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わたしがお酒を飲まないのはお前らの生まれてきた所をみろ。と母親がパンツを脱いだりしたからです。


わたしの母は酒乱だった。

夜に酔っぱらって包丁を取り出し
若くして散っていった特攻隊の話を持ち出し

「覚悟が足りん‼️」

と自分のベッドに包丁を突き刺したり
自分はお市の方の生まれ変わりだと
言い出したりしていた。


あまりにも家庭がカオスだったので
家を出て自立することを当時わたしは

「脱北」

と呼んでいた。

数々の伝説をもつファンキーな母だが、
わたしに将来大人になっても
酒を飲むまいと
決めさせた出来事がある。

ある日のこと、 
わたしには六歳下の弟がいるのだが
私と弟を自分の寝室に呼びつけてきた。

二人がそろうのを確認すると
母はやおら仰向けになり
おもむろに下着を脱ぎ出した。

意味がわからない。 

今度は何をやらかすのだババア

と警戒していると
足の方を指差し
そっちに回れという。

逆らったらどんなめんどくさいことになるか
わからない。

言われた通りに母の足元へ回ると
あなおそろしや
なんと、素股でM字開脚し

「ここがお前らのうまれた所だ!!」

とのたまった。

将軍様、ご乱心。

わたしは弟を守るべく
あまり見えないようにさせることに
必死だった。

お前たちの生まれたところだと言われたところで、わたしは「ふるさと」でも歌えば良かったのか?

助産師でもないかぎり
女性の立場でそんなところを見る機会など
おそらく普通はないとおもう。

なんだってわたしは
母親のそんなところを
見ているのだ。

お酒って、こわい。

料理酒のんだりしようとするし
七階から飛び降りるふりするし
ほんと、理性を失いすぎてしまってこわい。

ちなみに余談だがある友人は
お酒を飲んだら自分はトイレが近くなるのに
意中の同僚と
もう一人の同僚と飲んでいて
一件目から二件目に行く途中の記憶がなく
自分は道路でいきなり
粗相したんじゃないかと
しきりに不安がっていた。

それも、含めて改めて心のそこからおもった。

お酒はまじこわい。

それ以来今日にいたるまで
ほとんど下戸のふりして
お酒の出る場には
行かないようにする日々である。



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