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生とうもろこしが最高に甘かった

オキオリーブを勝手に自分の役立てる場所、居場所にしてルンルンしていた次の日の朝。出会いはこれだけではなかった!

若い世代の人たちが移住してきたり、地域活性化に貢献する事業を立ち上げたりすると、自然とコミュニティーが出来てくる。すると、あれしてみよう、これ試してみよう!とどんどん新たなコラボが出来上がってくる。

ニコニコが止まらない大東さん


オキオリーブゲストハウスもしかり。
宿泊すると、もれなくご近所さんである大東さんちの畑で収穫体験ができるのだ。この収穫体験、単なる体験にあらず、とってもアットホームで、野菜愛溢れる大東さんの話が身を乗り出すほど面白く、ためになる。


大東さんは、西植田町で野菜栽培をしているご家族。
オキオリーブゲストハウスから車で数分のところにおうちと広大な畑を持っている。


お伺いした6月の旬といえば、とうもころし!
ディナーで、大東さんちのとうもころしを使ったコーンスープやとうもろこしご飯を食べ、シャキシャキ食感や、今まで食べたことないくらいの甘みに出会い、すでに感動ひとしお。

明日は、大東さんちでとうもころしの収穫体験があるぞ~!と言われ、かなり張り切っていたのだが、朝早起きしてから行かないといけないという。
すでに、オリーブの木の雑草駆除をし、夜はワイン、シャンパンをたらふく飲み、おいしいご飯を残らず平らげたこの体。
もう少し寝たい・・・とブーブー文句を言っていたら

「トウモロコシは朝採れが一番甘いから朝じゃなきゃだめだ」
とのこと。

眠い目をこすりながら、大東さんちに向かう。
広大な畑が広がる中のポツンと一軒家。
家の前には簡易なテントとイスが置いてある。
のどかだ・・・
こんなところで、ゆっくりできたら最高~と座りそうになるも、ひとまず
トウモロコシのレクチャーをあれやこれや。

秋田の実家でもとうもろこしを作っていたような気もするが、そういえば収穫はしたことがない。
聞いてみると、単にもぎとるだけじゃなく、いろいろおいしいとうもころしを見分ける方法があるという。

たとえば・・・
・皮の上から触ってみて、先っぽのほうに身がついてるか確認
・トウモロコシは根っこの部分から栄養がくるため、先っぽより茎についている下のほうが甘い、たとえば、BBQとかでトウモロコシが食べやすくカットされている場合は、下のほうをゲットするべし!
・収穫するときは、身の部分をつかんで、思い切ってぽっきりと折る

などなど、一生懸命説明してくれた。
が、大東さんってば、ただ、説明しているだけなのに、顔をしわくちゃにしてニコニコしながら話をするもんだから、笑顔に癒されて、話が耳にはいってこない。

トウモロコシ愛がダダ漏れの大東さんに育てられたトウモロコシはさぞかし美味しいに違いない!

とうもころしは採れたてが一番糖度が高い


収穫へ向け、戦闘態勢を整えていると

「じゃ、早速、1本取ってみて、食べますか!」

え?生で?茹でないの???

「トウモロコシは、獲れたてが一番甘くておいしいんですよ~」

そ、そうなの???
まあね、野菜なんて生で食べれないものなんてないでしょう。単に固いからとかそういう理由で、煮たり、茹でたり焼いたりしてるんだから。

生がおいしいかどうか、半信半疑だったものの、レクチャーされたとおり、皮の上からモミモミしてよさげなトウモロコシをぽっきりと。皮をムキムキして、身にまとわりついたボウボウのひげも一心不乱にもぎとり、真っ裸にしたバディーを触ると、はちきれんばかりの肉体、いや粒。一粒一粒が大きくて、ギュウギュウに身が詰まっていて、針でも刺そうもんなら、ブシュ~~~~ッと果汁が飛び出しそう。

ただ、見た目が薄いイエローとちょっと白っぽいものがまばら。
う~ん、触った感じは間違いなくおいしそうだけど、色合いがね・・・
といっちょ前にうんちくたれつつも、がぶりと一口。

な、なんでしょ。このほとばしる果汁の旨み、後味の滑らかな甘み。
そして、シャキシャキの歯ごたえ!

これぞ、美味の極み!
何も食べてない子のように、一心不乱にガツガツかぶりつき、あっという間に1本食べ終わり、至福のひと時。にんまり。

大東さんが丹精込めて作ったからおいしいというのももちろんある。
さらに、大東さんちのとうもころしは、ドルチェドリームという品種でトウモロコシの王様と言われているものなのだそう。なんと、糖度18%前後にもなるそうな。どうりで、甘いわけだ。

1本まるっと食べて、おなかもいっぱいになったところで、早速収穫。
バディーをモミモミして、むっちり感を確認して、ぽっきりと折っていく。
あ~、なんだろ、この朝のすがすがしい空気の中での収穫の気持ちよさ。

気持ちいいぞ~と一人でのびのび収穫していると、ひょっこりカエルちゃんがお出まし。


これは、撮影しないといけないポーズでは?と、いそいそとカメラの準備をし、カメラを向けてるのに、なぜかズンズン近寄ってくる。なぜ、逃げない?この子は、大東さんちで飼われているのか?というくらい人懐こい。

カエルちゃんに見守られ、ノリに乗って収穫をしまくりかごいっぱいになったところでひとまず終了。ちょっとはお役にたっただろうか~とまたしても、お役にたったことにご満悦していると

「持って帰りますか?」とうれしい一言。

ということで、収穫した分、どっさり送り、さらに帰りに食べたいからと1本お持ち帰り。
あれ?いいのか?収穫のお手伝いだったはず・・・
ま、いっか(←もらえるものはもらおう!)

一番の宣伝は知り合いからの口コミと実食

そして帰り。
採れたてが一番おいしいけれども、採ったばかりであれば、まだまだ生で食べられる!バスに乗り込み、早速、皮をムキムキしてバリバリと音をたてながら食べていると、隣のお姉さんに

「あのう、そのトウモロコシ生ですか?」

と聞かれた。

生でバリバリ食べてたら、そりゃ、気になるだろう。
ひとまず、このおいしさを分け合わねばと、半分にぱっきりと折って、おいしい根本の部分を惜しげもなくお姉さんにおすそ分けしながら、大東さんちのトウモロコシがいかにおいしいかについて力説した。自分の家の畑ではないけれども、収穫して、いろいろお話して仲良くなり(←と自分は思っている)、大東さんの人柄がわかると、まるで、何十年も知り合いだったかのようにふるまってしまうし、おいしいものを宣伝したくなる。たった数時間一緒だっただけですけども。

さらに、次の日、会社に数本持っていき、電子レンジでチンしてみんなに配ると大絶賛!ちなみに、電子レンジでチンするときは、皮を数枚残して、皮のままチン。サランラップにまかなくても、おいしいとうもころしの出来上がり。

会社でも、大東さんちのトウモロコシのすごさについて熱く語った。まるで、自分も栽培に参加してるかのごとく・・・単に収穫しただけなのに。

そんなこんなで、おいしい!もっと食べたい!と言われると、断れないどころか大盤振る舞いになってしまう私は、次の日もトウモロコシをしょって、会社に行き、みんなに配り、自宅に1本しか残らないという・・・
もっと食べたかった・・・

私の場合、いいと思ったらうるさいくらいしゃべりまくり、食べて食べてと実食させまくるからか、みんな、食べたあとは
「これネットで購入できるの?」
とよく言われる。

知り合いの口コミほど信頼性の高いものはない。さらに、実際に食べたらやはりまた食べたくなる

コト消費が騒がれる昨今、旅行をしながらいろいろ体験してもらって口コミでお客さんを増やすのが一番のマーケティングではないかと、今更ながら、つくづく感じた旅だった。

ということは、大東さんちでは役に立ってないけれども、口コミで役に立ったってことでいいのかな。

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