見出し画像

僕の中の少年 手を伸ばしているよ

〈想像では、うまくいっている〉~宇宙飛行士 南破六太

そう、彼はお見合いの後から年上の彼女の明るい空気にいっぺんに巻き込まれて紹介状も中止。

一緒に乗馬のおともに、ディズニーランドに、八ヶ岳に、、

連絡すると写メを送ってきてなんだかもう・・・違う人のようだった。

写真の中の彼は少年のような笑顔でくしゃくしゃだった。

彼女はとある企業の創業者の一人娘。彼のことを若いけれど地銀で地道に営業として誠実な頑張り屋さんだとご両親共々気に入っていたようでした。

「今度北海道に彼女の馬を観に行くんです。」

本当にごめん!行きたい気持ちはすごくわかる!でもお泊り旅行になると成婚退会になるの。日帰りじゃないよね。。

お相手のお気持ちを確かめますからちょっと待っていてね!

彼女は担当経由で「私でいいのでしょうか・・」という有難きお言葉。

ご両親とお会いしてのお食事会はとてもゴージャスで有名なステーキ屋さん。手土産を忘れずと送り出し汗びっしょりになりながら親の前のプロポーズ。

ご成婚になりました。

その後に・・・・

数か月して、彼から電話。

「宮本さん、結婚しないことになりました。」

え、どうして・・・気持ちは大丈夫?

「あの後、銀行の仕事がどうしても嫌で辞めたんです。辞めて転職活動しますと話したら、色々不満があるようで・・」

・・・それは辛かったでしょう・・

「転職活動して仕事決まったらまた担当してください、連絡します」

その後しばらく連絡が途絶え、私も違う相談所に移った後に元同僚からLINEが来た。

「今日会社にいきなりお菓子持って来て預かってるよ、あの〇〇さん!」

えーーー、ほんと?

「お菓子を百貨店に卸している会社の営業になって、店頭で販売してる女性とお付き合いしているんだって、結婚するつもりだって」

頑張ってるんだ、良かった・・・元気そうだった?

元気そうな顔で、手紙を書いて預けていった。

私が会社を辞めたのをかなりびっくりしていたこと、今の彼女とお付き合いが出来たのは成婚の後の破談で、女手1つで彼を育てたお母さまから人生はいい時1大変な時9で自分を育ててくれた話を聴き、自分の立ち位置が見えたこと。

彼らしい言葉で1枚に書かれていた。

百貨店に出入りして頑張っている彼を想像して、

そして自分の心の手を差し伸べることができるようになった彼を想像して

心から嬉しくなった。

成婚はあくまで点、

人生のきっかけの小さな点になれることの喜びを教えてくれた彼に

心から感謝をしています。

おわり

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?