見出し画像

53. プレイオフ準決勝 第一戦

全米ランク2位のミネソタ州立大学とのシリーズ。ここで先に2勝したチームが、決勝へと進む。

第一戦の試合結果は、1-2で負け。本当に惜しいゲームだった。僕らは、全く相手に劣っていなかった。それでも、負けは負け。つくづく、プレイオフホッケーというものの、なんとも言えない特別な緊張感には驚かされる。レギュラーシーズンの試合とはまるで違う雰囲気がそこにはある。60分間、最後の最後まで何が起こるかわからない。

今日は、いつも通り13人目のフォワードとしてスタートだった。

一番最初の出番は、第1ピリオド。試合が始まって10分ほどで監督から次のシフトで出ることを伝えられた。そこでは、これと言って何か印象に残るプレイはできなかったが、そのあともう一度出番を与えられた。そこではフォアチェックや、パックを奥に放り込むなどまあまあOKなプレイをし、第1ピリオドの出番は計2回だった。

氷に乗った感じ、「足はかなり動きそうだ」と分かっていた。
第2ピリオド、数分経ったときにもう一度自分の出番が来た。この時、こちらのパワープレーの直後だったため、そこに出ていた選手の代わりに入った。まず、リンク中央でパスをもらいワンタッチで相手陣地へパックを放る。と同時に、フォアチェック開始。味方がゴール裏でパックを奪った瞬間にゴール前に駆け込んだ。自分の元にパスが来て、それをワンタッチで打つも、ゴーリーに止められる。それでも、集中してプレイを続け、もう一度チャンスが来た。味方がコーナーからゴール裏に流したパックを自分が取りに行ったとき、自分の後ろに味方がフリーでいる姿が一瞬見えた。すかさず、パックを取ると同時にその味方にパスを出した。彼はゴール前でキーパーと1対1になる。ゴーリーをかわし彼の放ったシュートは惜しくもポストへ。そして、そのこぼれたリバウンドをもう一度他の味方が打つも、それもポストに弾かれた。残念!!!惜しかった!!!

それでも、この1シフトでチームにかなり良い流れを与えることができた。それから5分くらいは、チームはずっと攻め続け何度もチャンスを作ることができた。(結果的には得点に結びつけることはできなかったが)

そして、その1シフトの後から自分はレギュラーとして出るようになった。第3ピリオド、ニュートラルゾーン(リンク中央のエリア)右端でスピードに乗りながらパスをもらい、そのまま敵をかわしてサイドからシュート。キーパーに止められるも、もう一度そのパックを自ら拾ってゴール裏を周り、味方にパス。そのあと味方が打ったシュートがコーナーに流れたため、それを取りに行く。相手との1対1になりながらも、体を当ててパックを自分の足元で守りながらサポートに来た味方に渡すことができた。最終的に、その味方がパックを持ち込んでシュートを打つも、パックは惜しくもゴールポスト上空数センチ上を飛んで行った。

自分がパックをもって敵陣に攻め上がり、そこからいい局面を作ることができた。そのあとも、自陣での敵が放ったシュートを自分の体を使って止めるシュートブロックをすることもできた。

今日は、合計シュート4本、ブロック2回と、全体的にはかなりいい動きができた。チーム最多のシュートを打っていたらしい。おそらく、明日の試合もメンバーには入れるだろう。

ここまでが個人分析。ここからは、チームについて軽く触れようと思う。

まず間違いなく、僕らは相手に勝てる実力を持っている。それは今日の試合で証明された。もちろん相手は強いけど、僕らだってやれる。何度も得点チャンスはあった。

過ぎてしまったことは変えられない。ただ、もともと「2勝しなければいけない」という事実も変わらない。つまり、今日勝とうが負けようがいずれにしろ2回相手に勝たなければならなかったわけだから、今日負けたことでチームが「崖っぷち」というような雰囲気はない。

明日は、今年一年間で最も大切で最も楽しいゲームになるだろう。僕はまだまだこのチームでプレイし続けたい。きっとみんなもそうだ。

今までさんざん、「今日の自分のプレイは~でした」とか書いてきたけど、正直そんなことはどうだっていい。本当に。
今は、チームが勝てればいい。もちろん「自分が活躍して試合に勝利する」というのはベストだけど、第一戦を終えた今、そんなことは全く気にならない。とにかく、チームの勝利のために全力を尽くす。それが得点であろうが、ブロックショットであろうが、試合に出ていようが出ていまいが、関係ない。

これが今の自分の正直な気持ちだ。

明日、絶対に勝つ。明日のこの時間に、第3戦に向けた心と体の準備ができるように。まだまだ終わりたくない。

ああ、なんて楽しいんだ。まさしく最高の時間。
この瞬間こそ、ホッケーをやっていてよかったと心から思えるモーメントだ。この何事にも代えられない感情を、思い切り楽しもうと思う。

-------

皆さんの温かい応援に、本当に励まされています。間違いなく、皆さんの声が力になっています。ありがとう!明日も、頑張るぞ!

三浦優希




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?