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ファッションセンスとやら。

ファッションセンスというものが、私にはない。とかく、ファッションに疎い。

ファッションに目覚めたのは中学生になってからだったと記憶している。中学生向けのファッション誌を買ってもらい、ボロボロになるほど読み込んだ。

そのファッション誌を元に、自分なりのコーディネートを考えていたが、黄緑の花柄シャツにオレンジの七分丈パンツを合わせるような子供だった。

色の引き算だとかパーソナルカラーだとか、そういったものを知るはずもなく、ただ「いいな」と思ったものを組み合わせる。

大学生になり私服通学になった頃、いよいよ制服に頼れなくなったため「着回し術」というものを学び始めた私。

限りある手持ちの服で色々と重ね着をしてみたり、ストールを巻いてみたりしたが、どうにも「頑張ってます感」が拭えない。

いや、もちろん頑張っているのだ。自分の精一杯のコーディネートで毎日通学している。しかしどれも何となく似合っていなかった。

社会人になり、お財布にも少し余裕ができた頃、私は重大な事実に気付いた。

なぜ、マネキンさんが着ているそのままのコーディネートでさえ似合わないんだろうか。

それは、太っているからである。

如何ともし難い事実だった。痩せるまで服を着ない、というわけにもいかない。しかし着瘦せコーデを上手くできるほどのセンスもない。そもそも、めんどくさい。

それからというもの、次第にファッションに対する興味が失せていった。何年も同じ服を着たし、新しく買うのはたまたま通りがかったセールでのみ。

ファッション誌なんか、見向きもしなくなった。だってモデルさんはみんな痩せているんだもの。いくら可愛いコーディネートでも、私には似合いっこない。

そうしてアラサーになり、出会った今の恋人。

彼はお世辞にも痩せているとは言えない。初めて会った時は、そのお腹に目が釘付けになったものだ。

しかし彼はどんな服も似合っていた。着こなしていた、というべきか。とにかく、体型が気にならないしカッコ良く見えるのだ。

彼に、どうやって服を選んでいるのか聞いたら、こう答えてくれた。

「自分の体型に合う服を探すんだよ。そして、高価であっても良いものを選んだ方がいい」

これを聞いて妙に納得した。太っていることだけでなく、体型には色々ある。肩幅が広いのも狭いのも、太ももだけがやたら太いのも、足が長いのも短いのも、みんな一人一人違う。

既製品は標準的な体型で作ってあるのだから、そう簡単に合うはずがないのだ。

なるほど、私に服が似合わなかったのは、太っていて背が低い自分に合う形のものを選んでいなかったからなのだ。

* * *

そう気付いた今でも、彼と一緒じゃないと服が選べない私。

センスって、絶対あるよね。

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