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米国で3番目に大きいスタートアップ資金調達の中心地「ボストン」で体験したサービス達

(7割は無料で読むことができます)

ニューヨークにもようやく初夏がやってきて1年で1番過ごしやすい季節になった。ニューヨークで夏を過ごすのは初めてだが、ここの夏はとても短いらしく、ニューヨーカーたちがここぞとばかりにピクニック・BBQを楽しんでいるのが見受けられる。(私もすでに5回はピクニックをしました。笑)

そんな中、先週(6月2週目)にニューヨークから約370km離れたボストンに2泊3日で行ってきた。メインの目的はハーバード/MITのMBAインフォメーションセッションへの参加だったのだけど、サンフランシスコ・ニューヨークに続き「米国で3番目に大きいスタートアップ資金調達の中心地」と言われるボストン。いろいろなサービスを体験してきたので、シェアしたいと思います。(感想や補足情報があれば、ぜひツイッターなどで教えてください😊)

まず簡単にボストンがどんな街なのか。

ボストンはマサチューセッツ州の州都で大西洋に面する港町。隣のケンブリッジ市も含めてまるっとボストンと言われることも多々ある。港町なのでロブスター・オイスター・クラムチャウダーなどが有名で、安全さにも定評がある住みやすい街として有名とのこと。ニューヨークからは電車で3時間・バスで5時間くらい。

そして何といっても、アメリカの大学ランキングで第1位、2位とも言われるハーバード大学とMIT(マサチューセッツ工科大学)含め、ボストン大学・タフツ大学・ウェルズリー大学など多くの大学がある学園都市。Uberの運転手さんが教えてくれたのだけど、ハーバードとMITのキャンパスだけで、ケンブリッジ市の50%を占めるとのこと。居住都市の半分が大学敷地なんて考えられない…!

当然、大学発ベンチャーや卒業生がサービスを立ち上げている例もたくさん。まず最初にご紹介するSpyceもMITの卒業生4人が立ち上げたロボットレストラン。

①ファストフードに革命を。ロボットレストラン「Spyce」

ロボットレストランというと新宿にあるアレを思い浮かべる人も多いと思うのだけど、こちらは正真正銘のロボットが調理してくれるレストラン。記事だと「レストラン」と語られることが多いが、どちらかというと「より美味しく、より身体にいいファストフード」という印象が強く、価格はアメリカだと破格な7.5ドル(約850円)を保ちつつ、ミシュランの星を獲得したことのあるシェフ、Daniel Boulud氏がメニュー監修を行っている。

下記がメニューなのだが、ベジタリアン・ヴィーガン・グルテンフリーなどのメニューもあるのが、なんともアメリカらしい。カスタマイズトッピングも豊富だ。

具体的なマシンの動きはこちらの動画がすごくわかりやすいので、見てみてほしい!

上記の動画にはないのだが、最後は手動盛り付け。おそらく盛り付けもロボットに任せようと思えばできるのだと思うのだが、「美しく盛り付ける・手渡しで提供する」ことに重きを置いているのかもしれない。また、ロボットは下準備も苦手なようで、別の場所にあるキッチン(店内ではないようだ)で野菜のカットやお米を半炊きにするところまでは、人が担当しているらしい。

下記写真の左側のスペースが手動盛り付けスポット。

肝心の味の感想は…想像以上にめちゃくちゃ美味しい!!!自動だからこそブレがないのだろうと感じた。Yelp上での評価も4。ただ、1つ言うと日本人にとっては味が濃い。3人で行って満場一致で「味が濃すぎる」となった。この辺りはテックを活用して注文時のiPadで塩分や油の量も調整できるといいなと思った。

もともとはMITの学生4人の「ボリューミーかつ身体にいいものを、手軽に安く食べたい」という想いから誕生したもの。累計約27億円を調達し、今はボストンに1店舗しかないが、もっと色々な場所に店舗ができると、ただのファストフードが、待っている時間も含めてグッと楽しくなるので嬉しい。また、バックヤード含め裏側の調理場もかなりコンパクトだったので、土地の高いニューヨークやサンフランシスコにもマッチするのでは?と感じた。

 ②カリフォルニアではすでにインフラ。電動シェアスクーター「LIME」「Bird」

ドラマのイメージから電動スクーターで街を颯爽と走ってオフィス通勤するアメリカンを連想する人も多いのではなかろうか。実際に私のルームメイト(25歳Googleエンジニア)も毎日電動スクーターで通勤しており、最初は「おお、アメリカっぽい…!」と妙に感激した。

彼は自分のスクーターを買って保有しているのだが、今は落ちているスクーターを拾って、そして乗ったあとはどこにでも乗り捨てできる、電動シェアスクーターが爆発的に流行り、カリフォルニアではもはやインフラと化している。ニューヨークでは残念ながら使えず、ボストンは今絶賛テスト中で一部の地域のみで使えるとのことだったので試してきた。

なぜスクーターがこんなに流行っているか?街や経済に与える好影響・悪影響は?については下記のNetflixの番組がわかりやすくまとめてくれているので、ぜひ!すごく興味深くておもしろかった。(日本語字幕もあります。)

乗り方は簡単。(LIMEとBirdの画像が混ざってしまっているのですが、過程は全く一緒)

アプリでどこにあるかを見つけて、

地図を元に道で見つけて、

アプリでQRコードを読み込んで、

出発!

乗り終わったらどこを走って、どれくらい費用がかかったかが表示される。基本料金1ドル+0.15ドル/分という仕組み。私たちは途中で動画を撮ったり、試し乗りをして、かなり時間を無駄にしたので本来はもっと安いと思う。

ここまではみなさんもイメージがつきやすいと思うのだが、実際に乗ってみて思ったのは、

👉結構スピードが出る。坂道も楽々。なので、ヘルメッド必須らしい。けど、アプリ上でも車体でも注意喚起されなかったので、知らずにノーヘルで乗ってしまった。。

👉車道を走るべきなのか、歩道を走るべきなのか、非常に迷う。歩道は結構デコボコしてるのでたまに車体が浮くし、自転車よりスピードも出るので車道は危ない。車体が軽い分、事故も起こりやすいだろうなと思った。

👉登録時に免許証のバーコードの読み取りが必要なのだけど、免許証ではない適当なバーコードで普通にパスできた。テストエリアでなかったらまずいのでは…?

👉アプリ上ではかなりの数の車体があるのだが、実際に行ってみると結構な確率で見つからない。今回は70%の確率でなかったように思う。見つからない場合はアプリ上でブザーを鳴らし、その音がかなり大きいのだがそれでも見つけられなかったので、GPSがうまく機能していないのかもしれない。

上記のあたりの安全対策・ルール作り・モラル植え付けがクリアできれば、本当に快適。日本ではまだほんの一部の限られたエリアでしか使えないようなのだが、もし導入されれば確実に使う。

最後にLIMEや Birdの画期的な仕組みの1つは、乗り捨ててあるスクーターを拾ってどこかに充電すると、充電した人がお金をもらえるということ。先ほど貼り付けたNetflixの番組内では、スクーターの充電を生業にしている男性が、1台あたり6ドル×70台/日=420ドル/日(約47,000円)稼げると例に出していた。月に20日働いたとしたら、月8,400ドル(約930,000円)なので本当にそれだけ稼げているのだとしたら、充電のための電気代を差し引いても移住したくなるレベルである。(1台6ドルは高すぎるので実際はこの7割くらいでは?と予想しているが、それでも十分すぎる金額だ。)

もしカリフォルニアやボストンに行く機会があったら、下記クーポンコードを使うとお互い得になるので、ぜひ!

LIME(下記のリンクからダウンロードすると、基本料金が1ドル無料になる)
https://lime.bike/referral/RVC5CYL

Bird(ダウンロードしたあとに下記クーポンコードを入れると5ドル無料になる)
https://gift.bird.co/iy68KNHtBX
クーポンコード: YYI9KE

③「Bound」TESLAの自動運転を初体験

ボストンに行くと決めた時に「Startup boston」で検索し、偶然にも見つけたのがBoundというテスラを使った送迎サービス。ニューヨーク↔︎ボストン間を1日3往復していて、前方座席は99ドル・後方座席は79ドルで乗ることができる。

普通のバスが20〜40ドル、電車が50〜70ドルくらいなので、電車に乗るくらいならテスラでのんびりいくのがおすすめ。お菓子や飲み物、ネックピローも完備されていて、さらには運転手さんからテスラの仕組みや機能について聞きながら旅ができるので楽しいことこの上ない。(車に乗った瞬間マシンガンで質問しすぎて「ちょ、高速に乗ったら説明するから待って!」と言われてしまった。笑)

「若干加速・減速でかかってくる圧が強くて酔う人もいそうだが、思った以上に違和感なく自然な運転。怖い感覚は全くなし。」というのが私の乗ってみての感想である。

みなさんが気になる自動運転に関しては、

・今は高速道路のみでの提供(街中でも機能的には使えるらしいが、まず使わないとのこと)
・周囲の車の速度や混み具合を検知して、車線変更も自動(テスラから車線変更の提案があり、それを許可する必要はある)
1時間半で一度の充電が完了。満タンだと350〜400kmくらいもつ。(ボストン↔️ニューヨークのあとに12%残っていた)
・大きなモニター上に充電ができる場所がナビで表示され、電池のなくなり具合に応じてテスラが充電にかかる時間も含めてルートを提案してくれる。(短時間の充電なら無料、がっつりパーキングすると約25ドルかかるので小まめに充電すると言っていた)
・テスラXの基本料金は800万円ほど。しかしそれではただの車なので、自動運転や車内装飾のオプションをアップグレードしていくのが普通。自動運転の中でもいくつかオプションがある模様。

実際の運転の様子についてはこちらの動画を。普通に前向いてないし、ハンドルから手離しているし、そのわりに結構なスピードが出ている。が、動きが自然なので、怖さは全く感じなかった。

ドアが開く様子もかっこいい。こんな派手にドアが開いたら、道が狭いマンハッタンの中心では乗れないな…と思った。

運転手さんと道中いろいろ話していて特に印象的だったのは、テスラ社はこの仕組みをオープンソース化し、コードを公開しているということ。

パロアルト本社のロビーには、テスラが取得した特許の証明書が飾られた壁がありました。それは昨日までのことです。オープンソース ムーブメントの精神に則り、電気自動車技術の促進のため、それらを取り外しました。

(参照:テスラ公式ブログ https://www.tesla.com/jp/blog/all-our-patent-are-belong-you )

というわけで、文字通りであれば、どの会社でも真似して自動運転車を作ることができるのである。(特に中国の勢いがすごいらしい。)

度々起こる自動運転による事故で懐疑的な人が多いのは知っているが、「普通の車の機能もそのまま使える」「運転者がちゃんと"注意を払いつつ"運転する」のであれば、全くの不安や障壁がないことを身を以て体感したし、オープンソース化によるテスラ社とイーロンマスクの本気を感じた。

その他、現地での友人に恵まれいろいろな話を聞かせてもらい、ハーバードMBAのインフォセッションにも参加し、ボストンはなぜ「米国で3番目に大きいスタートアップ資金調達の中心地」なのか、何がビジネスを加速させる要因となっているのかを考察してみた。(有料エリアは3,000文字くらいです…!書きたいことがたくさんありすぎた…)

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