【ビジョン策定の体験より①】経営ビジョンをつくってよかったこと。

うちにはビジョンがない。あるけど中身がない。意味がない。

社員たちはこう言い出します。

こころ一つにするスローガンがほしい。成長のモチベーションを喚起し、意志決定の指針が欲しい。

経営者たちは、そう感じ始めます。

私が参画したプロジェクトの発端も、そんな感じでした。

成功を追い求め、日々努力しているからこそ、その行く末を知りたいし、ゴールを定め、無駄なく成長したい。

”良いビジョン” の効果は非常に大きい。それが僕の結論です。そして、それは便利で使い勝手がよい便利なものでもあります。

実体験ベースで、ビジョンをつくってよかったことを書き出してみます。

|全社を巻込む議論と考察で一枚岩になれる

私が参画したビジョン策定では、全社員のアンケートから始まり、社長や経営幹部を含む、部長以上を中心とするメンバー20人でのセッションを実施しました。「社内外の課題を、未来のことも含めて分析。」そして「目指すべき将来像を決める議論。」です。累計30時間に及ぶのこのセッションでは、めちゃくちゃタフで、気力、体力を使い果たしヘロヘロになります。

このようなプロセスを経て、”何に集中すべきか、何を捨てるべきか”を真剣に話合ったので、皆が腹落ちしたカタチでの合意形成できました。

|打つべき戦略も自然と見えてくる

ビジョンができた段階では自然と打つべき戦略が見えています。策定の過程で、何をした方がいい、どいう風になりたいという議論をイヤというほど行い、本当に大事なことを取捨選択していきますので、そのセッションのメモや議事録を見直せば、重要だと判断された要素が整理されおり、「これは進めるべきだ」という施策がカンタンに見えているのです。

<見えてくるのは例えばこんなこと>

・どのような商品やサービスの価値を目指すのか?

・営業やマーケティングはなにをすべきなのか?

・社内のビジネスシステムのあり方は?

・それらを実行する人材を育てるには?

etc

|人材をひきつける”将来の夢”と”誇り”ができる

魅力的なビジョンやミッションは、社会への良い影響を示します。それが人をひきつけることは、明らかなことです。

成長フェーズ中小企業においては、社会に対する現在での存在感はかなわない部分があるので、将来達成する夢が世の中に誇れるものであることは、社員にとってかけがえのないものになります。ビジョンは社員の心的満足を満たすものでもあるのです。

|現場の活動のクオリティ(の意識)が高まる

ビジョンは長期的な将来の夢であると同時に、短期的な、現在の仕事にも影響を与えます。私が策定を参画した企業のビジョンは、「人の心を動かすクリエイティブで社会を動かす」であったり、「素材メーカーは社会をデザインするのが使命」というようなものでした。どちらも、達成すべきゴールが見えているだけではなく、どのような提供価値や戦略方針で勝負するかの道筋が見えます。

その活動や仕事のクオリティが、ビジョンに沿ったものであるかどうかを判断すれば、自ずと正しい道筋やもう一つ上の努力が生まれていき、そのパフォーマンスが高まるのです。

|もちろん対外的なブランディングもしやすくなる

つまり上に書いたように、あらゆることでの指針ができるので、外に向けて発信していく際も、何を一番アピールしたいのか? が、明確になります。上の「人の心を動かすクリエイティブで社会を動かす」の例でいえば、もちろんクリエイティブ力やその力の価値をアピールすべきです。

良いビジョンは、ただ数字だけの目標を示すものでなく、どのような方向性でどのような成功を描くかの将来像です。

コンセプチュアルでありながら、あらゆるシーンで人の行動の在り方を示すものであり、崇高なものであるような感じもしますが、とても便利なツールです。

あらゆる組織のリーダーはビジョンを持つべきだと僕は思います。

リーダーはいいビジョンをつくろう。


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