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グランメゾン東京の早見倫子を見て、私も決断できる人になりたいと思った

今クール話題のドラマ、グランメゾン東京。
10代、20代(30代)の恋愛やサクセスストーリーが取り上げられがちなテレビドラマの中では珍しく、話の中心人物はアラフィフ。
本格的な料理やキャストの豪華さも手伝って、夢中で見ていた人も多いのではないだろうか。

私も、グランメゾン東京のシェフとして三つ星を目指す早見倫子さんにいつのまにか自分を重ねて見ていた1人だ。
これまでも面白いと思って見ていたが、とにかく最終回のエピソードに胸を打たれ、来年から気持ち新たに仕事を頑張ってみようと思えたので、そのことについてちょっと綴ってみる。

(ここから先はネタバレもあるため、これから最終回を見ようと思っている人は読まないことをおすすめする)

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グランメゾン東京では、ミシュランの審査に向けて料理メニューを考案しなおしていたが、最後まで魚料理が決まらなかった。

倫子シェフは、試行錯誤の末、マハタを使った渾身の一作を披露した。
しかし、いつも頼りにしていたスーシェフの尾花は、その料理を良いとも美味しいとも言わなかったうえ、「それで三つ星が取れると思ってるのか?」と倫子を挑発。
尾花は、フレンチではその難しさゆえタブーとされてきたマグロの料理を完成させ、それでミシュランを取りに行こうと言った。

しかし、ミシュランの最終視察が来るその日も、倫子シェフは、尾花が考案したマグロではなく、自身のハタで勝負すると決めた。

結果、グランメゾン東京はミシュラン三つ星のフレンチとなることができた。

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これまで、それなりの成果を収めてきた人がもう一段上のフェーズに行くには、「決断すること」ができるようになる必要がある。

きっと、倫子シェフは、料理人としては申し分ない技術や味覚を持っていた。しかし、ミシュランの星を取る一流レストランのシェフとしては足りないものがあった。それが、この決断力だったのではないか。

彼女は、グランメゾン東京でシェフとなってからも、いつも尾花の評価を気にしていたのではないかと思う。
尾花が考えたメニューだから。尾花が美味しいと認めたから。だから大丈夫、星が取れると。

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誰かに相談する。判断を委ねる。
やれと言われたことを確実に実行する。決められたことの中で最高のアウトプットを出す。
誰かの期待を超える成果を出す。
そして、誰かに認められる。

駆け出しの若いころであれば、それができるだけで優秀だ。どこからも重宝される。

しかしいつしか、壁にぶちあたる。

自分で決断する、という壁だ。

決断するとは、その決断によって起こる結果まで背負う覚悟を持つということ。
自分が決めたメニューで星が取れなかったとしても、その責任を取るということ。

誰かに判断を委ねるというのは、その責任を回避することとイコールでもある。

最終的に決断したのが自分でなければ、結果が失敗に終わっても責任逃れができる。
だから、誰かに判断を委ねるのは楽なのだ。
だけど、その先には行けない。

倫子シェフは、心から信頼し尊敬していた尾花から反発されたにもかかわらず、最後は自分を信じて決断することができた。
そしてその決断が、最高の結果をもたらした。

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私自身、これまでの仕事人生でずっと、大きな決断をすることを避けて通ってきた。
そこまでリスクを負わなくても、それなりに幸せだ。この歳にもなれば自分が大した才能の持ち主ではないこともわかるし、安全圏で生きていて何が悪いんだという気持ちもあった。

だけど、今のままでは何か物足りない。もう一段上の世界に行きたい。その前にそびえたつ壁を乗り越えるためには、その問題をクリアすることが必要だ。

決まったことを遂行する能力やスキルは申し分ない。でも、自ら決断するという経験が欠けている。仕事の能力云々ではなく向き合い方の問題だと。
ここ数年間、色々な人に、別の言葉で同じ意味のことを言われ続け、やっと気づかされた。

私は何も、ミシュランで三つ星を取るような圧倒的な成果を収めたいわけではない。そもそも、そんな才能もスキルも根性もない。

だけど…
架空の話ではあるけれど、アラフィフで自身の店を持ち、シェフとしての責任感と絶対に三つ星を取るという気概からメキメキ成長していく倫子シェフを見て、大きな勇気をもらった。
小さなことからでも、決断して責任を取っていく癖をつけようと再認識させられた。

私は、来年、決断できる人、いや、決断する人になろうと思う。

もちろん、怖さもある。
でも、自分の決断により起こった結果を受け止めることによって、見える世界が変わるはずだから。




文章に加えて写真もブラッシュアップして、より素敵なコンテンツを届けられればと思っています。 新しいレンズを買いたいです^^