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【日記】これ以上、小心な男たちを煽らないでやってくれ

ちょっとボリュームがあった仕事の初稿を出してひと段落。
17時台とはいえもう外は暗くて、急にお腹が空いたので、スマホと財布を持って坂を降りた。
行きつけのホルモン焼き屋のカウンターはまだ空いていて待たずに座れた。
久しぶりに生ビールを飲みながらホルモンを焼く。
ここはノドブエ、アブラなどの希少部位もあって、いろいろ食べてそれぞれに美味しかったけど、一周回って今はやっぱりホルモンとレバー。
ホルモンのタレが美味いんだよね。レバーはやっぱり塩胡椒か塩と七味だなぁ。
なんて考えながら炭火で焼いたホルモンを胃袋に放り込んでいると、カップルが入店してきた。
歳は30代くらいかな、なんて思っていると、突然もわっと科学的な臭いが鼻を突いた。
明らかに男性の香水か制汗剤の臭い。
ボクは入り口の右側の席に座っていて、彼らは反対側の端の方に座った。
さすがにそこから臭いが届くことはなかったけど、男がスマホを持って席を立ち、外に出ていくときに強烈な臭いを振りまいた。
女の方の化粧や香水の匂いじゃないよなとは思ったけど、やはり男の方だった。

少し前まで、香水をつける男はそう多くなかったと思う。
ボクらのずっと上の世代だと、ポマードの匂いはさせてたけどね。
いつからか、体臭を抑えるとか、加齢臭がどうだとかで、制汗剤や香水をつける男が増えた。
さらに、今はスキンケアをしている男も増えているようで、まぁ、それぞれの考え方だから異を唱えるつもりはないけど、なんだか踊らされてないかと感じずにはいられない。
テレビのCMやら情報番組でも、今や男性用化粧品は普通になってきて、なんだか使わなければいけないような雰囲気すら漂う。
この分野は化粧品メーカーにしてみるとブルーオーシャンだったんでしょうね。
「ここに進出しない手はないじゃないか!」
と誰かが言ったのかもね。

誤解しないで欲しいのは、男が見た目を気にしやがってとか、そういうことを言いたいんじゃないんですよ。
それはそれぞれの好みだから良いんです。どんな格好をしようとね。
ただ、なんか踊らされてないかなーということなんですよ。
本当にそうしたくてしているのか。
そうするのが今の流行だからとか、常識なのかなってやってるのだとしたら、ちょっと考えてみようよと思ってしまうワケ。

もう15年くらい前だけど、某カツラメーカーで働いていた人と話したことがある。彼が言うには、来店して作ろうか悩んでいる人に向ける営業トークがすごい。
「カツラもつけずに地肌を見せて歩いているってことは、パンツを履かないで歩いているようなものですよね?」
なんて言ったりするらしいです。
不安や恐怖を煽るマーケティングですよね。
制汗剤や香水、男性化粧品も少なからずその側面はあるんじゃないかと思うんだよなぁ。
冒頭の男の話に戻ると、汗の匂いをさせているより、あれだけ科学的で攻撃的な臭いを飲食店で振りまく方が迷惑だと思う。
本末転倒なんだよね。
まぁ、とにかく、もうこれ以上、小心な男たちを煽るような製品とCMが出てこないように祈るよ。

そういえば、その某カツラメーカーに勤めていた人が言っていたんだけど、カツラ業界の宣伝に関して、他業界と決定的に違う点がひとつある。
それは、

利用者の口コミで広がらないこと。

だろうなぁ。


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