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【007 "6-3"】再解釈、そして更新されたスパイの世界『007/スカイフォール』


ダニエル・クレイグ版の007について描き始めてもう折り返し地点。クレイグ版の過去2作『007/カジノロワイヤル』&『007/慰めの報酬』に続いて、今回は3作目の『007/スカイフォール』について綴っていく。

「007って何?」という人はコチラ↓


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画像引用元: IMDb
https://www.imdb.com/media/
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■Dクレイグ、自分で自分の記録更新!

『007/カジノロワイヤル』起用時、「金髪で(歴代と比較すると)低身長、スペクター顔のダニエル・クレイグがボンドを演じるなんて…」と批判も多かった。しかし「批判する人を納得させるには、演技で勝負するしかない」と気合の入ったクレイグは話していた。そして彼のボンド1作目『カジノロワイヤル』は『私を愛したスパイ』を抜いてシリーズ史上最大ヒットを更新。そして今作は記念すべきシリーズ50周年の作品。『カジノロワイヤル』を上回る大ヒットととなった。

■Addel 『Skyfall』

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画像引用元:YouTube SKYFALL - Official Trailer
https://youtu.be/6kw1UVovByw

今作の主題歌を担当したのは女性シンガーのアデル。オープニングがシリーズ史上最高と言っても過言ではない。ドルビーで聴きたかったな。(個人的には好きな曲も多いのだが、世間の評価的には)低迷していた主題歌を持ち直したのはこの曲!この後にサム・スミス、ビリー・アイリッシュと名アーティストが続いていく。

■【再解釈】されたスパイの世界

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画像引用元:YouTube SKYFALL - Official Trailer
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潜入捜査員リストを奪った男をボンドが追跡する冒頭は、『名探偵コナン/純黒の悪夢』と同じやん!と思ったのはここだけの話www。ボンドと協力していたイヴはMの「撃て!」という命令で撃つことを決める。そしてボンドとイヴの耳にはイヤフォンが見えている。リストが流出したことで審問会が開かれ、「MI6の存続」「00エージェントの必要性」などシリーズを根底から覆すようなことが問われる。弾丸が無くなって、交換するところをしっかり見せるのも新しい。

■役者は揃った

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画像引用元:YouTube SKYFALL - Official Trailer
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クレイグ版に足りていなかったもの。それはずっと準レギュラーだったQとマニーペニーの存在。ナオミ・ハリス(『パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト』のティア・ダルマ役)がマニーペニー。『007/ワールド・イズ・ノット・イナフ』まで1人で演じ続けたデスモンド・リュウリンの後を継いだベン・ウィショーがQ。因みにジュディ・デンチの後任はレイフ・ファインズ(『ハリー・ポッター』のヴォルデモート役)が新たなMに。3作目にしてやっとメインキャラが揃い、心が躍る。

■ボンドになっていたかもしれない男

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ハビエル・バルデム(『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』のヴィラン・サラザール役)が演じていたのがシルヴァ。彼はMの部下だったが、敵組織に捕らえられた時に切り捨てられた。奥歯に隠していた毒で死ぬことが出来ず、顔が溶けている。彼が全て裏から糸を引いていたのだが、歴代最恐のヴィラン。ハビエルの存在感と雰囲気が凄まじい。Mの下で働いていた優秀エージェントだったバックボーンがボンドのよう。『ゴールデンアイ』のヴィランである、元006アレックを思い出した。

■ボンドガール

▷謎の美女・セヴリン

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ボンドに「助けてやる」と言われ組織の情報を渡すも、復帰したてのボンドは本領発揮できずに死なせてしまう。「情報のために近づき、聞き出した後は敵に殺される」というのは過去作でよくあるパターン。しかもボンドは自分のせいで死んだことは知らないこともしばしば。今作は目の前で殺され、情報のために命を落としてしまうことを皮肉に描いているように感じた「」。

▷ボンドガール?ボンドマダム?

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物語中盤でセヴリンが殺されて以降、ボンドガールらしい女性は出てこない。よく言われることだが、ジュディ・デンチ演じるMがメインのボンドガールなのではと私は思っている。Mが母親だとしたら、シルヴァが兄、ボンドが弟という疑似家族物だと解釈することができる。しかもMとボンドは信頼関係で結ばれている。Mはボンドの胸の中で命を落とすわけだが、再解釈されたボンドガールらしい最期。

■ボンドカー

今作でやっと登場したのがボンドカー!しかも『ゴールドフィンガー』と同じデザインのアストン・マーティン!Mを救出後、車を乗り越えるのだが、アストン・マーティンが映った瞬間にメインテーマが流れる。この演出が最高!

■圧巻のラストファイト

最大の見せ場は何と言ってもラストファイト。ボンドの生家、スカイフォールでボンドとM、そしてキンケイドが力を合わせて戦う。キンケイドはスカイフォールの番人。「だから左にズレるんだ」と言っていることから、彼がボンドに銃の扱いを教えたのかと考えたら胸熱!彼でアクション映画1本撮って欲しいくらいの存在感。ナイフを取り出し、「昔ながらの武器が1番役に立つ」というキンケイドの一言は伏線になってるのも良い。『ホームアローン』のケビンも顔負けのトラップを仕掛け、人数と武器不足を補いながら戦う。武器庫や、脱出のための隠し通路もあるこの屋敷での戦いは本当にワクワクする。

■007過去作オマージュ

▷『007/ダイヤモンドは永遠に』
エレベーターの下に捕まって尾行するのは『ダイヤモンドは永遠に』のようだった。駄作だと言われている作品でも、しっかりオマージュしてくるのが好き。

▷『007/死ぬのは奴らだ』
カジノでオオトカゲ(?)のような生物を踏み台にして上がるのは、『死ぬのは奴らだ』でワニの上を渡っていくシーンを思い出した。しっかり現代版にアップデートしているな。

▷『007/ドクター・ノオ』
MI6の本部のMの部屋が『ドクター・ノオ』の時と酷似しているのが激アツ!

■細かくて伝わらない好きなシーン

▷袖を直す

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アバンタイトルでは、ボンドが奪われた潜入捜査員のリストを持った男を追って、列車に飛び乗る。肩を撃たれて、重要機密を奪われたはずなのに、しっかり袖は直すジェントルメンなところが本当にカッコいい!

▷足でマシンガンを拾う
スカイフォールでのラストファイトでは武器が不足していた。そのため、敵を倒した後は彼らが持っていた武器を奪って使っていた。片足だけでマシンガンをなにげなく拾う所作が凄くカッコいい!

■最後に

『ノー・タイム・トゥ・ダイ』に向けて観るべきは、『スペクター』の一本のみになった。塚口サンサン劇場での再上映で再鑑賞してから、感想アップします!

過去作の感想はこちらから↓

▷『007/カジノロワイヤル
(6代目クレイグ1本目)

▷『007/慰めの報酬
(6代目クレイグ2本目)

 ▷『007/スカイフォール
(6代目クレイグ3本目)

 ▷『007/スペクター
(6代目クレイグ4本目)

 ▷『007/ ノー・タイム・トゥ・ダイ
(6代目クレイグ5本目)

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