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ゆきが無農薬で米を作る理由

今日は中谷武司協会代表の橋本ゆき(同姓同名の方が区議会議員に当選されててましたね)の稲作についてお話します。中谷武司協会の営業時間は大体11時~17時。「大体」とあるのは、朝から農作業をすることが多いので、11時きっかりに開けられない時や、17時よりちょい早めに閉めて田んぼへ行っちゃうことがあるからです。もちろん、逆に早くから開けてたり、17時過ぎても店にいる場合も多々あります。そこんとこよろしくお願いします。

さて、店の営業時間をも左右するこの農作業。まあ、主に田んぼで米作りなのですが、この田んぼをするようになって、農協からこのような冊子が届きます。

なんかカレンダーみたいな感じで、この時期にはこの作業を…なんてほのぼのしたのを想像してたら、中身はこれ。

この時期にはこういう病気。この時期にはこういう虫、この時期には草を抑えるために…と言った風にそれぞれに利く農薬が紹介されています。

そう、これって「農薬を早く買えば割引しますよ」という販促の冊子だったのです。一冊全部農薬のことです。有機栽培や無農薬のことなんて、ハッキリいって1ミリも書かれていません。「農薬を上手に使ってよいお米を作りましょう!」というわけです。

米作り、って普通はこんなんみたいです。わたくし、無農薬のお米って、簡単にできると思っていました。田んぼに除草剤を入れなければいいだけ。なんて、思ってたんですね。そもそも私は田植えと稲刈りはしたことあったけど、その間に何が行われているのか、まったく知らなかった。ところが、田植えをした数日後に、父が「おまえ、除草剤ちゃんと入れておけよ」と言うのです。そう、うちの田んぼも普通に除草剤入れてたんですね。だしパックみたいなのを6個くらいポイポイって田んぼの中に放り込むと、すぐに袋が溶けて、中から小さい粒がくるくる回りながら水の表面にワーって広がっていく。化学の粒が自然の中に広がる姿はどこかゾワゾワします。

その時うちが使っていたのは除草剤だけ。農薬の使用にはグラデーションがあります。農薬ったって、タダじゃありませんからね。できれば安く済ませたい。だからここに書いてあるもの全部使うわけじゃない。けど、最低除草剤は使います。除草剤を使わない田んぼはこうなります。

稲に行くべき栄養が横からどんどん雑草に取られちゃう。お米の量も全然取れません。いやー、ホント、雑草強いわ。米弱いわ。私が今日ここで言いたいのは、農薬が悪、無農薬が善という二極論ではありません。

・稲や雑草の生理を理解したうえで、適切な時期に適切な作業をすることで農薬栽培が可能になる。農薬を使わなければできるわけではない。

・農薬の使い方は千差万別で、薬の成分や効果を理解して適切な分量で使える人もいれば、とにかく入れればいいと言う人もいる。

いずれにしても、農薬の使用に関してはその量にすごい違いがあるということをね、知って欲しいと思います。農薬の使用回数や種類を販売時にきちんと書いてる生産者さんがいらっしゃいますが、そういう方は正直でちゃんとしてると思います。

さてさて、伊勢神宮は稲作を信仰にしたもの。と、昨日書きました。肝心の伊勢神宮の米作りは無農薬なのでしょうか。もちろんそうではありません。神宮の田んぼはとてもきれい。御田植祭では古式にのっとった装束で田植えをしますが、その後は除草剤を入れてます。神さまが食べるお米も別に無農薬ではないのですね。そんなことよりも、不作にならないように作ることが大切。けれど、農薬のない昔は一体どういう作り方をしていたのでしょう。気になるところです。

中谷武司協会は、私(橋本ゆき)の実家に田んぼがあるため、そこで米を作っています。今は一応農薬を使わない米作りをしています。なぜ農薬を使わないのか。別にオーガニック信者ではありません。農薬を使わないのは、私が無類の虫好きだからです。現在の目標はタガメが泳ぐ田んぼです。今のところミズカマキリかコオイムシ、ミズスマシどまり。タガメへの道は遠い…。

虫が死ぬから農薬は使わない。虫もいない田んぼなんて、作ってたって面白くもなんともない。そんな田んぼ作るくらいなら、田んぼやめて米買うわ。買った方が安いもん。

そんなことで、私が米を作るのは、虫が見れるから、でした。そんな米作りが今年も始まっています。中谷武司協会の営業時間「大体」11時~17時の「大体」度も上がってくる時期、ご来店の節はそのへん、よろしくお願いいたします。


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