4年目の制作会社が、スタートアップに転身したきっかけ

今日、僕が経営している会社が資金調達のリリースを出しました。会社設立から4年目。昨今のスタートアップとしてはたぶん結構遅めの、はじめての資金調達。個人的にはものすごい感慨深いことなので、せっかくなのでnote始めるついでに書いてみたいなあと思います。(はじめに断っておきますがそこそこ長いですごめんなさい)

起業したきっかけ

この会社は4年前、僕が25歳の時に立ち上げました。その前は100人規模の動画ベンチャーの取締役をやっていたのですが、事業は急成長はできたもの、いろんな勉強不足から盛大に失敗しました。

昔っから映画やTVCM、Web動画など人の心を動かす動画というコンテンツフォーマットが好きだったこともあり、また、前回事業を作りきれなかった悔しさから、動画、クリエイティブという領域でもう一度挑戦したい、と思って立ち上げた会社です。

制作会社→自社サービス進まない問題

立ち上げてからほぼ2年、僕たちはいわゆる「制作会社」をやっていました。正確には、制作会社から抜けれなくなっていました。理由は下記です。

「よーしプロダクト作るぞー!でも資金調達は前回痛い目見たので(割とありえないレベルの詐欺とかあったw)今回は動画や開発の受託をしながら、余剰資金を開発にあてて平行してやるぞー!」

よく言われる、受託とプロダクト開発両立難しいのに両方やっちゃう問題です。

もちろんプロダクトは作っていました。2年で10個くらい作りました。が、片手間で作ったものが上手くいくほど甘くはなく、器用でもなく、結果全部中途半端な感じでクローズしました。

一方で、制作会社としては順調に成長していきました。

制作はもちろんのこと、年間150本近くライブ配信をしたり、料理動画に代表される「分散型メディア」全盛期には、毎月400本近く制作したり(今考えると正気じゃないな)、黎明期からバーチャルYoutuberにも関わらせてもらったり。気づけば実績は数千本、制作会社としてはそこそこ実績のある会社になり、大変ありがたいことに売上は伸びて行きました。その結果、そこから抜けづらくなり、プロダクトからはどんどん遠のいていく、そんなジレンマに陥りました。(結果的に考えると市場の変化全体を体験することができ、良かったと思っていますが)

あれれ、僕は何がやりたかったんだっけ?

プロダクトは出来ないまま、会社が3年目を迎えたころには、それなりに収益の安定した会社になりました。と同時に、「あれれ、僕は何がしたかったんだっけ?」と違和感を覚えるようにもなりました。この頃はもう大迷走していて、動画という領域で人の役に立つサービスがつくりたい、のではなく、なんでもいいからスケールのでかい自社プロダクトを作らなければ、という本末転倒な思考に陥りました。本当に恥ずかしい話ですが、周りの起業家の資金調達やプロダクトのかっこいい話がさらに拍車をかけました。

そんななか、突然一通のメッセージが届きました。

NOW、代表の家入さん。ド田舎の不登校だった高校生の僕が、人生で初めて読んだビジネス書を書いた人でした。これは、、と思いすぐに会いに行きました。

家入さんは、本で読んだり、インターネットで追いかけていた通りの、優しい人でした。迷走しまくっていた僕の支離滅裂な話もしっかり聞いてくれました。(その頃は、もはや動画とか関係ないアルバムアプリとか作りながら最終的には地方の雇用を作るサービスになるなど、冷静に今考えても自分でも何いってるかわかりませんw)人通り話を聞いてくれたあとに、すごく優しく一言。

「それって本当に、松尾くんじゃないといけないことなんでしたっけ?」

ハッとしました。あ、確かに僕じゃないといけないことってなんなんだろう、と。ここからしっかり考え直してみようと思いました。すぐに帰って大きなスケッチブックに今まで経験してきたこと、近い人が困っていること、怒りを感じていることなどを殴り書いてみました。その中で

「動画使って色々試してみたいのに、(色んな)コストが高くてできないよね。」

という言葉を思い出しました。そういえば、この業界にいて7年間ずっと言われ続けた言葉がこれでした。そして自分が一番聞く耳を持っていなかった言葉もこれでした。いやいや何いってんすか、動画作るのめっちゃ大変なんすよ、と。どれだけ工数かかると思ってるんですか、と。で、ようやく気づきました。あちゃー。そういえば、動画が普及しきらない根本的な問題ってほとんどここに集約されるわーって。もっと動画コンテンツを普及させたかったのに、色んな人から言われまくってるのに、挑戦してなかったところココだー、って。

僕らだからできるサービスをつくろう

作り込まれた高いクリエイティブは難しいけど、比較的ライトなコンテンツであれば、試せるかもしれない。自分たちでやってて思う動画制作の面倒臭いところを書きまくり、それに対してどういうアプローチをすればいいかを考えました。

「そもそも編集ソフトを使ったことがない人だと、横向きのタイムラインって意味不明だよなー。普段使い慣れてるブログみたいに縦の編集画面にしてみよう」
「画像のアップロードって面倒くさいから、URL入れたら素材引っ張ってこれるようにしてみよう」

そういったものを形にして、ちょうど1年前、ログイン画面もない、本当に最小限のプロトタイプをリリースしてみたのが今のRICHKAの原型です。ビックリすることにリリース1週間で200件以上のお問い合わせをいただいて、ニーズの高さを痛感しました。

ようやく、僕たちがやるべきことはこの領域なんだなと3年目にして強く思いました。また中途半端になってはいけないと思い、売上のほとんどを占めていた制作の仕事を9割止めて、今までの余剰全部突っ込みながら正式版を開発しました(普通にしんどかったのですが、むしろ吹っ切れてすごく楽しかった)。結果、なんとかプロダクトも形になりながら、家入さん、ヘイ佐藤さんはじめ素晴らしい方々にご縁をいただいて、少し前の話にはなるのですが、今回の調達を行うことができました。本当にみなさん経営者・投資家として最高にかっこいと思っている方ばかりです。

現在はようやく色々な体制が整ってきて、絶賛プロダクトを改善しています。まだまだ制作のハードルが高いので、もっともっと下げていかないといけないし、同時に動画のクオリティもあげていかないとなんですが、最近では65歳の未経験の主婦の方でも動画が作れた!というお声も出てきて、とても嬉しく思っています。


世界中のクリエイティブを、一歩前に

RICHKAでは現在、月に3,000本以上の動画が非クリエイターによって作られています。このコンテンツの数を増やしていくことが一つ僕たちの目標なのですが、挑戦したいことは、「新しいスキルシェアの仕組み」の構築です。

2022年にはインターネット広告市場の半分は動画広告になると言われており、「ブランドCMのような高クオリティのコンテンツ(=CMの代替)」と「ライトにPDCAを回していくコンテンツ(=バナーの代替)」の二極化は進んでいきます。そうすると、後者はある程度安価なコストが求められ、今の一般的な制作単価だとコストが合わなくなります。既に大手では東南アジアに安価な編集人材を集めていたりする話を聞きますが、低い労働単価を追求していくことは労働環境やクオリティの観点からも本質的な改善ではないなあと感じます。

だから、僕たちはまず「誰でも使える超簡単なインターフェイス」を作っています。そこにクリエイターのノウハウや知見をストックできれば、非クリエイターでもその日から脳みそを借りてクリエイターになれる。クリエイターは知見を提供することで収益を得て、ライスワークをしていたような時間を新しいチャレンジの時間に使えるようになり、さらにいいクリエイティブが生まれる。ユーザーはたくさんのリッチコンテンツに触れることができる。こんないい循環が世界中で起こることを目指して、頑張っていきます。

チームと、ユーザーと祝杯をあげれる会社になるために

このタイミングで会社ロゴもリニューアルしました。作ってくれたのはわりえもん(@wariemon )さん。会社を作ったばっかりの時にTwitterでデザインをみて、「この人にいつか相談できるような会社になりたいなー」と思ってましたこんな形でお仕事してもらえるとは思ってもなかった。最高のおしごとをありがとうございます。

ということで仲間を絶賛募集中です!

ということで、長くなりましたが4年越しにやっと第一歩が踏み出せました。すでに色々大きなプロジェクトが進んでいてワクワクしています。少しでも「コンテンツに、カクメイを」おこしたいなと思った方、お茶しませんか?メッセンジャーでもツイッターでもなんでもお気軽にお待ちしております。



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Yukiharu Matsuo #RICHKA

カクテルメイク代表取締役。最短1分で動画広告が作れる「RICHKA」というプロダクトを作ってます。飛び込み営業で飛び込んだ5人のベンチャーにそのまま入社。取締役として2年で20倍に成長するも失敗。25歳で起業して今に至ります。

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