などと考える。太古までいかずとも、電球が普及する前、人類史においてはほとんどの時間、人はこんな星空を見ていたのか。この空を眺めながら色々な物語が生まれるのも、西洋占星術が発達するのも、星のエネルギーや配置に意味を見出すのも、ごく自然なことのように初めて思えた。

大地を背中に感じながら降り注ぐ星の光を浴びているあいだ、コロナ禍とか、日常生活における悩みとか不安とか、少なくともこの瞬間はどうでもいいことになった。

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この日ご一緒した小松崎拓郎さんが撮影してくれた写真。

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こちらのnoteでもこの日のことを書かれています。

野鳥観察と星空体験を企画していただいたチカ・キーツマンさんのブログ記事はこちら

野鳥観察体験も想像以上で、これもまた別の感動があったのですが、また改めて書きたいと思います。

今日はこのへんで。チュース!

Cover photo by Phil Botha on Unsplash

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