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ゆきちかさんの「友達」論考

こんにちは。ゆきちかさん、という名前でnoteを書いています。
児童養護施設の心理職として働いています。(@yukichika_3)
本noteの目的は、“児童養護施設”の検索結果をよりグラデーション豊かにする、というものです。

「友達」ってなーんだ?

友達って何ぞや、という今日の興味関心について書こうと思います。

何度かに分けて、属性(用途によって物事人を区分けする道具)について書いてきたのですが、私の人生の中でも謎中の謎、キングオブ謎!クイーンオブ謎!なのが「友達」です。もはやなぞなぞだと思って書きます。

 今は子育て中なので、朝はある程度テレビ先生のお力をお借りして家事をこなす時間をもらうわけですが、液晶の向こう側から、うちの1歳児くんに向けて「おともだちもやってみよう!」といった友好的なメッセージが送られて来ます。

 保育園に送りに行っても、あまり関わり合いのない異年齢クラスの子について「おともだちとは仲良くしようね」という言葉が飛んでいます。

 学校のような場では更に混迷を極める「友達」の用法。まさかの上位互換「親友」の登場です。「あなたに特別な親近感を感じています」とか、「周りの人にはない特別な価値をあなたに見出しています」みたいな意味で使われていると思っているのですが、この線引きを無自覚に使うとたくさんの悲劇が起きます。
 親友から友達へのランクダウンは相手の価値の減少を伝えるし、友達から「友達ではない人」の変わり目もまた納めどころがわからない気持ちを生みます。「私はあなたに対してこれくらいの価値を感じているけど、あなたから見た私の価値はどれくらい?」の確認方法が「うちら、友達だよね!」という言葉だったりもします。

 ということで、その辺の言葉が持つ意味に足を引っ掛けまくりの私は、友達らしい友達がいません。特別な価値を感じ、なおかつ対等に関われる、そして親しく関わっている対象、みたいな定義をするなら、奥さんや子ども、施設の人たち、本(著者とか、登場人物とか)、物、芸術作品、空想のキャラクター、星、自然、家の観葉植物、近所の家の犬、自分、みたいに、どんどん広がってしまい、収拾がつきません。

収拾がつかない広がりを見せる「友達」

 こうなってくると、「友達が多い」「友達が少ない」という形容の仕方はかなり適当な言い方なのではないかと思えてきます。

 私の場合、相対的に「人間の友達」が少ないわけですが、「オールジャンルの友達」の総量としては結構多い気がします。気を許せる、時間を費やすことを許せる、むしろ時間を費やすことに喜びを感じる対象としての友達。

 このように自分を形容して、何となく「それは寂しいやつの言い分」のように感じられるのは、多分そういう価値観の人間と付き合ってきたことによる影響だと思います。真っ先に蹴り飛ばしてしまっていい価値観だよなあ、と今は思います。

 上に書いた私の友達リストの中でも、最近は「自分」がなかなかに良い友達のように感じられるようになってきました。皆さんはどうでしょうか。自分だったら、自分を友達にしたいか。何せずっと一緒に存在しているわけで、やりようによっては無理やり距離を取ることもできるのですが、基本ゼロ距離で接している自分、どうですか?

「友達」と感じられる対象がある世界

 児童養護施設にいる子ども、そして大人の中には「オールジャンルの友達」が少ない人、自分自身が友達ではなく「敵」である人が結構います。何なら私も調子が悪くなると、「友達」を感じ取ることができなくなります。施設が社会の縮図だと考えると、その拡大図である社会にはそのような人が相当数いるのだと思います。

 ここで大切なのが、「友達を作れ」という話より前に、「その時の脅威と距離を取れ」ということです。もう少しややこしく言うと、「脅威と距離を取れる自由を確保しろ」という感じでしょうか。脅威の近くで対峙し続けても良いし、嫌になったらすぐに離れても良い、という自由度。
 これを確保して、あとは本人が好きに動く。好きに動きながら、そのプロセスで「友達」と感じられる対象を世界に見出す、という流れが大切だと思います。うーん、大切だと思う、という以前の「こういう流れが好き」というレベルかもしれません。
 ほら、人によっては「他人は脅威だって言うけど、コレが私の友達なの」という感じの生き方をしても良いわけです。だから、脅威認定ではなく自由度の方が大事だと思うんです。

長くなってきたので筆を置きますが、友達論考、まだまだ深掘りできそうな感じがあります。また明日、何を思ってるかは定かではありませんが、またお会いしましょう!

ありがとうございました。

ゆきちかさん

自分の好きな施設に訪問して回りたいと思います! もしサポートがあれば移動費と施設へのお土産代に費やします!