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大企業に多い。下手したら炎上間違いなしの勘違いインスタマーケティング3選

仕事柄、私のもとには日々いろんなSNS周りの情報が集まってくる。
「このアカウントってダメですよね…?」という密告や「この企業アカウントやばいw」というもはやネタ化された報告もある。

はじめはSNSマーケティングに割く時間もお金も人もいない小さい会社が付け焼き刃でやっているから、こういう間違ったマーケティング施策になっているのでは…?と勝手に思っていたが、蓋を開けてみてびっくり。
「この企業アカウントやばい」と話題にでるほとんどのアカウントが、誰もが知っているような大企業のアカウントなのである。

今日は特に驚き、「今すぐその施策やめなさい!」と言いたくなるようなアカウントを3つほど紹介したいと思う。
(一応企業名は伏せているが、心当たりのある担当者様が見ていれば、ぜひ一度私に連絡してほしい…!)

1.CMを見ない日はない!超有名コスメブランド

誰もが知っている会社の、誰もが知っているコスメブランドが昨年中頃から、インフルエンサーPRに取り組んでいる。
芸能人・一般のインフルエンサー含め、かなりの規模で自社商品をInstagramに投稿させている。
お金をかけてインフルエンサーを選定しているだけあって、写真はとても綺麗。

しかし、どこからどう見てもステマなのだ。面白いくらいに。

どの投稿を見ても「もらいました」「提供されました」「PR」「AD」などの文言は一切なく、「これ使っています」「◯◯のおかげで調子がいい!」「みんなもおすすめ」という内容ばかり。

誰もが知っているブランドなので、本当に使っているのかもしれない。
しかし、そうではないと容易に判断できるのが個性的なハッシュタグ。
「こんなハッシュタグ普通はつけません!」というような、企業側が打ち出したいメッセージがハッシュタグにつめられており、皆が同じものをつけている。
そして同時期の投稿。いくら有名なブランドだからといって、言い逃れができないくらいステマ色満載である。

インフルエンサーも自分の価値を下げないために、断る勇気を持って欲しいなあとすごく思う。

2.誰もが1回は食べたことがある?!お馴染みの食品ブランド

この会社は自社でInstagramのアカウントを運用している。
アカウント自体も「なんでこの写真なんだろう…」という投稿ばかりで、案の定有名企業のわりに人気がなく、フォロワーも数百人しかいないのだが、まずいのはデジタルコンテンツの権利周りに対する知識の浅さ。

平気で写真の中に他社商標が写り込んでいるのである。

特定の商標が写り込んでいる写真をSNSにアップすること自体は問題がないが、それが「個人利用」ではなく「商用利用」になると訳が違う。

おそらく、SNS = 一般人が個人的に使うもの(マスメディアとは違う)という考えなのだろうが、企業名でマーケティングの一貫としてSNSを活用しているのであれば、それは立派に商用利用である。
商用利用で他社商標はダメ。ゼッタイ。

3.女性の間で最近人気!新鋭のファッションブランド

こちらの会社も自社でInstagramのアカウントを運用しており、自社で撮影しているコンテンツの中に、一部ユーザー投稿が混ざっている。
ユーザー投稿を使うこと自体は、コミュニケーションをとることで活性化するSNSという場では、すごく有効なこと。

しかし、使い方に気をつけないと「私の写真は無断転載NGです!」と言われ、炎上しかねない。

よくあるのは「#◯◯というハッシュタグをつけて投稿していただくと、弊社のアカウントで紹介させていただく場合があります。」というもの。
#タビジョや #genic_magなどは10代〜20代の女性の間ですごく人気があり、アカウントで紹介されるとフォロワーが伸びる可能性が高いことから、自ら進んでつける人も多い。(そしてアカウント自体もすごく綺麗な写真が多いので、採用されると自分の写真スキルを認められた気分になれる。)

こちらの企業も上記に則って運用しているのだが、指定しているハッシュタグがあまりに当たり前(ブランド名)なのである。
#タビジョも #genic_magもブランド名とは被らないように一捻りされており、「紹介されてもいい」と思う人しかつけないような明確なブランディングができている。
一方で、当たり前すぎるハッシュタグを指定すると、ただ単に自分の投稿につけただけで、紹介されたくない(自分の写真を紹介されることが無断転用だと捉える)人も取り込んでしまうことになる。

Repostであれば自分に通知がくるため、嫌であれば異議申し立てをするだろうが、中には自社商品が写っているから使ってもいいだろうという考えで、画像をコピーして自社アカウントに投稿しているケースもある。

SNS上に投稿されている写真であっても著作権は撮影者が保有している。
ユーザーコンテンツ(UGC)の活用に取り組む企業が増えてきているが、使い方には気をつけなければならない。

なぜ大企業ほど勘違いをしているのか?

これはおそらくだが、ずっとマスマーケティングだけをやってきた担当者が、マスのルールのなかで運用しているからである。
そして、大企業ほど「これからはSNSにも力を入れてね」なんて新規プロジェクトを上から言い渡され、「新しいプロジェクトだから経験のある◯◯さんにお願いしよう」という◯◯さんがSNSネイディブではない年配の方なのだろう、と想定している。

従来のマス広告通り、「企業側が伝えたいメッセージを」「ターゲットと親和性の高い人に」「伝えてもらう(わざとらしさがないように演じてもらう)」「そうすれば好意度が上がるよね?」という考え方でSNSを運用しても、SNSネイティブの世代には通用しない。
SNSはあくまでユーザーが主役。企業は脇役である。

「いいコンテンツを」「SNSに則った形で」「信頼できる情報として発信する」からアカウントを好きになり、その先のブランドのファンになるのだ。
どれか1つでもかけていたらSNS経由でのファンは増えないと思っている。
マス時代の一方的なわざとらしいコミュニケーションは、好意度をあげるどころかSNS上では邪魔なのである。

SNSとマスのコミュニケーションは別物。
それを理解した上で運用してもらい、炎上目前の勘違いアカウントが減ってくれればいいなと思う。


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