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仁平幸春の考え

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制作に関する考え、その他雑感を綴っております
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記事一覧

伝統工芸において明治以降の偉いとされている人ばかりを参考にしても伝統から学んだ事…

私は、染の着物や帯の文様染色の製造卸販売をメインの生業にしております。ですので東京在住の…

伝統文化界隈こそ、未来への投資が必要

伝統文化界隈は、過去にばかり目が行きがちですが、むしろ常に未来を考え投資しなければ衰退し…

同じ業界でも他業種だと事情がまるで違う事もあり、社会からの影響も時差があるものな…

同じ業界でも、業界内の分野によってまるで違う事がありますから、その仕事のスペシャリスト程…

映画「PERFECT DAYS」を観たです

先日、妻と最近評判の映画「PERFECT DAYS」を観に行きました。 結論から言うと、私は好きな映…

今、現代美術とされている分野はゲームに似ていると思う

普通一般の人々が思い浮かべる「現代美術」というものは、その時代の「前衛」のような、まだ形…

一部の欲深い人によって全体が損をする

以前、当工房でも染色教室を単発的にやった事がありまして、それは結局、プロの制作現場に生徒…

工芸系作家も職人もちゃんとしないと

作家だからどうとか、職人だからどうとか、そういう事は関係なく、ちゃんとした仕事をするべきだよねー、という話題です。 * * * * * * * *  ・・・以前、あるギャラリーさんで個展をしていただくにあたって、そのギャラリーに下見に行くと、流木や曲がった枝を使った椅子や棚などをつくる作家さんの展示会をしていました。 その作家さんとお話をすると、その人は本業はグラフィックデザイナーで、木の作品はアートとしてやっているとの事。 その木の作品を拝見すると、使われている金具

私は伝統〇〇と言われているものは取りあえず怪みます

当たり前の話が当たり前に把握されていないのが、いわゆる伝統界隈の世界だと私は把握しており…

伝統文化は、その国のインフラの一つなのではないか?

などと、令和6年の正月に思ったのです。 その国の様々な自然災害への対策、さらに鉄道や道路…

変化の無くなったものは、役割の終わったもの

和装は 「伝統的衣装でありながら同時に現代ファッションでもある稀有な民族衣装」 です (…

SNS上の現代美術警察と着物警察

を、良く目にしますね 小話にすると、こんな感じです * * * * * * * * ・・…

初心者だという自覚の無い人たちに困る師匠たち

グチ投稿が連続してしまった。笑 以前も似た内容の記事を書いた事がありますが・・・ また似…

お取引先の会社の社長さんと社員さんたちの、こちらへの評価の温度差に手を焼く事があ…

いつものグチ系話題です。笑 最近は流石に年齢とキャリアを重ねたので減りましたが、それでも…

分野分け出来ない着物をつくる理由

当工房は、衣桁に(着物を広げて飾るための枠)かけた際に見栄えのする「着物の形をした染絵」のような着物を作りません。あくまで「実際に着た時に最大の力を発揮する着物」を作ります。着物に限らず、当工房で制作する和装全般、そのような考え方で制作します。 昔は着るためだけでなく財を誇るためやインテリアとして衣桁にかけて映える着物の需要がありましたし、現代も美術団体展出品用の総柄の絵羽の着物がありますが、当工房ではそのようなものは滅多に制作しません。 当工房ではそのような着物ではなく