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坂田直樹に〇〇について聞いてみた(1)

作曲家 坂田直樹さんにインタビューしてきました。坂田直樹さんは1981年生まれ、愛知県立芸術大学を卒業後フランス留学をされて、今現在は東京とパリを中心に活動されている作曲家です。同世代として常に刺激を頂いている作曲家の一人でもあります。坂田直樹さんウェブサイト
(インタビュアー:わたなべゆきこ)

——坂田さんは、フランス留学の前は、日本では愛知県芸で勉強されてるんですよね。愛知県芸での学びについて、少しお伺いできますか?

当時は、将来「現代音楽をもっとやっていきたいのか」それとも「商業的なものへ進みたい」のか、もしくはまた別の方向なのか迷いながらも、マイペースにやっていたような記憶があります。自分が何をやりたいか、まだぼんやりとしか見えていなくて、同世代の周りの活躍も俯瞰的に見ていたところもありますね。

——同世代の作曲家同士、ライバル意識とか、ぎすぎすした感じはなかったんですね。

僕大学入るのが遅かったんですよ、21歳の時に入学して。なので、同世代の誰かと比較してもしょうがないな、と思っていたんですね。もちろん、コンプレックスもあって「人よりも遅れてるから、もっとがんばらないと」とは思っていたけど、当時は今みたいに簡単に情報を得られる環境ではなかったし、周りを見て焦り過ぎることなく純粋に興味があることを追求する時間を持てたのは良かったと思ってるんです。

——そういった意味では、ゆったりした時間の持てる、地方だからこそ出来る時間の使い方だったのかもしれませんね。

当時を思い返すと「YouTubeって何か凄いらしいよ!」とかね、スカイプが出始めの時期で、わざわざ隣の部屋と繋いだり(笑)そういうことをやってたんですよね。

——ほんわかしてる!

そう!そういう感じだったので、「ぎすぎすした感じ」はなかったかもしれませんね。

——地方ならではの良さなのかもしれませんね。例えば、現在地方大学で作曲を勉強しているけれど、これでいいのかな、と悩んでいる人って結構いると思うんです。都会で勉強したいな、とかもっと別の場所でって。そういう方に何かアドバイスありますか?

そもそも作曲って凄く時間がかかることなんですよね。例えば4年間でどうなりたい、とか、短いスパンで考えて焦る必要はないと思うんです。だから地方大学でも、その4年間で出来ることって沢山あると思うし、マイペースにやりたいことに向かって邁進して欲しいと思います。

地方って遊ぶところもないし、やることもないから、そういう環境下で作曲に集中するのも悪くないと思うんですよ。とことん、自分と向き合うには。

——坂田さんは愛知を出られてからフランスに留学されているんですが、地方から東京に、ではなく、フランスに行かれた経緯を教えてもらえますか。

東京はいつでも行ける、と思ったんです。フランスはシステムとして大学入学に年齢制限があった、ということと、もともと傾向としてフランス音楽が好きだったので、自然と留学先としてはフランスが浮かんだんです。あとは大学時代の師匠の薦めもありました。

——なるほど。私は逆にフランスは全然念頭になかったんですよね。この辺りの違いも面白いですね。

坂田直樹に〇〇について聞いてみた(2)に続きます。
(次の更新は4月5日です)

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