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#4 経営者目線って何?

~経営者目線は大切ですが,そればかりでは前に進まないのです~

「もっと経営者目線で提案してもらわないと,こんなのじゃ全然わからないよ」などと,コンサルティングの提案現場で言われたら,「大変申し訳ございませんでした,私では役不足でした,すいません」と謝って2秒で帰れ,と私はMBAコースの実習生に教えています。

なぜこうなるのかというと,経営者とコンサルタントの意識にギャップがあるからです。このギャップが発生する原因は,①コンサルタントの力量が足りず説得力が無い,②経営者が物事の表層しか見えず本質を理解できない,③その両方,ということになるでしょう。こういうシチュエーションで粘ってみても時間の無駄です。

コンサルタントは経営者が経営者目線でしか考えられなくて現状を変えられずにいることに対して,経営者目線以外の視点から提案して相手を動かし,現実を好転させることに意味があります。つまり,コンサルタントの価値は「正しいこと」を言うことではなく,経営者にとって事態が好転するよう「適切なこと」を言う,ところにあるのです。

また逆に,「ラーメン作ったことのない奴の偉そうなコンサルなんか聞きたくない」などと言うラーメン店主のような経営者に対しても,丁寧にごあいさつしてその場を辞するのが得策でしょう。こういった経営者はコンサルタントを上手く使うことができません。

お好み焼き千房の中井政嗣会長がこんなことをおっしゃっていました。「大学やコンサルの先生のことを,あいつら商売もしたことないのに何が分かるんや,言うこと聞く価値ないわ,という人がいますがそれは違うんです。大学やコンサルの先生は,私らが知らないいろんなことを研究して私らが見えてない面からアドバイスをしてくれる,だからありがたいんです。」蓋し名言,中井会長は素晴らしい経営者だと思います。

#ビジネス #エッセイ #私の仕事 #勇者は懼れず

正しいことより「適切なこと」に重きをおく,プラグマティックな実践主義コンサルタントです。経営の鬼門はヒトとカネ,理屈ではなく現実を好転させることをモットーとしています。 お問い合わせは,https://prop-fc.com/mail/mail.html