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58. もっと「愛」を表現しようよ

海外に出てから気付かされたことの一つに、家族の大切さがあります。

いや、家族が大切だなんてことは最初から分かっていたけど、僕が伝えたいのはそこじゃない。大事なのは、「その気持ちをもっと表現しよう」という事でした。それを初めて感じた瞬間は、アメリカに来て数日後、ある日の試合が終わった後のことでした。

日本にいたころの私は、試合を終えた後に防具を脱いで帰る準備ができたら、あらかじめ母(もしくは父)が待っている車へと向かい、帰途につくというのが当たり前でした。ちなみにこれは、どこか遠くで試合が行われた場合のことであり、自宅のすぐ近くのホームリンクで試合があった時は、私の家族は僕の試合がおわったらすぐ帰宅し、僕も防具を脱いだ後に一人で家に帰るというのがいつもの流れでした。

「おかえり。お疲れ様」

「ありがとう。先に風呂入ってそのあとごはん食べるね」

こういった会話がごくごく普通だった気がします。

時は流れ、アメリカで生活するようになった私は、試合後のチームメイトとその父兄の対応に驚かされました。それは、どの選手も必ず自分の親や友人、ホームステイ先の家族など、自分の試合を見に来てくれた一人ひとりに「応援してくれてありがとう」「見に来てくれてありがとう」と感謝の気持ちを第一に述べていたことです。ハグをするのも当たり前だし、その場で10分以上話すことだってあります。

大学入学前、アイオワ州にあるクラブチームでプレイしていた私は、リンクの近くに住んでいる方の家にホームステイをしていました。そのホストファミリーのお父さんお母さんは、ホームで行われるすべての試合を見に来てくれて、僕が試合で得点を決めたときも、全く出番をもらえなかった時も、必ずハグをして私を迎え入れてくれました。いつも温かい言葉をかけ続けてくれて、何度も何度も元気を与えてもらっていました。

他にも、こんなことがありました。これは先日ツイッターに投稿したものです。

僕が学生アスリートとしての生活を続けることができているのは、間違いなくルームメイトをはじめチームのみんなのサポートがあってのことです。彼らはことあるごとに「Love you Yuki!」と言ってくれます。僕も「Love you too buddy!」というように言い返します。この、思いを素直に言葉と態度で表現するアメリカの文化が、僕は本当に大好きです。彼らも、僕にとっては一つの「家族」です。


そうやって温かく周りにの人に包まれて過ごす中で、私は気づきました。

「そういえば今まで一回も両親に『試合に来てくれてありがとう』って言ったことなかったな」ということに。

今思い返せば、自分を一番に応援してくれる人がリンクにいてくれるなんて、これほど心強いことはありませんでした。初めてホッケーをした日から数えきれないほどビデオも取り続けてくれて、朝起こしてくれて、遠い遠征でも車を出して連れて行ってくれました。そんな両親に対して、私はきっと十分に、感謝の気持ちを、そして愛を伝えることはできていなかったでしょう。しかも、17歳で家を出た私。親の気持ちからしたら、きっと寂しいという感情もあったと思います。

海外で生活している私にとっては、一年の間で家族と過ごせるのは夏の3.4か月間だけです。明日何が起こるかもわからないこの人生で、家族と顔を合わせることができる回数は、決して多くないということに気付きました。あと何日、何時間一緒に過ごせるかなんてわかりません。

だからこそ、もっと「愛」を伝えるべきだと思いました。

アイスホッケーよりも大切なもの。
それは家族です。

心の中で思うだけじゃなくて、伝えなきゃ。
そう思い立ち、このnoteを書きました。

いきなりハグをしたりするのはきっと恥ずかしいから、まずはこの場で。

父さん母さん、姉ちゃん、妹、いつもありがとう!愛しています!

今回も最後まで読んでくださりありがとうございました。

三浦優希


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