岡田将生舞台『物語なき、この世界。』

岡田くんの舞台を観てきました。

内容とか感想とか、たいしたことは書けないんですけど備忘録として。

少しだけネタバレ。

終盤にある登場人物が飛び降り自殺をします。

その次のシーンが、私は本編から少し脱線しているようであり、それでいて、どうしても伝えたかった事を、あえてここにねじ込んできたかな、という風に感じました。

自殺した人物と直前に会っていた女性。
その時の様子をお巡りさんに聞かれている場面。

男性から懇願された復縁の話に、はっきりとした返事をしないまま帰したけれど、死んだのは私のせいじゃない!と取り乱す女性。
「私は彼ともう一度話をしようと思って、留守電にメッセージを残したんです!」

その女性に、お巡りさんが言葉をかける長ゼリフのシーン。

このシーンは、劇場全体が息を飲むような静寂に包まれていた気がします。

結構笑いを誘ってくる場面が多い中、ここは絶対に一ミリもふざけないんだ、という意志が伝わってくるような場面でした。

その肝心の長ゼリフ。
書いて残しておきたいくらいだったんですけどね。でも覚えられなかった…。
色んな事を考えてしまうセリフだったから。

お巡りさんの言葉によって、女性は勝手に自分で彼に何があったのかを、ある意味ポジティブな解釈で語りはじめます。

彼は直前の自分とのやり取りで絶望したのではない。逆に復縁への希望を感じて帰って行った。そしてふと見上げたビルの屋上へ行き、新宿の景色を見ていた。女性からの留守電に気付きメッセージを再生したけど…何度も再生したけど…街の雑踏にかきけされて聞けなかった。そして、彼はちょっとした弾みで街の中に身を投じてしまった。
だから…彼が死んだのはこの街のせいだ。

ここのお巡りさんと女性のシーンは、岡田くん達も一緒に黙ってきいてるんですが、その後のシーンでもあまり主人公達になんら影響を与えていないかのように見えるんです。

つまり、主人公達に向けてではなく、明らかに観客に対するメッセージ性を感じました。

自殺というテーマは、映画でもドラマでも、以前からストーリーのイチ要素としてよく出てくるものだったとは思いますが、やはり、それでも以前よりも作り手からの深いメッセージ性を感じるようになってきました。

自分が敏感になっているだけかもしれませんが…

「遺書も無かったんです。」
「残された人達はもんもんとしてしまう」
「誰かのせいにしようと思ってるわけじゃない」

お巡りさんの言葉…うーん、こんなもんじゃないんです。もっと色んなこと言ってたんですが、岡田くんとかどんな気持ちで聞いてるんだとか余計な事を考えながら聞いてしまって…

でも、全体的には結構笑いました!
新宿歌舞伎町での一夜の話なんですが、主人公の男二人がしょーもなくて、風俗がガッツリ絡んでくる話なので、不快っちゃあ不快な世界観です(笑)

でも念願の岡田くんの舞台が観れて良かった。また次もあれば舞台の岡田くん観たいな。




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