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フリーな状態でシュートを外すワケ

敵のプレッシャーがある程度ない状態でシュートを打った時に、枠外、またはキーパーに防がれてしまうという場面を見かけることは多々あると思います。

私自身も、そういう経験を嫌ってほど経験してきました。その度に「なんて自分は下手くそなんだ…」という劣等感に苛まれたり、今日はこういう日だから仕方ないって切り替えたり。

でも、こういう外から見たら絶対に入るだろうって思うようなシュートが「入らない」理由を自分なりに探ってみると、ある精神状態にあることが分かります。

シュートが入る時の精神状態

まず、入らない理由を探る前に、シュートが「決まった時」の精神状態を探っていくと、決まる理由と決まらない理由が見えてきやすくなります。

この動画の2分42秒あたりからご覧ください。

Brisbane Roar 4-3 Melbourne victory

このゴールシーンですが、最後の出し手になった6番にボールが渡りそうになった時に、私は相手の裏を取るポジショニングと飛び出しの準備をしています。

6番に渡った瞬間、ファーストタッチがパスを出せるところにコントロールされたので、イメージしていた通りの動きを実行しました。

しっかりと自分の動き出しが認知されたのと、相手の私への認知が遅れたため、ボールが相手の頭上をしっかりと越えました。

ファーストタッチをした瞬間からは、相手の動きが全てスローに見えました。この感覚を言葉で表現するならば、空気と一体化していて、時間軸が自分だけ周りとずれている状態。

よく「フロー」状態と表現することが多いと思いますが、決まるシュートの場面はより強くこの状態になっていることを感じられる瞬間でもあります。

この状態に入れる論理の確立というのは難しいとは思うのですが、チームの状態に左右される部分はかなり大きいと思います。

自分のエネルギー状態を高い位置に保ちながら、周りのエネルギーを最大化させることができると、この状態に入れる回数を増やせると思っています。←そんな簡単にはいきませんが(笑)

要するに、点が決まるまでの瞬間というのは、完全に周りノイズがシャットダウンされていて、自分の世界に入り込んでいる状態、ということです。

このシーンは、相手ゴールキーパーが勝手に倒れていくのがしっかりと見えたので、その瞬間に逆方向にかわし、シュート。

ファーストタッチを完璧にした瞬間に、あの空間が完全に自分のテリトリーに変わり、気付いた瞬間にはゴールが決まっていた、という状態になりました。

絶対に入るだろうというシュートが入らない

では、なぜ絶対に入るだろうというシュートが入らないのだろう?

それは、このシュートが決まる状態になっていないからです。

シュートを打つ瞬間、もしくはボールが来る直前まで迷いが生じていて、相手ゴールキーパーを見れるだけの精神的余裕がない。

または、予測してなかった状況から自分のとこれにボールが来てしまい、そして、あまりにもフリーすぎて、思考する時間がありすぎて思考してしまって迷いが生じる。

もしくは、自分が想像していたボールの軌道やスピードではなかった場合に、その現実のボールにアジャストできず、簡単なはずが極端に難しい状態になってしまう。

こういった状態に陥っている時、シュートって決まりません。甘いコースにボールが行くか、慌ててしまって枠外にシュートがいくか、シュートにすら持ち込めないか、になります。

ボールを持っていない時にどれだけ準備をして、予測をして、その予測がずれた時も慌てずにそれにアジャストできるか。

最終的にシュート場面を迎える時に、決断できていない状態で迎えてしまうと、中途半端になります。

長いこと同じチームでやってるチームメイトなら、ある程度パターンがあるので予測しやすかったりしますが、、、

そこまでいくまでにはまず、出来るだけ短い期間で味方のパターンや、パススピードや蹴れるキックの種類などを把握する。

そして、そこに「合わせる」っていう作業をしながら、シュートチャンスを迎える時に自分の「世界」を創り出せるかが、結果を残すには必要なことなのかなと思います。


みんなが協力しあって生きていける社会へ。愛と共感力で、豊かな世界を創っていきたい。サッカーが私にもたらしてくれた恩恵を、今度は世界に還元していきたいです。