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ミックスレクチャー③〜ボーカル・マスタリング関連〜


はじめに…

この記事では、DTMでのボーカルトラックのミックス・最終段階のマスタリング関連に焦点を当ててご紹介していきます。
今回も解説に登場するエフェクトはCubase Pro12付属のエフェクトのみです。中にはコンプやEQなど、廉価版やバンドル版にも付属しているエフェクトもございますので初心者の方にも取り組んでいただけます。
完全に自己流のやり方になりますが、ぜひ創作活動の一つの参考にしていただけたらと思います。

こちら参考までに私の制作した楽曲です。
ボーカルは入っておりませんが、ミックス等の各種設定はこちらで実際に使用していたりもします。

…手前味噌ですがこのシリーズで培ったノウハウでAudio Stockに1300曲以上を登録しています。ご興味がありましたら覗いてみてください。

Youtubeでも数曲視聴確認可能ですのでそちらもぜひ。

今回紹介する方法は、歌い手様の声の特性によってエフェクト等も変わり、設定の値も変わってくるため”あくまで一例”として私の設定でご説明します。


〜ボーカル関連〜


声の特徴、声帯の音域によってかける設定の値がかなり変わってくるため、こちらも”あくまで一例”としてご説明します。
基本的に各セクションは歌い手様が複数人いる場合は人数分、何本も声を重ねる場合はその分のトラックを設定します。

○メインボーカル

ファズ、ディストーション

こちらは必須エフェクトではありません。楽曲の雰囲気や声質によっても変わりますが、ごく薄くかけるだけで聴こえがよくなったり、抜けがよくなる場合があります。エフェクトプリセットにsoft vocalのようなボーカル用プリセットが既にある場合は、そのまま使用するか数値を少し変更させてみるのもいいかもしれません。ボーカルの音作りで悩んだ時はぜひ試してみてください。


EQ

基本的には今までのノウハウで施します。男声女性どちらもキックドラムやベースと被る尚且つ実際には聞こえない低音域は探し出してカットしていきます。
声には歯擦音(さしすせそ、の擦れるような、耳に痛い部分の音)があるので、そこはEQカットしてあげると聞きやすくなります。

こちらの例では3khz近辺に歯擦音の痛い部分があったため多めにカットしています。

別途「ディエッサー」といったエフェクトを使用して歯擦音をカットする方法も主流ですが、EQでも処置は可能です。



コンプレッサー

声は音域が広い場合もあるので、マルチバンドコンプレッサーがあればそれを使用するのが好ましいです。(周波数帯別にコンプをかけられるもの)
・アタックはどの帯域も早めで設定しています。
・スレッショルドは男声か女声か、声の特徴でも変わってきますが、その人の音域内でのバラつきをなくすように設定すると良いです。
・レシオは自然な値でとどめておきます。人によって低音のマイク乗りが良すぎる場合などはレシオとスレッショルドで潰し具合を調整します。

マルチバンドコンプの一例です。設定項目が多いので、慣れるまではプリセットを利用してそこから微調整していくのもいいと思います。



○コーラスボーカル

基本的にはメインボーカルと一緒なので、コーラスパートのみに施している部分を記載します。

EQ

中音域以上で調整するイメージなので、低音域は広め多めにカットしても大丈夫です。逆に高音域は持ち上げ気味にすることで差別化させます。
(低音のコーラスの場合は反対にする)

ワンポイント

コーラスはメインボーカルに被らない位置取りをしたいので、ステレオエンハンサーなどを活用し前後左右に広げると音量が小さくても存在感が出ます。


○その他エフェクト

ワンポイント

コーラスとメインどちらにも活用できますが、ディストーションを強めにかけ、EQで低音域高音域をバッサリカットすると、トランシーバーのようなラジオボイスのような音になります。
このように一味違った要素を途中で入れることで、聴き手が聴き飽きるのを防ぐ効果もあります。



〜マスタリング関連〜

ここからはマスタリングについて解説していきます。

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