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和泉由希子という女

「選ばれなかった女たち」という企画をご存知だろうか?
近代麻雀の新人女流プロ紹介のページに、「選ばれなかった女」が自ら立案し、企画書を書き、編集部に持ち込んだ。
(現在進行形なので、興味ある方はコチラ↓

自分の想いを形にして行動した飯盛さんは、素直にすごいと思った。
「選ばれなかった女」というテーマにも、共感できるものがあった。
なので、私も一緒に何か出来ないかと思い、募集要項を見てみたら・・・。

『入会から5年以内の方。』

あ、無理だわ、となった。

いや別に飯盛さんは悪くない。
そもそも元になったのが新人女流のページなので、それに沿っただけだ。
仕方ない。

ちょうど同じ頃、対局番組「シンデレラファイト」でもエントリーを募集していた。
参加資格には
『プロ7年目以内』
とあった。

たまたま私が見たタイミングが悪かったのは認めるが、二つ続いた事により、「なんやねん」と思った。

今に始まった話でもないが、新人や若い人にスポットを当てた企画は数多くある。
連盟ですら、29歳以下限定のタイトル戦があったりする。

なら逆もいいじゃん。
『40歳以上、プロ歴20年以上』とかさ。

しかしコレ、年齢を誤魔化してる女流プロは困っちゃうな。
ってか、歴20年以上で残ってる女なんて誰がいたっけ?
考えたら、両手で余るくらいしか思いつかなかった。


私の同期のプロは男性女性限らず、ほとんどが辞めていった。
今のようにMリーグなど無い時代。
大半はただの雀荘のメンバーであり、特に男性プロは食い扶持が無かった。
よほど認められた一部の実力者以外は、実家が金持ちか女に食わせてもらうかの二択だった。

そうしたプロを救済したいと、藤田さんが立ち上げたのがMリーグであるが、やはり注目を浴びるのは若くて可愛い女流プロであり、結局貧乏人はたいして助かっていない・・・
と思うが、まぁいいや。それはまた別の話だ。

元に戻そう。
 
私がプロになった20数年前は、女流という存在がそもそも少なかった。
女でフリー雀荘で打てるくらいの力があれば、プロ試験は受かると言われていた。少ない仕事も優先的に回してもらえた。
ちょうど麻雀格闘倶楽部も始まり、女流に力を入れ始めた時代でもあり、タイミングが良かったのだろう。

それでも私は持ち前の愛想の悪さが災いして、すぐに仕事が増える事は無かった。
雀荘だけでなく、キャバクラや介護の仕事を並行して、なんとか食べていた時代もあった。

転機となったのは「あいのり」である。
街を歩けば女子高生にキャーキャー言われ、民放のバラエティ番組や雑誌のグラビアの仕事も頂くようになった。
並行してゲストの仕事も増え、土日だけなく、平日でも毎日数万円。
新しい対局番組には必ず呼ばれたので、そりゃ回数打ってりゃ勝つ事もあり、タイトルも増えていった。優勝すれば、賞金も入った。

アホなので飲み歩くようになった。
毎晩のように歌舞伎町に行き、その日に貰ったギャラをその日に使い切る生活。
今となっては名前も覚えてない、ホストの○○君やショーパブの△△ちゃん。私のカネを返してくれと言いたいトコだが、向こうだって私の名前なんか覚えちゃいないんだろうな。

別にそんな生活がずっと続くと思っていたわけじゃない。
若さが無くなる事だって分かってたし、麻雀界が変わっていくのも予測できた。
だけど、目の前のお金を一生懸命拾ってたら、借金持ちか前科持ちの男ばかり寄ってきて、彼らと生き死にのケンカをしたりするのも忙しく、そうこうしてるうちに子供が出来て・・・とかやってたら、未来の事まで考える余裕も無いまま、今になりました。
ちゃんとした子達はその間に麻雀プロを辞めてました。

気付いた時には、すっかりお局さん。
放送対局は若い子優先でどんどんクビになり、数少ない機会を生かそうと思えば思うほど手が縮こまり、ますます勝てなくなりました。
勝てないババアとか何の価値も無いね。
「もっと頑張れよ」と言われるけど、何を頑張ったらいいのか。復活のチャンスはどこにあるのか。

まぁほとんどは自己責任です。良い思いも沢山させてもらったので、愚痴りたいわけでもないです。
ただ唯一ツイてなかったなと思うのは、女流プロの未来を見せてくれる先輩がほぼいなかった事です。
我らは女流の第一世代だった。
どう生きていけば麻雀プロとしての未来があるのか、教えて欲しかった。

正直、それは今も分からないままです。
50代60代になっても「食える麻雀プロ」でいられるだろう女流は、現在でもほぼいないと思ってます。(私個人の見解です。)
一線で活躍する形ではなく、教室の講師とか裏方の事務とかならアリか。


んでまぁ、今後自分がどうしていくかを、考え中な身の上なわけですけど。

黒木さんに相談してみたら「note書けば?」と言われたので、とりあえず書いてみた次第です。

とは言え、私の人生でネタになりそうな事といえば、過去の男性遍歴くらいしか無いもんで。
そういった話を織り交ぜつつ。
私がこうして必死に食い繋いでいる姿を見て頂こうかなと。

四天王と呼ばれた時代はどこへやら。
毎月の収支はマイナスなので、貯金を食い潰しながら生きてます。

みんなnote買ってね💕


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3月掲載分

1,300円

2024年3月に掲載した10本をまとめています。 おまとめ割で、単品よりも少々お安くなってます。 (単品全て買うと1550円なので、一本だ…

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