見出し画像

台湾的音楽 9m88 インディーズアーティストが切り開く希望の道

以前に紹介記事を書いてから、早3年近くが経過したので、改めて彼女のことを書いてみようと思っております。私自身も、この3年で学ぶことがたくさんありました。

日本でも音楽好きの間では、名前が知らせている台湾アーティストの一人が彼女、9m88ではないかと思います。ジョウエムバーバーと読みます。アルファベットの「m」以外は、中国語の数字の読み方です。

「決定不想你 Sent」は、2023年リリースしたアルバム『SENT』の収録曲。
もうあなたを想うことをしない、ということですが、別れを決めた時の冷静な決断(腹を括る感じと言いますか)が、英訳された詞からも感じ取れますし、彼女の歌声の伸びやかだけど、ちょっと抑えた感じからも感じ取れます。

NYの大学で学んだジャズをベースに、R&Bやネオソウル、Hip-Hop、ポップスと幅広い音楽をリリースしていますが、アーティストとのコラボ作品も多数。それも、メジャーとインディーズも関係なく、アーティストの年齢や国籍もサラりと飛び越え、お互いの個性を活かした素晴らしい楽曲をリリースしています。

台湾系アメリカ人で、シンガーソングライターでラッパーのØZIとのコラボ楽曲「BLACK OUT」。クールな楽曲に彼女の歌声やラップもよく似合っています。

90年代生まれで、2016年にデビューした彼女。先ほども紹介したように、NYの大学にいたので英語も堪能。歌う言語も、台湾華語(中国語)と英語を使用します。2017年ごろに、アジア圏で大ブームを起こした「プラスティック・ラブ現象」では、日本語で楽曲をカバーをした動画をYouTubeにアップしています。(「プラスティック・ラブ現象」=日本のシティポップがアジアで大流行しクラブでかかりまくる。その中でも、特に竹内まりや「プラスティック・ラブ」の7インチレコードはプレミアがつくほどになり、「シティポップ=プラスティック・ラブ」という珍現象になる。それを私が「プラスティック・ラブ現象」と呼んでいる。)

2023年には、アルバム『SENT』リリースツアーを日本でも行いました。私も観に行きましたが、会場のお客さんの6割近くが日本人。残りの4割くらいが中国語話者。そこに英語話者が混ざるような、お客さんも多言語な感じの構成でした。ライブのMCは英語と日本語と中国語を交えてくれました。また「プラスティック・ラブ」も披露してくれて大いに盛り上がりました。

YouTube Shortではライブのひとコマがアップされていました。

コラボレーションや楽曲のかっこよさ、そして彼女自身の華やかさに注目されてしまいがちですが、リリースしている曲の一つ一つには、信念が反映されており、歌詞や曲を作った経緯などを知ると、楽曲を聴いている全ての人を励ましたり、前に進むために優しく寄り添ってくれていたり、それぞれの人の個性を認めてくれたりと、とてもメッセージ性が強いことが分かります。

「Tell Me」は美しいサウンドに彼女の歌声が乗り、耳ごこちの良い作品です。この曲は、日本の某恋愛リアリティ・ショウで命を絶った女性のことを知り、いじめなど、とても苦しい境遇にいる人に向けてのメッセージが込められています。日本の音楽プロデューサーDJ Mitsu the Beatsとの共作です。

さて、彼女は、2024年5月1日に、東京でライブを行います。EX THEATER ROPPONGIで、WONKとjo0jiとの3マンライブです。
WONKと9m88は昨年末にウインターソングをリリース。とてもロマンチックな楽曲です。初夏の六本木が冬のロマンチックな景色に変わるのでしょうかね。今からワクワクしております。
チケットは、各種プレイガイドで販売中です。

最近は、自身の楽曲リリースだけではなく、映画の出演や、Netflixのドラマ『華燈初上 -夜を生きる女たちー』でのゲスト出演と楽曲制作などでも活躍しています。MVやジャケットのアートワークの面白さと楽曲の素晴らしさと共に、たくさんのシーンで、彼女の姿を見ることが増えそうです。

さらに、オフィシャルHPも開設されたので、ぜひチェックしてみてください。彼女の世界観が分かる、素敵なHPです。

楽曲はSpotifyでも楽しめます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?