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25.ノブレス・オブリージュという考え方

皆さんこんにちは!三浦優希です。

さて今回は、自分の心の中にある一つの考え方についてお話させていただきたいと思います。それでは、今回もよろしくお願いします!

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タイトルにもありましたが、僕が最近よく意識していること。
それは「ノブレス・オブリージュ」という思想です。初めてこの言葉を聞く方もいるかと思いますので、まずは簡単に意味を説明させていただきます。

”ノブレス・オブリージュ”というのは、フランス語の”noblesse oblige”に由来しており、直訳すると「高貴なる者の義務」となります。

意味としては、一般的に財産、権力、社会的地位の保持には責任が伴うことを指します。身分の高い者はそれに応じて果たさねばならない社会的責任と義務があるという、欧米社会における基本的な道徳観です。もとはフランスの言葉で「貴族たるもの、身分にふさわしい振る舞いをしなければならない」、「人の上に立ち権力を持つ者には、その代価として身を挺してでも果たすべき重責がある」というような意味合いで使われてきました。例えば当時の欧米貴族には、多くの特権も与えられましたが、彼らは戦争となれば率先して最前線に立って命懸けで戦う義務も課せられました。

近年では、主に富裕層、有名人、権力者、高学歴者が「社会の模範となるように振る舞うべきだ」という社会的責任に関して用いられることが多いようですです。

いきなりこんなことを書くと、「お前はいったい何様のつもりだ」と思われるかもしれないので先に言っておきますが、私は貴族でもなんでもないし、お金持ちでもないし、社会的地位が高いわけでもなければ、自分が「高貴な者」だなんて全く思っていません。

では僕がなぜ、そしてどのようにこの言葉を意識しているのかについて、説明させていただきたいと思います。

これは、情報発信を始めることにした一つのきっかけにもつながるのですが、とにかく僕は幼いころから、アイスホッケーをするということにおいては、本当に恵まれた環境の中で育ってきました。元々国内でプロ選手として活躍し長野五輪にも出場した父親の存在や、父の知り合いで海外でアイスホッケーのプロ選手として活躍された方に小さい頃からホッケーを教えてもらえる機会があったり、小学生の時にカナダ・アメリカ・チェコという国でアイスホッケーの体験ができたこと、飛び級で代表に呼ばれたこと、海外にでても素晴らしいホストファミリーの方にお世話していただけたこと、チェコではNHL選手と当たり前に練習できる機会があったこと、小中高すべてのチームにとても上手な先輩がいたことや、小学生の頃から高校生や大学生の練習に一緒に乗らせてもらっていたこと、リンクの真横に自宅がありほぼ毎日氷に乗る機会があったこと、そして僕が大好きなホッケーを続けることに関してたった一つの文句を言わずに応援し続けてくれた母や姉妹の存在など、数えだしたら本当にきりがありません。「東京」という、国内でアイスホッケーをするうえでは決してベストとは言えない場所の中でも、信じられないくらい周りの方々や環境に恵まれ、育てられてきました。

そして最も大きなことは、海外に挑戦できた(させていただいた)ことです。自分がまだ若い頃は気づきませんでしたが、17歳で初めてチェコに留学してから数年がたった今、どれほど自分が他の人から見たら幸せな生活を送ることができてきたのかというのことを、認識するようになりました。

もちろん、今までの自分の努力(まだまだ足りないけど)が積み重なって、現在のポジションまで来れたことは確かだけど、その根底には「自分の能力に対する公正な対価」だけでは済まされないほどの恩恵を、いろいろな人・場所から受けてきたと思っています。

賛否両論や批判があるのは承知の上ですが、僕は、世の中は決して平等だとは言えないと思っています。もちろん、全ての人にとって公平な世界であるべきだし、そうなることを心から願っています。しかし、政治、文化、人種とか、そういう大きな話だけではなくて、単純に「何かをやりたいと思ったときに、それに挑戦できる環境があるか」という点では、現在の世界では決してすべての人がその権利を持てるわけではないと思います。

国内には、練習時間が定期的に確保できなかったり、自分がやりたくても周りにそれを理解してくれる人たちがいない、部員が集まらないなど、本当に厳しい環境の中でそれでもなんとかホッケー続けている方々がたくさんいます。「だったら環境を変えればいいじゃん」と言われても、その環境を変えるための十分な手段さえ利用することが難しい人というのは本当に多く存在しています。「挑戦すること」自体が困難という姿を、少なからず目にしてきました。

そしてそんな中で、”たまたま”自分は、「アイスホッケーで上を目指す」という道においては、確実に人より恵まれてきました。これは、自分の力ではありません。自分が人と比べて偉いわけでも、上に立っているわけでもありません。本当に偶然、「運」のいいことに素晴らしい環境で育つことができました。

”ノブレス・オブリージュ”は本来は「高貴なる者の義務」という意味で使われていると話をしましたが、僕の中では「偶然自分が受けた恵みを、少しでも多くの人に還元・循環させる使命」という理解をしています。

今まで自分が享受してきた稀有な経験や知識、自分が目にしてきた景色というものを、「夢を追うアスリート」として周りの人や後世に伝えていくという責務があると思っています。だからこそ、自分は絶対に、壁にぶつかったとしてもあきらめてはいけないと思っているし、たとえ物事がうまく進まなくても、本気で挑戦を続けなければいけないと思っています。もちろん自分のために挑戦を続けているわけですが、その姿は同時に、他者のためにもなるというのがアスリートの素晴らしいところだと考えています。

スポーツで高みを目指す者にとって、最も大切なことは「上手くなる」ことです。ピッチ、ホッケーで言うなら氷の上でどれだけ人を魅了できるかというのが、一番大切なことです。僕は、キャリアを積む中で人とは少し違った道を歩ませていただいてきました。普通ならできない経験をたくさんさせていただいてきました。だからこそ、これからもっともっと上手くならなければいけないし、人からの期待に応えるという責任があると感じています。

今回の文章を読んで、中には「偉ぶるな」と思われたり、僕の言葉を不快に思われる方がいるかもしれません。そのような反応は決して間違っていないと思います。ただ、自分は本当に、周りの人よりも偉いとか、優秀だとは全くもって思っていないということは、理解していただけたら幸いです。

今年から、「成長過程を届ける」というテーマのもとに発信を始めたのは、このような思いが心の奥にあったからです。少しでも自分の経験を必要としてる人や、それに興味のある人に、自分の持っている情報を届けたいという思いから、SNSという手段を使って発信しています。どんな些細なことでも、自分のちょっとした行動や経験が、世の中のどこかにいる誰かのためになるというのなら、僕は喜んでgiveをさせていただきます。なぜなら、今まで自分はずっとそうしてもらってきたから。そのおかげでここまでこれたから。たった一つの自分の行動で、少しでもその人を幸せにできるなんて、こんなに素晴らしいことはないと思います。
ここで一つ大切なことは、僕が言っていることが絶対に正しいわけではないということです。コーチングライセンスを持っているわけではないので、人様に指導をするという無責任な行動はあまりしたくありません。というより、するべきではないと思っています。また、人それぞれに向き不向きや、好みがあることも分かっています。僕が提供するもの(トレーニングや練習の動画、発言など)を、あくまで一つの方法/やり方として参考にしていただけたらと思います。

大変ありがたいことに、noteやtwitterなどで、少しずつ自分の投稿などを見てくださったり反応をしてくださる方が増えてきました。本当に嬉しいです。自分に会ったこともないのに、応援メッセージをくださる方などもいて、本当に多くの方々の声援に励まされています。つくづく、支えというパワーの大きさを実感させていただいています。

ホッケー面では、現状上手くいかないことも多くあり、結果が出せておらず申し訳ないですが、必ず応援してくださっている皆さんに良いニュースを報告できるようにします。僕はブロガーではないので(笑)、まずは本業でしっかり仕事できるようにしますね。

日頃の皆様の大きな応援に心から感謝します。最後までお読みくださり本当にありがとうございました。

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三浦優希

twitter:@yukimiura36











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