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発した言葉と指の輪の力

言葉は力を持っているということはどうやら本当らしい。
人差し指と親指で輪っかをつくる。
輪がくっついたままでいられるように力を入れて、それを誰かに引き剥がそうと引っ張ってもらう。
単純なこれだけの動作にさえ、言葉の力が反映される。

思っているかどうかは関係なく、ネガティブな言葉を口から発してみる。
「私はダメだ、本当にいやだ、もう頑張れない、つらい、消えたい」
そう言った直後に、さっきと同じように指でつくった輪を引っ張られると、力が少し弱まってしまう。

今度は同じように、ポジティブな言葉を口から発する。
「私はできる、最高、楽しいなぁ、元気があるな」
そしてまた同じ動作を繰り返すと、今度ははじめより輪の力が強くなっている。

私はネガティブなのでポジティブな言葉の例がここでもあまり出せなかったけれど、今それを思っているかどうかに関わらず口から発した言葉によって、体の出せる力が変わってくるというのは衝撃だった。
"今ここ"でポジティブなことを強く思っていた・感じていたとか、ネガティブな思いで埋め尽くされていたとか、そういうことではなく、ただ声として出した言葉が影響力をもつということが、衝撃的な出来事だった。

言葉のもつ力というのはたしかに存在しているのだろう。
辛いときに辛いと言えないのは本当に苦しいし、ポジティブ警察には絶対になりたくない。
ただ口から出す言葉の言い方を変えるだけでも、体の感覚が変わるのなら少し無理をしてそうする価値があるように思えた。

ハードルの高い物事に直面したら、弱音を吐くよりよっしゃぁと言おうみたいな話をされて、そしたらいつなら弱い自分を認めていいのだろうみたいな気持ちになってしまう。
ありのままを受け止めようといいながら、偽りや見ないふりで自分を騙し麻痺させることが求められているようにも感じてしまう。

言葉の力を信じてみたら、ネガティブなことを表現する言葉のチョイスが変わるとか、そんなことから変えていくのだろうか。
少しだけ無理をして背伸びをして、話し言葉だけポジティブ警察の取り締まりにあわせてみようかな。

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