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オープンDの音色を追って 25

(約5分で読めます)

 残暑お見舞い申し上げます。

 もうすぐ高校野球も終わります。
 さすがにお盆を過ぎてほんの少しは気温が下がってきた? と感じます。

 先日、このようなお知らせをいただきました。
 読んでくださった方々、本当にありがとうございます。

ありがとうございます。

 ギターとトミーについていろいろな記事を読んでいると、もうトミーがギターになりかわって語っているような気がしてきます。
 トミーが残した所感はすべてのギターを愛する人に有益な情報だと思いますので、今回も引用させていただきます。

「色々なギターの特色」
 ギヴソン・レスポール、モデル、ジュニア、カスタム、デラックス、スタンダードと、色々あるが、やはり今は無い『スタンダード』が最高だと思う。
 マイクは、『ハンバッキング』という、非常に高出力なものを使っている。
 ボディの感じも、今のものとはまるで違い厚みも、ふくらみも非常に美しく、ヘッドの形も小さい。
 やはり、1958年1959年のものがすばらしい。
 ボディのつくりは、裏にマホガニーの一枚板を使い、表にかえでを二枚使っている。表のかえでのとらのしまのような木目が、とてもきれいだ。

GAROファンクラブ会報第9、10合併号  TOMMYの作ったページ 1975年1月

「色々なギターの特色 その2」
 フェンダーストラトキャスターの巻
 ジミ・ヘンドリックス、エリック・クラプトンによって、それまであまり見向きもされなかった、このストラトキャスターは、一夜のうちに、ギターのホームラン王になってしまった。(ぼくもギタリストのホームラン王になりたいのだ!!ョ)
 今回は、エリック・クラプトンとぼく使用のものにスポットをあててみたい。(エヘン!!)
 ぼくの使っているのは、1954年製作のモデルで、製造番号はなんと、あっ!と驚く「895番」なのであります。
 これは、ぼくめが去年アメリカはロス・アンジェルスに行った時に知り合ったポールというギタリスト&ギターき●がい(あだな→サン・ポール→サンディエゴのポールを縮めて)から、1958年のレスポール・スタンダードサンバーストと共にゆずってもらったものですのですのですのですのですのだ。
 さて、本題に入りたいと思います。
 ストラトキャスターとは、レオ・フェンダー氏の手によって、テレキャスターのプロフェッショナル用として企画されたモデルなのだ。1954年に初めて製作され、一番最初のものには、アルミのピックガードがつけられていたということです。そして、ネックはメイプルネックという、かえでの一本ざおが使われていた。(1960年以前のフェンダーはすべて、このネックである。当時、ホワイトネックと呼ばれていた。)
 そして、そのすぐ後の1954年後半に白いピックガード(1枚の下敷きのような感じの簡単なもの)がつかわれた。(これがぼくの使っているストラト“レイラ”であります。)
 ストラトの音をあらわすな ら、クラプトンの言葉を借りると、全く、オールマイティーなグレートな音ということが言えると思う。特にクラプトンのソロアルバムからの音は、すばらしく、そのヒミツは、マイクのスイッチを第一マイク(ブリッヂ側)と第二マイクの中間に、セットすることなのである。今のモデルはなかなか中間でとまりにくく、もしとまったとしても、余り変化は感じられない。(なぜなのだ!!)1959年以前のものはこの変化がすごいのだ。まさに何とも言えない音で完全にかたい音でもなく、ソフトな音でもない、口では言うことのできない音なのです。
 前回でも書いたのですが何故今のモデルより古い、それも一番最初の頃のモデルの方がいいのでしょう。それは、やはり現在のオートメーション化にあると思うのです。今よりも数を少く作っていて、機械も無かった昔の方が、一つ一つの部品にいたるまで、丹念に作られていたのです。
 と、現在のファッション的なギター作りになげきつつ、次回へと続くのです。

GAROファンクラブ会報第11号  TOMMYの作ったページ 1975年4月

 大のクラプトンファンであるトミーは、所有するストラトキャスターにレイラという愛称をつけていました。
 そして、上の記述には、トミーの手による1954年オリジナルストラトキャスターのイラストが添えられており、特記事項として

・ヘッドの形が小さい
・Fenderの字体がちがう
・Patent No.がはいっていない
・ボディのあつみとカットが少々ちがう
・ピックガードのネジの数が少い
・色はブラックイエローサンバースト(赤のはいっていないサンバースト)

と書いてあります。
 調べたところ、フェンダー社製のギターにパテント(特許権)ナンバーが入り始めたのは、1961年からでした。
 また、「赤の入っていないサンバースト」という表現に高い美意識を感じます。
 色って本当に微妙ですよね。
 私は昔、レコード会社に勤めていて、商品パッケージや販促チラシの版下をしていました。
 そのとき「色校(いろこう)」といって、色味を見て校正をする=デザイン会社に色の調整をお願いする作業をやっていたのです。
 そこで知ったのが、きれいな色、上品な色というのは価格が高いということです。
 いいものというのは、値段もいいのです。
 音ばかりではなく、色や形の違いまで見てとっているトミー。
 やはりすごい人です。

TVKヤングインパルス『吟遊詩人』でのトミー

(つづく)
 

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