私が男ならこんな目に遭わなかった

・・・であろう、と思った出来事を少しまとめてみることにした。


自転車で並走してくる男の話

大学生だった頃、私は授業のない午前中によくスーパーへ行っていた。あの日はいつものように買い物を済ませ、自転車にもりもりと食料品を乗せ自宅へ帰る途中だった。

気づけば私の左側に自転車で並走する男がいた。気の弱そうな男だったが、彼は「このあとどこ行くの?なにするの?」「よかったら遊ばない?」などと矢継ぎ早に話しかけた。

私はスピードを緩めずそのまま自転車を漕ぎ続けた。交通量の多い道路だったにもかかわらず、彼は懸命についてくる。反応してはいけないと自分に言い聞かせ、私はまっすぐ前だけを見て走り続けた。

数分ののち、彼は突然ついてくるのをやめた。何がきっかけだったのかは思い出せない。ついてこなくなっても、私の不安は全く消えなかった。

見えないだけで実はついてきてたらどうしよう。このまま家を特定されたらどうしよう。いつも同じスーパーで買い物してるって知られてたらどうしよう。

その日はどうにか家までのルートを変えて帰宅した。何度も後ろを振り返った。そしてしばらくそのスーパーで買い物することをやめた。


同じバスに乗っていた男の話

これもまた大学生の頃、バイト先からバスで帰宅しようとしていたときのこと。いつもは自転車だったけど、あの日はたまたまバスに乗っていた。雨も風も強く、自転車では危険だと判断したためだ。

夜10時ごろ、最寄りのバス停で降りる。雨は落ち着いていたが、相変わらず風が強かったので傘をささずにいた。最寄りとはいえ、そこから10分ほど歩かなくてはいけなかったので、私はイヤホンを片耳にはめて歩き出した。

しばらくして道路の反対側に渡るために後方確認をしたら、私のすぐ後ろを歩く男と目が合った。「車も来ていないし渡ろう」と足を踏み出しかけたところで、その男に話しかけられた。

「傘ささなくて大丈夫なの?」

なんだよ突然、と驚いたが、「ああ、風が強くて危ないのでさしてないです」と返答した。そして彼は「そうなんだ。ねえ、さっき同じバスに乗ってたよね?これから遊ばない?」などと続けた。

会話の内容はもう覚えていないが、彼は特にしつこかった。信号を渡っても、角を曲がっても話しかけながらついてきた。時間帯も相まって人通りが少なかったからなのか。

私はそこからすぐ近くに住む友人に急いで電話をかけて事情を伝えた。声のトーンで男を逆なでしないように気丈に振る舞っていたつもりだったが、彼女はすぐに危険性を察知したようだった。

「そっち方面向かうわ」と合流しにきてくれて、無事合流できた頃にはもうあの男はいなくなっていたが、やはりそのときも道を変えて一旦彼女の家に行き、時間をおいてから彼女に送られて帰宅した。(どのみち危ないのでは、と止めたけど、彼女は「原チャリやから大丈夫!」と言っていた)


日本語が通じなくても構わない男の話

社会人になってから、アメリカ人の友人と二人で飲みに出歩くことがあった。地元のバーに入って、ほろよい気分になった私たちは、次はどこに行こうかと話しながら店を出た。

店を出てすぐ、私は後ろをついてくる男の気配を感じた。日本語交じりのカタコトの英語で何か話しかけているようだった。日本語は全くわからないという設定でずっと英語で話し続けていたけど、男はそれにひるまず後ろをついてきた。

しばらくして、その男は私たちの前方にいた他の男に声をかけた。

「ちょうど2人見つけた!」

私は友人に「私たち挟まれてる。ただのナンパとかじゃない気がする。さっきのバーに戻ろう」と伝えてすぐ道路の反対側へ走った。

「え〜待ってよ〜!どこ行くの〜!」と笑う男の声を背中に聞いた。「あ〜失敗した〜」と嘆く声も聞こえた。

結局、怖くて再び外を歩く気にはなれず、そのまま何杯か飲みなおしたあとタクシーで帰宅することにした。そしてその後、二人だけで飲みに出歩くことは控えるようになった。


こんな出来事は他にもあるけれど、どれも「未遂」で済んだ。何事もなかったことを喜ぶべきなのかもしれないけど、「未遂だった」というのは男側の視点。私の視点には「話しかけられた、絡まれた、狙われた、怖い思いをした」という事実があり、「何事もなかった」のではない。

海外で一人暮らしをしていたことで、よく周囲の男から「治安悪いから女の子一人だと危なくない?」と聞かれていた。私はいつも「日本も普通に危ないですよ」と返すのだけど、「そうかなあ?」と言われてばかりだった。

そりゃ、いままで本当に「何事もなかった」人にはこの恐怖をわかってもらえないだろうなあ・・・。

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ずっきーに

よくいるアラサーです。
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