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洗濯機と一緒に振り返る自分史。

わが家に、新しい洗濯機がやってきた。

ただの洗濯機ではない。なんと、乾燥機能もついた「洗濯乾燥機」だ。さらに言えば、これまで実家でも一人暮らしの頃も使ったことのない「ドラム式」である。

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まず、洗濯機についての思い出を語ろうと思う。

実家で暮らしていた12〜3年前、ドラム式洗濯機なんて裕福な家庭にしかないものというイメージだった。うちには普通の縦型洗濯機があった。

それでも「メモリー機能」といって、自分の好きな洗濯時間・すすぎ回数・脱水時間を洗濯機に覚えさせる機能がついていたので、きっと当時にしてみればいい洗濯機を使っていたんだと思う。(ちなみに今も実家で現役)

地元を出ると、まず社員寮に入った。洗濯機は共用。最低限の機能だけがついたその小さな洗濯機は、洗濯槽の汚れがひどくて、私にはそれがとてもストレスだった。

洗濯するたび、洗濯槽の汚れ(茶色いワカメみたいなもの)が服にこびりついた。そのとき初めて、洗濯槽は定期的に掃除しなければいけないものだと知った。

一人暮らしを始めたのは、会社員になって数年経った頃だ。初めて自分だけの洗濯機を買った。

できるだけ引っ越し費用を下げたくて、選んだのは単身者用の小さな洗濯機。聞いたことのないメーカーだった。モーター式だったので、脱水のときにガタガタとうるさい。そのうち壊れるんじゃないかと思うほどだ。

そして壊れた。

ある日、洗濯の途中でピーピーと音を鳴らして止まるようになった。エラーコードを見ると「排水溝が詰まっている」というような内容だったけれど、排水溝はきちんと流れている。

そのとき初めて「洗濯機は一日一回使う前提で寿命を計算されているから、一日何度も洗濯をするのはよくない」と知った。

結局「寿命」と結論づけて、買い換えた。それもまた、2万円くらいの小さな単身者用の洗濯機。きっとまた早めに寿命が来るだろうけど、値段相応だ、と腹をくくった。

この洗濯機ももちろんモーター式で(インバーター式のものは値段が高い)、やっぱりガタガタとうるさかった。洗濯が終わった頃には、下に敷いてある洗濯パンの上で、いつも向きを変えていた。よっこいせ、と洗濯機を抱えて向きを戻すのが日課になった。

一人暮らしはあと何年続くかわからない。見通しもない。「まだしばらくお世話になる」と思い選んだ小さな洗濯機だったけれど、思いのほか早く、1年と経たないうちに私の元から去ることになる。

私は結婚して、夫と二人暮らしになった。

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洗濯物を干すのは嫌いじゃない。

限られたスペースで、いかに洗濯物を全て干し切るか。シワにならないように、できるだけ早く乾くようにするには、どう干すべきか。

そんなことを考えながら、自分の中で順番を決めて干していく。一度干したものを並び替えることもある。

そうして綺麗に、等間隔に干された洗濯物を見ると、とても心が満たされた。

だけど仕事が忙しくなってくると、「洗濯物を干す時間が惜しい」と思うようになった。一刻も早く寝たい、と。

それは結婚してからも同じで。洗濯物は私が干したい、でも洗濯が終わるのを待つ時間も干す時間も惜しい。

そんな私を見かねて、夫が「洗濯乾燥機を買おう」と提案してくれた。

もちろん二人で出資するわけだけれど、買い換える勇気が出なかった私の背中を押してくれたこと、そして一緒に家電量販店でぐるぐる回りながら選んでくれたことが、とても嬉しかった。(お店でものを選ぶのは苦手なのだ)

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わが家にやってきた洗濯機は、これまで使っていたものより大きい。

使ってみると、洗濯しているのを忘れてしまいそうなほど静か。扉を開けたときに、扉から少し水が滴るのがちょっと気になるところ。

まだ使ったことのない機能だらけの新しい洗濯機。

これからこの子と、どんな思い出を作っていけるのか楽しみだ。


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