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調子こきたくても、調子こけない女

最近、マタハラとか、子育てママが会社でひどい扱いを受けて、結局、退社に追い込まれた、働きづらいというニュースをよく見る。それと同じくらい、高齢化に伴い、介護離職をやむなくしたというのもよく聞く。

しかし、私が働いている会社は、真逆。やっぱり、大企業は、こういうとき強いな~と感心する。

妊娠がわかれば、みんなでわっしょいわっしょいで大喜びし、仕事も考慮してあげ、産休が認められる月まで、全力でサポートをする。

産休あけの時短勤務労働時にも、それほど負担のかからない仕事を割り当て、時間内におさまるように配慮をする。介護に関しては、在宅勤務者も多くなってきた。

これだけ、手厚いサポートをしているからか、辞職する人はほぼおらず、
2~3人子どもを産みながら、バリバリ働いている人がとっても多い。時短勤務内で、バリバリ仕事をこなして、颯爽と帰っていくワーママたちの手際のよさといったら見習うこと山のごとし!

たとえば、Aさん。
もともと、すごい仕事ができる人だったものの、産休明けの現在は、子どものお迎えがあるからと、もっと、やりがいのある仕事をしたいだろうに、時間内に終わる仕事に専念し、事務処理などの雑用を積極的にこなし、ばっちり終わらせていく。子どもが熱を出したなどで、急に帰ることになっても、こういうときのためにきっちりマニュアルを作っていってくれて、サポートする側も、快く引き受けられる。

疲れた顔一つせず、身なりもきちっとしていて、美しさ満開のAさん。それだけでも、素晴らしいのに、やさしさがにじみ出ていて、見ていてうっとりするワーママなのだ。世の中にこんな、できた女性います?というくらい。

で、今回、ちょっと愚痴りたいのがBさん。

Bさんも、バリキャリ。
Aさんよりもやり手で出世街道まっしぐらのキャリアウーマンだった。そんな、Bさん。やっぱりかっちょいい旦那を捕まえて、ハネムーン先のモルディブで妊娠。人生うまいこと、いっちゃう人はどこまでもいっちゃうもんだ。つわりなんてなんのその。臨月までバリバリ働き、残業もこなし、本当に妊娠している?というくらいのパワフルさだった。
みんなが、おなかの子ども大丈夫?と心配しても、本人はどこ吹く風。
絶対、産休前にこのプロジェクト終わらせていく!と、妊娠してから、より仕事に力が入っているようだった。

そんなBさんでも、やはり産休明けは時短勤務。Aさんのように、時間内で終わらす仕事を振られ、1週間。

やっぱり、バリキャリの血が騒ぐんでしょうね・・・
どうやら、もっとやりがいのある仕事をしたい!私はできる!と課長に直談判したらしく、私も参加している、でかいプロジェクトに入ってきた。

すると、水を得た魚のように生き生きしだし、資料もどんどん作っていく。
1年のブランクなんてなんのその!やっぱりすげ~と感心していた1週間後。

子どもちゃんがどうやら具合が悪いとかで、急に早退することになった。
まあ、それは仕方ない。サポートせねばと快く、残りの仕事を引き受けた。

子どもの具合というのはすぐにはよくならないもので、そのあともたびたび、休みや早退が続く。やっぱり、プロジェクトに入るのは、難しいんじゃないか・・・とみんな思いつつも、誰も言い出せない。

マタハラって言われちゃうもんね。

ここは空気を読んで、Bさん自身が気づいてくれればいいものの、プロジェクトを抜ける気はないらしく、出社すると、プロジェクトの進捗を聞き、すぐに仕事に入ってくる。

だんだん、早退、遅刻、欠勤が当たり前になってきて、

「ここまでやったから、あとはこれとこれをやっておいて!」
ということが、多くなり、当たり前のように次の日の朝、Bさんが帰った後はこういうことしましたという報告をする日々が続いた。

さすがに、自分の持ち分の仕事の生産性が下がってきた。Bさんほどではないにしろ、下々の非正規労働者にも仕事がたんまりとありんす・・・

でも、子育てしているBさんはエライ!助けてあげなくては!という気持ちを振るい立たせ、サポートをしていた矢先に事件勃発!

Bさん「あのね~、今日、この資料が18時に来るみたいなの。中身確認して、ここに送って、そこから返事がきたらここに連絡をして」

と言われたものの、

「あの・・・今日は、残業できないですよ・・・すみません」

と言ったら

Bさん「え?それはどうしても帰らなくちゃいけない用事なの?」

この一言に、ちょっと絶句してしまった。

いや、確かにですね。私の用事はぶっちゃけ、ライブです。
生死がかかっているわけでもなく、どうしても帰らなくちゃいけない用事かと問われれば、そうでもない。ただ、私個人に限って言えば、1年に1回あるかないかのライブで、このライブのためにちょ~~~~~~頑張っていたわけですよ。

確かに子どものお迎えのほうが、レベル的には高いかもしれない。
しれないけれども、私のだって人様からみたら、は~?って思う用事かもしれないけれど、大事な用事なんだよ!!!!

とまくしたてたかったけれど、マタハラと言われるかもしれないしと、返事しないでいたら

Bさん「ごめん、時間ないからよろしくね」

と帰られた。

心の中では、ボッコンボッコン噴火が起こっているけれども、何一つ言い返せず、どーしたらいいんじゃーーーーー!とイライラ。

がっくりうなだれていたら、一部始終みていた同じ非正規労働者に

「今日、ライブっしょ?しかも、やっとこさ手に入れたあのチケットっしょ?私、やっておこうか?」

という、うれしい一言。持つべきものは、同僚!いろいろ説明し、問題あればライブのあとに戻ってくるから!と言い残し、ライブへ。

ライブはといえば、セトリが神すぎて、嫌なこともすっかりどこかへ。

次の日もルンルンして会社に行くと、すでにBさん出社。しかも、な~んか、怖い顔している。

Bさん「ちょっといいかな?昨日頼んだこと〇〇さんがメールしているよね?どういうこと?」

「あ、実は、昨日、残業できないっていったと思うんですけど、〇〇さんが変わってくれると言ってくれまして頼みました」

Bさん、ため息をつきながら
「私は、あなたに頼んだのよ。しかも、〇〇さんはプロジェクトに関係ないでしょ?無責任と思わない?」

確かに、確かに、言い分ごもっとも!頼まれた仕事をマタフリしたわけだから・・・とちょっと反省しようかと思ったが、いや、待て!無責任って、あなたも、あたしに頼んでる時点で無責任じゃろがーーーーーーーーーー!
と言いたかったものの、ぐっと抑えて、無言を貫いていると

Bさん「今回は、問題なかったからいいけど、今度からちゃんと言ってくれないと困ります!そんなんじゃ、あなたに任せられないわ」

は~~~~~~~?残業できないと言ったのに、帰ったじゃないか!その言葉、そっくりあなたに返したい!と思ったけど、マタハラって言われそうだから、我慢した。ず~~~~っと無言を貫く私をよそに

Bさん「これからはあなたに、いろいろ頼めないわね」

え?え?まぢ?ガックリすると思いました?

ラッキーーーーーー!ひゃっほ~い!
外してくれ!外してくれ!願ってもない!
と、顔が崩れるのを必死で抑えた。

しかし、一部始終聞いていた課長がさすがにちょっとと思ったらしく

「Bさん、ゆきんこの昨日の件は、僕も聞いてたし、メールのCCも入ってたし、まあそのくらいで。」

と割って入ってきた。

ガックシ・・・
結局、こうなるんだよな~。

本当は大暴れしたいところだけれど、こういう人はたった、一言で百発返ってきそうだから、面倒なので、言わない。

そして、3日後。
いろいろ頼めないわねと言いつつ、結局、また頼んできた。

いろいろ頼めないわねって言いましたよね?
とちくっと嫌味を言いたいが、やめる。そのかわり

「今日、残業できないし、また無責任なことしそうなので、他の人にお願いします」

ときっぱり断った。
本当は、子どもちゃんがまた熱出したとかで大変そうだから、手伝ってあげたいけど、普段のあの傍若無人な態度は、そのやさしさを奪ってしまうのだ。

しかも、自分が仕事できるもんだから、仕事をふるときも、説明が早いのなんの。聞き返すと、時間ないのよね~って感じで、いや~な顔するし、本当にやりづらいったらありゃしない。

せめて、Aさんのようにマニュアル作れとまでは言わないけど、謙虚さを持ってほしい。

Bさんも、独身時代のようにバリバリ働けないフラストレーションもあるんだろうな~と理解は示す。しかし、普段の態度があんなんだから、どうにもこうにも優しくなれない。

子どもの写真を見せてくれるときみたいな、柔らかい優しい表情で仕事してくれることを望むばかり。

ちなみに、

東京オリンピックに向けて、テレワークデイズなるものが実施されていたが、オリンピックをやらない、大阪のわが社でもなぜか、テレワークデイズが実施された。

Bさんもテレワークデイズを利用して、子どもちゃんのそばにいることができて、なんかうれしそうだった。そもそも、在宅勤務とテレワークと何が違うんじゃ?と会社の案内文をみてみると・・・、

在宅勤務:自宅で仕事
テレワーク:取引先のオフィスや移動途中の駅、カフェ、もしくは、サテライトオフィスやコワーキングスペース、自社で整備した専用施設で仕事

だそう。

「ゆきんこもテレワークデイズとってもいいよ」

といわれ、会社のノートPCを持ち帰り、自宅のWifiにつないで仕事・・・

しようと思ったけど、家は無理!
誘惑が多すぎて多すぎて・・・

しかも、高校野球開幕とかしちゃったもんで、こんな状況で仕事なんてできるわけない!自分に甘い意思の弱い人間に、在宅勤務は無理。

しかし、Bさんは、やっぱり仕事に関してはすごい!子どもちゃんがそばにいるはずなのに、バリバリメールをし、書類を作り、こちらに転送してくる。追い立てられたおかげで、私も、ダラダラできなくなり、テレビのリモコンを見えないところに隠して、仕事をした。

Bさん、仕事はやっぱりできるし、オンオフの切り替えもすごい。本当にできる人なのだ。そこは認める!

仕事ができるから調子こいてるとまでは言わないが、謙虚さ、思いやりをもう少し持ってもらいたいな~と思う。あと、寛大さね。

私以外にもよく、自分の思う通りに仕事が進まないと、ヒステリックになってるし、相手の話をじっくり聞く余裕もなさげ。

無茶ぶりされたとしても、普段の人柄がよければ、ま、しょうがないよね~と素直に仕事もうけるのに。Bさんは、恐ろしくプライド高そうだから、絶対に言えないが・・・課長でさえ、気を使ってるくらい。

芸能界やスポーツ選手でも、活躍したり人気出たら、調子こいちゃって謙虚さがなくなってしまったとかもよく聞く話。ずっと、謙虚さ、相手に対する思いやりを持っていると、人気がでなくなったときでも、人はいなくならないはず。

思いやり、謙虚さをもって、日々暮らすというのは、簡単なようで難しい。

仕事以外でも、家庭、友人関係でも通じるものがある。とか書きながら、すぐに調子こきそうなのは、書いている自分自身。

ただ、私はというと、
いいのか悪いのか、調子こきたくても、今だ、認められたり、ちやほやされたり、女としての自信を持ったことがないから、調子こきたくても、調子こけないのだ。

せめて、思いやり、謙虚さのある女でありたいものだ。


#結婚 #セクハラ  

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