名前の覚え方

小中高とクラス替えのたびに苦痛だったのが、同級生の名前を覚えること。なんでこんなに人の名前を覚えるのが苦手だったのかいまだに不明。仲良くなった友達に対しても、

「児玉さん~」

「児島だよっ!」

と毎回突っ込むお笑い芸人のように、ものすごい頻度で間違えて、突っ込まれ、反感をかっていた。そりゃ、そうだ。自分の名前を間違えられるのはおろか、友達と思っている人に間違われるって、

「もしかして、私のこと友達だと思ってない?」

と思うだろう。しかし、ありがたいことに、私の友達たちは、名前を間違えるのをネタのように思ってくれ、覚えるまでありがた~く、突っ込んでくれた。

覚えるまで、首をなが~くして待っててくれたのは学生時代までで、社会人になったらそうはいかない。間違えたら最後、悪い印象しか残らない。銀座のクラブのママになった人の体験記には、こんなことが書かれていた。

「一度きたお客さんの名前を絶対に忘れなかった」

あ~、あたしはクラブでは働けない、いや、サービス業は向いてないなと思ったものだ。名前を覚えられないからといって、特に困ることもないしなとのんきに過ごしていたある学生時代。友達から

「高額バイトあるよ~。1週間頑張って働いて、旅行いこーよ」と魅惑の誘いがきた。

たった1週間で海外旅行にいけるくらい稼げるのか?と半信半疑だったものの、確かに高額時給。そしてそのバイトは・・・

ノンスポーツドリンクダイエットの受付コールセンター

コールセンター未経験でも研修に参加すればOK!友達との仕事OKとかる~いノリだったため、かる~い気持ちで研修に参加したところ、受付だけでなく、さまざまな問い合わせにも答えなくちゃいけない仕事だった。

めんどくさい質問にあたったとしても、マニュアル通りに答えればいいと言われ、ま、いけるだろうと仕事スタート。

そもそもノンスポーツドリンクダイエットとは、その名の通り、スポーツをしなくても、飲むだけでダイエットできますよ~というドリンク。正直、それだけで痩せるならあたしだってガバガバ飲む。やはり、それなりに食事は制限しなくちゃ効果は得られないってことぐらいわかるだろーと思いつつも、コールセンターに電話してくる人たちはいろんな質問をしてくる。

ゆ「はい、ノンスポーツドリンクダイエット受付センターです」

A子「あの~本当に飲むだけでやせるんですか?ケーキとか食べてもいいんですか?」

ゆ「飲むだけじゃ痩せないし、ケーキは控えなくちゃいけないに決まってるじゃん!」と言いたいのをぐっとこらえて「はい、A子様、このドリンクを飲むにあたって・・・」とマニュアル説明開始。

A子「え~それってやっぱり、制限必要なんじゃないですか~。もしやせなかったら返金可能ですか?」

ゆ「はい、A子さま、何日間は返金可能で~~~」

と答えていく。ちなみに、マニュアルには、

お客様の名前を聞いたらすぐにメモをして、回答をするときには、必ず最初にお客様の名前を言ってから答える

と書いてあったので、いちいち「はい、A子さま」と執事にでもなったように連呼していた。

しかも、このA子さま、ものすごいいろいろいやらしい質問をしてきてなかなか切ってくれない。がっちゃり切りたいところだけど、そんなことしたらクビになるし、ひとまず、聞いてるふりして、A4のノートに

A子は暇。A子はやせない。A子はしゃべるだけで買わない。などなど、A子の分析をして暇を持て余していた。

そうなると、どうだろう。A子の名前を連呼し、A子という文字をひたすら書いていったら、忘れられなくなったのだ。その日の日報にも電話応対した人の名前をすらすら書けるようになって、顔も見たこともないA子やB美に親近感すら覚えた。

今は社会人になって名刺交換というものができるので、たとえば、金栗 四三さんの名刺をもらったら、すかさず金栗さんの名前をインプットして

「金栗さん、こちらへどうぞ」「金栗さん、本日はわざわざご足労いただきありがとうございます」「金栗さん、それではインタビュー始めます」

などなど、慣れるまでは必ず名前を言ってから、会話をし、メモにも

金栗さん:走ることが好き。金栗さん:嘉納 治五郎に憧れる

などなど、3回は最低書いている。

これだけ連呼して、書いていると自然と覚えちゃうのだ。

世の中にはいろいろ名前の覚え方なるハウツーが書かれているが、

連呼する、その人と話しているときに名前を書くというこの2つの方法は間違いなく覚える。

この仕事をしていると、いろんな人に出会うことで、当たり前だけどいろんな名前に出会う。出会ったときに名刺を見て、改めてフルネームをノートに書くと、漢字の並びの美しさに気づく。苗字だけでなく、フルネームを声に出したときの響きもまたしかり。

自分が覚えた喜びもさることながら、やっぱり、自分の名前を憶えてもらって呼びかけてもらうというのはうれしいものがある。美容院や歯医者、行きつけの居酒屋などなど、「お!ゆきんこ~」なんて声かけられるとうれしいな~と思う。

そう思うと、学生時代あんなに名前を間違えてた自分を恥ずかしく思うと同時に、それでもめげずに友達でいてくれた友人たちに感謝!

#名前 #ライター



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ゆきんこ

通信関連、お笑い、旅行(ホテル、グルメ、観光案内)など、ジャンルよくわからずライター業しているアラフォー。40代になって困ったことは涙もろくなったこと、よかったことは人の幸せを素直に喜べるようになったこと。

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