「きのう何食べた？」のファンである夫が、「今週のきのう何食べた？がめっちゃよかった！よく分からないけど……構成がよかった気がする」という意見を珍しく私にぶつけてくれたので、実際に観てみた。そしたら……「なんだこれ。めっちゃいい。ラストで泣いてしまったぁああああ！」ということで、構成を分析してみよう。

第5話 「史朗の元カレ登場！幸せ…涙のクリスマス」

起（起承転結）

◾️0:00〜0:48
・洗濯機周辺で水が溢れてしまい、てんやわんやの史朗。

◾️0:49〜
・夕飯を作りながら賢二に今朝の出来事を話す史郎。
「前に大洪水になって怒られた」と口走ってしまう史郎。
史郎が元恋人とのエピソードを話したと感づいた賢二、「どんな人？この際聞きたい！」と詰め寄る。

オープニング
◾️1:55〜

承（起承転結）

◾️3:05〜
（回想・9年前）
・排水溝が詰まって水が溢れてしまい、同じようにてんやわんやの史郎。
そこに元恋人・ノブが現れ、「何やってんの？」「唐揚げ食いたい」「（史郎を手伝わずに）外で食ってくる」などと、好き勝手言い放題。

◾️4:43〜
・ご飯から帰ってきたノブだが、その頃史郎は再び洗濯機と格闘。
ノブは「まだやってんの？下の階とかに水がいったらどうすんだよ。保証とかなんだって話になんだろう？弁護士ならその辺わかるだろう。とにかくさっさと片付けろ。あと入れといたブルーのシャツ、今日の飲み会に来ていくから。乾かしてアイロンかけておいて」とわがまま炸裂。（私ならこの時点で空中飛び蹴りする）※実は排水溝が詰まった原因は、ノブが連れてきたカボス（猫）が原因……でも可愛いから……というのが、史郎らしさ。畳み掛けるように、ノブは「甘い物ない？」など、自己中発言。ノブは史郎のどタイプらしく、何を言っても許されると思っているらしい。
そのため史郎は怒りを抑えて、ノブに「冷蔵庫にみるく寒天と黒蜜作ってあるから食べなよ」と、満面の笑みで言う。

◾️5:55〜
（回想戻る）
・黒蜜を食べる史郎と賢二。史郎の昔の話に嫉妬する賢二。ノブと比較して「その人、めちゃめちゃタイプだったんでしょ？」と自分の扱いと全然違うと駄々を捏ねる。史郎は内心「本当、賢二はタイプじゃないんだけどな」と思う。また流れで今年のクリスマスディナーの話に。

◾️7:56〜
・行きつけのスーパーで買い物をする史郎。
毎年恒例のクリスマスメニューを作ろうと考える史郎だが、賢二が「太った」と体型を気にしていたことを思い出す。

◾️9:08〜
・勤務先の美容室でクリスマスディナーの話をする賢二。

◾️9:51〜
・自宅で食器を洗う賢二。お互いにクリスマスディナーの話で気まずい雰囲気に。史郎が火口を切って、「メニュー変えない？」と提案する。二人で新しいメニューを考えることに。

◾️11:11〜
・ソファでメニューを考える史郎と賢二。25日に史郎が煮込み料理を作ることに。

◾️12:12〜（約3分半）
・12月25日　クリスマス新メニューを作る史郎。
贅沢ビーフシチュー、シーザーサラダ

◾️15:55〜
・クリスマスケーキを買いに街のケーキ屋さんに出向く史郎。
カットケーキを購入（ショートケーキ、モンブラン）

◾️16:36〜
・何かを思い出して、スーパーに寄る史郎。

◾️16:58〜（約3分）
・自宅に戻ってビーフシチューの続きを作る史郎。そこへ仕事終わりの賢二が帰宅。

◾️19:45〜
・テーブルを囲む史郎と賢二。クラシカルなご馳走が並ぶ。明太子サワークリームに気づく賢二。（先ほど史郎が買い足したのはこれ。賢二の好物で毎年恒例のメニュー）食レポ的な会話が進む。なんと幸せ空間……。

クリスマス新メニューに心躍らせる二人（明太子以外）実はこれまで恒例だったラザニアも鶏もも肉の香草パン粉焼き、明太子のサワークリームも賢二にとっては思い出の料理。当時史郎のレパートリーの中では、とっておきの料理だった。今日も賢二を気にしてこれまでのメニューと変えてくれたことに感謝する賢二。

◾️24:05〜
・年末。史郎のお勤め先の弁護士事務所。帰宅しようとしたが、客先の電話対応をして、買い物に行けなくなってしまった史郎。

転（起承転結）

◾️25:15〜
・慌てて帰る史郎。親子丼を作ろうとすると、洗濯機横にパイプがぶら下がっているのに気づく。賢二が今度排水溝が詰まってしまった際に使うために、購入しておいてくれたのだ。また冷蔵庫に玉ねぎがないことに気づく史郎。賢二がお昼に料理をした際に使ってしまった。賢二は慌てて玉ねぎを買いに行くと言って出かけてしまう。

◾️27:39〜
（回想）
元カレ・ノブと同棲していた頃。仕事から帰ってきた史郎がキッチンに行くと、冷蔵庫の鶏もも肉を使ったノブ。「食費の半分は俺も払っているんだ。自分も金出してる食材を使うのに、なんでお前の許可をもらわないと行けねぇの？……あと俺、腹一杯だから飯いらねぇや」

結（起承転結）

◾️29:00〜
・（回想戻る）自宅。それに比べて家を綺麗にし、家事もこなし（洗濯物が畳んであるし、アイロンがけも）、そして洗濯槽のパイプも……
「そっか。俺、今幸せなんだ。あいつ、全然タイプじゃないんだけどな」と、幸せを噛み締める史郎。

勉強になった点

1.史郎の変化
冒頭で「本当、賢二はタイプじゃない」とモノローグで話している史郎。ラストではどタイプだった元恋人・ノブとの日常を比較して、「今が幸せかも」と噛み締める点がグッときた。これは賢二に直接伝えるのでなく、史郎の心境の変化っていうのがまたいい。

2.料理の時間はトータル6分半
前から気になっていた点。きのう何食べた？って料理の時間にどのくらいの尺を使っているのだろう？今回は途中で別のシーンが間に入り（ビーフシチューを煮込む時間を短縮する効果も）、前半約3分半・後半約3分の合計約6分半だった。

続きはまた後日