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ゆっくり、丁寧に、目の前のことを遂行する


アメリカに戻ってきてプレシーズンがスタートしてから4週間。シーズン開幕まで残り2週間をきりました。日本では新学期がスタート、さらに新年号「令和」が発表されました。

昭和の最後に生まれ、平成を生き抜き、新たな年号をこれから迎えるわけですが、海外にいるとこの日本独自の年号文化を意識して生活することがほとんどないのですが、今回の新天皇の即位(現天皇の退位)は、私にとっては「何か」が始まるような予感を感じさせてくれています。


「拒絶反応」 を起こす。 「諦める」 という意味 


シーズン中にも新しいこと始めたりすることは結構あるのですが、オフシーンは必ず何か新しい何かを取り入れます。今回も、今までやってきたことに加えて、次の段階に進むためにまた新しいことを取り入れました。

新しいことを始めると、今まで高い確率でできていたことが一時的にできなくなることがあります。これは、成長段階において必ず通る道。慣れないことをするわけですから、当然いろんな「拒絶反応」が起こります。これはとても心地が悪い状態ですが、ある意味「確信」を感じさせてくれたりもします。

ここで決断を迫られるのが、その拒絶反応に慣れるまで取り組み続けるか、辞めて元の状態に戻るか。または、異なる新たな道を見つけるか。どれを選ぶかは結局自分次第なのですが、大半の人は道を選ぶ前に「答え」を先に知りたがります。


これを続けたら何の効果が得られるのか?どんな利益があるのか?


これは続けた人にしかわからない答えで、そして続けた人にしか得られないもので、その「続ける」という行為には何十何百何千時間という時間が費やされています。

試しながら進むというのは、最初は効率が悪いし生産性も低いですが、これを何年何十年も繰り返しながらやっていると取捨択一の質が上がっていくので、いつのまにか一番の近道になっていきます。

急がば回れということわざがあるように、時間をかけて丁寧に積み重ねたものは、ちょっとやそっとの地震が起きても揺るぎませんし、新しいことへの挑戦を容易くしてくれます。


話を戻します。

ただ、その拒絶反応の原因がわからないと、その状態でいることが心地悪くなり、何を試しても改善されないことに対して自暴自棄となり、この時期はうまくいかない時期だから仕方ないと思うようにもなります。

ただ、運命的にそういう時期(うまくいかない時期)というのはあると思っていて、何を試してもうまくいかないときって、その状態を受け入れて、諦めるのが一番最良の選択だと思うようになりました。

ただ、これはあくまでもありとあらゆることを試した上での最終手段です。私の場合、自分の持っている経験と知識で限界を感じた時、はじめて他人に助けを求めます。これが私の中で「諦める」という行為です。

ここ最近、私は拒絶反応の過程にいることに気づきました。新たにできるようになってきたことがある一方で、全くもってうまくいかなくなったことがありました。

その原因を、パーソナルコーチである中西哲生さんに、自身の動画と共に投げかけたところ、「ボールと目の距離」が変わっているということを指摘されました。



物理的な「ボールと目の距離」と、感覚的な「ボールと目の距離」のズレが生み出す誤差は、キックの精度に大きく影響します。自身の感覚と物理的なこの距離が一致しそれが習慣化されてくると、精度は高まっていきます。

ただ、精度が高まる原因はこれ一つだけではありませんし、これ以前に前提として習慣化されていなければならないことはたくさんあります。

自分の次元をあげていくためには、できないことをできるようにしていくことの繰り返しで、拒絶反応を定期的に起こして成長を促進し、その過程で諦めるポイントを自分の中で決めておくこと。

自分の修正能力が上がっているとはいえ、尊敬できる指導者からの指摘は、ある期間においては成長するために欠かせないと思っています。



自分軸で捉える、感じる時間軸


この「目とボールの距離」に関して話していたところ、下記のリンクが送られてきました。



デジカメの解像度に例えたとても素晴らしい記事で、ここ数年、私自身が意識していたこと、そして中西さんに言われてきたことと重っていました。

この滑らない状態にするには、舞台(試合)に立つ前の取り組みで全て決まると思っています。

7年間受けてきた中西さんとのトレーニングから学んだことは、新たな技術を身につけるためにはとにかくゆっくり、試合中のスピードから完全に落とした状態で行うこと。一つ一つの細かい動きの質を上げるために、心を込めて動き、体と心に覚えさせることです。


サッカーはフィギアスケートとは違い相手あってのスポーツなので、外部からの様々な声とか、相手と味方の動きといった邪魔が入りやすい環境にあります。今に集中が最初から難しい環境ですが、特に耳からの不必要な情報をシャットダウンできるかは、パフォーマンスに大きく影響すると感じるようになりました。

周りの雑音を消すことで、「滑らない状態=自分の時間軸」で動ける状態に入りやすくなり、入り込めた時は本当に自分でも驚くパフォーマンス発揮します。


ゆっくりと、丁寧に、目の前のことを遂行する


自分では意識できているつもりでいても、できていなかったりすることは多々あります。「意識しているつもり」の意識の頻度と強度は人それぞれ違って、ただ、この違いが習慣化の違いを生み出すと思います。

1日24時間の中で、どれだけの時間を自分だけにとにかく集中し、自分の内部だけに意識を向ける作業をしているか?

認識の幅、そして深さを広げるために自分のフィールド以外からどれだけ学ぶ時間、機会があるか?

また、一つの事柄をとにかく深掘りする「言語化」をする時間はあるのか?


意識の仕方で時間の感じ方は変わります。その時間の感じ方は、充実感や心の豊かさに大きく影響すると思います。

焦っている自分がいたら、一度立ち止まって、ゆっくり、丁寧に。

コントロールできるのは、自分だけだから。



また、今回下記のように頂いたアドバイスを今一度ゆっくり、丁寧に確認しながら、目の前のことを遂行するという意識をもって、取り組んでいきたいと思います。


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みんなが協力しあって生きていける社会へ。愛と共感力で、豊かな世界を創っていきたい。サッカーが私にもたらしてくれた恩恵を、今度は世界に還元していきたいです。