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ガラスの靴を脱ぎ捨てていったあなたへ私は心一杯の罵声を浴びせたい

タイトルが穏やかじゃない。
まあでも、極論言いたいことは全部タイトルに詰めた。
ここからは一人のオタクのお気持ち表明になるわけだけど、
というか散々Twitterで言ったことを拾い集めて、140字ツイートいくつか分をだらだらとこんな記事になるまで書き連ねただけなので、
「はいはいオタクのお気持ち表明キモ~~ww」
とでもなんとでも思いながら暇つぶしでもしていってほしい。
この記事を書くのに私は今持ちうる限りの語彙を尽くそうと思っているけれど、今の段階で私も「自分という存在が気持ち悪すぎる…」と頭を抱えている。


本題に入ろう。

2021年3月10日
デビュー日から2年と言う歳月を経て、御伽原江良というVTuberがにじさんじを卒業した。

御伽原江良』、あるいは『ギバラ』というVTuberをご存知だろうか。
そもそも、こんな一般人の記事に興味を持って見に来てくれている人は、それこそコアなにじさんじのファンであったりVTuber界隈に興味のある人だと思って書いていくしか方法が無いのだが、万が一知らない人のために『御伽原江良』という人のことを紹介したい。


『御伽原江良』は2019年3月11日ににじさんじからデビューを果たした、チャンネル登録者50万人超えの人気VTuberだ。

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にじさんじ公式のプロフィールには「王子様が迎えに来てくれると夢を見ている」と記載されており、初配信ではそのプロモーションに合わせた清楚で可憐で乙女な様子が配信されている。

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本当は公式サイトのURLを直貼りしたかったのだが、残念なことに当該ページは消されていた。消さないでくれよ、頼むから。そこまで私たちから奪わないでくれ。

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あとここにその初配信URLを貼っておくが、2021年3月いっぱいでアーカイブはすべて消えてしまうので注意してほしい。もしかしたら、3月終わる前に消されるかもしれないし。


これは初配信へのリンク
https://youtu.be/IeGN7UjKKp8


当初は可愛らしい清楚な女の子として私たちの前に現れたギバラだったが、そんな彼女は一変、後に奇跡とまで言われるほどのヴォイスを上げることになる。


これはバズり動画&切り抜きまとめ
https://youtu.be/EONBj-v33v4


御伽原江良は死んだ。
その時から清楚な奴は『江良ちゃん』で、それ以外の過激で低俗で、私たちの汚いシンデレラはその名前の『オトギバラ』からとって『ギバラ』という愛称で親しまれることになる。

清楚な声から一変「地声」を出して炎上する等、彼女のことを語ろうと思えばおそらく1000字でも10000字でも足りないのだろう。
それほどまでに彼女は様々な名言をし、様々な活躍をして、スポットライトの下で輝いてきた。

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こちらの画像はPANORAの札幌公演レポートからお借りしています。https://panora.tokyo/archives/4613

彼女が歌う『ファンサ』はファンやリスナーだけでなく、同じライバーさえもが感動し「ずるい」という言葉を使って褒め称え、彼女はそれに対して「ライバーが歌えばあの曲はエモいからさぁ」なんて言って見せたという。
そんな彼女は、やっぱりステージで輝く姿よりも私たちのもっと傍で人間臭さを出し、ガチャに荒れ狂う姿を見せる方が多かったけど。

ツイステで推し(カリム)を引くために雄叫びを上げる動画
https://youtu.be/X4sZHpYwVNk

彼女の姿は異端であったかもしれないが、その夢を叶えてきた泥だらけのドレス姿に心打たれて追いかけてきた人も多いのではないだろうか。
いつだって彼女の笑いの裏側には積み重ねられてきた努力があって、罵倒の裏には確かな愛があった。裏では丁寧で、後輩……人思いで、ファーストフードにも入れない程小心者な女の子を苦手に思う人はいれど嫌いになる人は少なかったと思う。

さて。自分がニワカで新参者であると思われたくないという予防線はこれくらいにしておこう。
ともかく、私たちのシンデレラは確かにガラスの靴に汚れや傷を付けながら、それでも毎日私たちとそのドレスを泥だらけにして遊んでくれる、最高のお姫様だった。


そんなギバラがにじさんじを卒業するというのは、3月4日のネットニュースで報じられた。
ギバラがよく行っていたメンバー限定配信(チャンネルのメンバーに月額を支払うことで見れる特別コンテンツ)にて発表された内容は、瞬く間に記事にされ拡散し、そしてその後にじさんじ公式の一声でその日のうちに取り消された。

その日、私はどうしようもなく取り乱した。

理由はギバラが卒業するからではなかった。
私はギバラが好きだけど、ギバラのことは好きではなかった。

面白くて、楽しくて、時折馬鹿をやってる姿を見に来る「リスナー」であって「ファン」ではなかった。ギバラは、私の好きではあったけど、推しではなかった

新衣装配信をしたばかりなのに、卒業。
私の胸に影を差したのはその事実だけだった。

新衣装や3Dのお披露目は、これからも活動してくれる証ではない。
そう知った時頭を過ったのは、本当に申し訳ないことに私の推しへの危惧だった。
私の推しは3D実装済み。この間新衣装も配信したし、楽しそうに配信をしている。卒業のその字も無ければ、ファンからすると「忙しくない?大丈夫?」と心配になる程多忙を極めており、それでいて他のライバーの口からも語られるほど真面目で優しい人だった。

ギバラだって、新衣装配信をしていた。楽しそうに配信しているのを知っていて、それでも卒業する。
その事実が、どうしようもなく私の不安を煽ったのだ。


記事が取り消されたことで確定だった卒業は、するかもしれない卒業へと姿を変えた。
情報が流出してしまったことで卒業が取りやめになるかもしれない。
そう思いたかった私は、そこで蓋をしてみなかったことにした。昨日、TLでその文字を見るまでは。


卒業理由はよく言う前向きな理由での卒業らしい。
素の配信を私はリアルタイムでは見ていなかった。
とにかく、他の配信を見て「好き」で感情を落ち着かせるように務めていた。

やりたいことを見つけた

そんな言葉がTLを滑っていく。

マジかぁ、寂しくなる。
ショックだ。
ギバラ……
応援するよ

落胆の声と、応援のツイートは瞬く間にTLを埋めて、流れ、私の感情に止めを刺した。

最後のツイートに溢れる頑張れと、好きだよと、ありがとうの文字列に、どうしようもなく言いたかった。

なんで誰も止めてくれないんだよ!

いいことだよ。
やりたいことが見つかって前に進む姿、私だって応援したい。
頑張れも、大好きだったも、ありがとうも言いたいよ。

でも、頼むから誰か止めてくれ!
私たちの前で魔法のかかったガラスの靴を脱いで走り出そうとするあいつを!
誰でもいいから、私たちを置いて前に進んでく人に向かってバカでもアホでも散々に罵ってくれ!

そんなことができないのは分かってる。
でも、頼むからその応援をやめてくれ。

私たちのいるここは、彼女の「やりたいこと」ではなくなったんだぞ。

応援や感謝のコメントは鳴りやまない。
残された時間の限りその数は増えて、彼女に届いているのかもわからず、そのまま落ちていくのだろう。

彼女が傷だらけのガラスの靴を脱いで、泥だらけのドレスを着替えて、新しい夢の魔法にかかる時は、私たちがひとつの呪いにかかる時。
きっと、リズム天国のサルを見るたびに君を思い出すことになる。
名前を見て胸をきゅっと締め付けられることになる。
なんてことのない残されたコラボ動画を見て泣くことにもなるだろう。
ファンの心ばっかりにいつか戻って来てくれないかななんて淡い期待を抱かせて、
こういう時だけ0時きっかりの時間を守って消えていく。

長い長い台風だった、というツイートに涙をこぼした。
本当に、長い長い台風だった。
最中はその話で持ちきりだったのに、日付を超えてこの時間、君の話をする人はもうほとんどいないみたいに。

私たちは、きっとそこかしこでシンデレラを思い出して、時々期待を抱いて、あるいは懐かしみながら気を落とす。
残された私たちは君を想うのに、君ばかりが前を向いて歩き出していくのはさながら学校のようだ。
残された在校生は先輩へあたたかな声をかけることしか許されず、留年してくださいと引き留めることもできない。
辞めないでと顔面の穴という穴から汁を零してべそべそと言えば、彼女は止まってくれるだろうか。
きっと「きったねぇ!」と言いながら振り払って、そのまま大股で歩いて行ってしまうんだろうな。その姿がいともたやすく想像できて、悔しくなった。
いい年した大の大人が泣いてるんだ、少しでも響いてくれよ。足を止めてくれよ。
そんな声すら届いてないんだろうけどさぁ。


電車の中、切り抜き動画を見る。私のスマホの通信容量は1時間の間動画を垂れ流しにできるほど多くは無かった。
1時間と少しの配信は、たったの10分程度にまとまって、私の目と耳へ滑り込む。

「やりたいことを見つけたから卒業という選択肢を取った」
そう語る彼女の口調は、思ったよりあっけからんとしていた。
ちゃっかりボイスの宣伝をして、最後の最後まで君らしい。

「王子様は結局見つからなかったね」
冗談めいたような軽口や笑い声が、軽やかにまた私の心に傷をつける。
私たちは、お姫様を見つけたのに。そのお姫様は、やりたいことがあるとドレスを脱いで行く。

「じゃあ、この辺で。またね、ばいばい。おつえら」

また次があるんじゃないかと少しだけ期待を反射して。けど、公式のツイートも君のツイートもそんな反射を悲しいくらいに否定する。

ばーか。またねも、おつえらも、違うじゃねぇか。
またねはもう来ないし、次の配信は始まらない。
私たちの時計の秒針は止まって、君は新しい時計を壁にかけて行ってしまう。

さよなら、これでおしまいってちゃんと言ってくれ
私はあなたに泣き縋って止めることもできないんだから。

せめて最後に、金だけはたくさん持っていけよ。
好きなことに使っていいけど、無駄遣いばっかすんな。
ちゃんと歯を磨いて、顔を洗って、部屋綺麗にしておけ。

健康に暮らせ愛すべき馬鹿!


やってよかったより、いつかやめなきゃよかった、もう少し続けてればよかったわ!って言ってもらえたらいいなぁ


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