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57. シーズンを終えた今、監督が僕に伝えたこと

今日、ヘッドコーチと1対1で話し合いをしてきました。

これは、Exit Meeting (イグジットミーティング)と言って、シーズンが終わった今、一年間を振り返りながらお互いに思っていることを伝え合うという時間です。アメリカではよくあります。今回はその様子を皆さんにお伝えしたいと思います。

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約束をしていた12時15分、私はコーチのオフィスへ向かいました。コーチのオフィスは、リンクの3階にあります。エレベーターで上昇する中、事前に用意していた「言いたいことリスト」を見返しながら、私は自分が伝えたいことを頭の中で整理していました。突然何を言うか忘れたり、英語での言い方がわからなくなるのが嫌だったからです。

部屋に入り、挨拶を交わした後にミーティングスタートです。まずコーチの方から「今年一年間を振り返ってどうだった?」と聞かれ、私は自分が言いたかったことを伝えました。

・Tenacityという言葉が私を変えたこと
・今までの人生で最も学びの多いシーズンだったこと
・試合メンバーに入れないという経験をできたこと
・そのことに感謝していること
・シーズン後半はすべて試合に出れたこと
・2ゴールで終わったことに全く満足してないこと
・13人目のフォワード(ギリギリ試合メンバーに入る選手のこと。いわゆる控え選手)でいることに満足してないこと
・来年度は必ずチームのトッププレイヤーになること
・絶対にプロになりたいこと
・常にGPA3.5以上を目指すこと

時間をかけながら、たまに言葉に詰まりながらも、自分の想いを口にしました。コーチはそれを全て聞いてくれました。そして、少し間をあけた後にこのような言葉を私にかけてくれました。

「この一年間、優希はとても成長したよ。このミーティングが始まる前に他のコーチたちとも話していたけど、優希は本当に変わったとみんな口をそろえて言っていた。特にシーズン後半にかけてのパフォーマンスは素晴らしいものだった。自分でもわかっていたと思うけど、例えば最後の試合(ミネソタ州立大学)でも本当にいい動きをしていた。だから、たくさん出番を与えたんだ。これは自分で掴んだものだよ。」

一息ついて、コーチはこのように続けました。

「ただ、ここからが大切なことだ。本来君には、13人目のフォワードでいてほしくなかった。いるべきではない選手なんだ。優希は、チームのトッププレイヤーになるべき選手のはず。来年は、チームをリードしてきた4年生のスコアラー3人が抜ける。その穴を埋めるのが優希であってほしい。15~20ポイントをとる選手になること。それを期待しているし、優希にはできる力がある。さっき、『来年はトッププレイヤーになる』と言っていたね。もちろんなってほしいし、なるべき選手だ。ただ、それは自分で掴むもの。自分の力で、それを私たちコーチ陣にシーズン最初から見せてほしい。」

続いて、リーダーシップについて。

「来年、優希はもうジュニアイヤー(3年生)になる。チームのリーダーの一人だ。まだ、言葉の面で苦労があるかもしれないけど、もっともっと発言もしてほしいし、例えば何かチームの中で問題が起きたら優希がこの場(オフィス)に来てそれについてコーチ陣と議論をする。そういったことも少しずつやっていけるようにしよう。チームを引っ張る存在になるんだ。」

最後に、プロになることについて。

「プロになるために、もちろんコーチみんなは協力をする。ただ、何度も言っているように、それは自分で掴み取るものであり、与えられるものではないよね。優希も理解しているはず。今年卒業する4年生がプロ契約する姿を見て、自分がなにをすればいいか、どれくらいポイントが必要なのか、どんなプレイが求められているのかということがわかったはず。道筋は見えたよね。あとは、そこまでどのように到達するのかという事を自分なりに考えてごらん。持ち味のスキルやスピードに加えて、もっと強く大きくなる必要があるはず。普段、エキストラワークをしている姿は見ているよ。これからも努力を続けて、しっかりとオフシーズンも準備して、来年また成長した姿を見せてほしい。」

コーチが伝えてくれたのは、こういった内容でした。一番心に突き刺さったのは「13人目でいるべき選手ではない」という言葉でした。

その通り。「プロになりたい」と思っている選手が、試合に出れるか出れないかで毎回ドキドキしている場合じゃない。当たり前に試合に出場し、当たり前にポイントを残す。絶対にやってやろう。今年と同じ失敗はもう絶対に踏まない。

真のエースに!

そう、強く思うことができたミーティングでした。最後まで読んでくださりありがとうございました。

三浦優希


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