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ぼったくり返しでインド

インド=ぼったくられる、だまされる、とられる

と地球の歩き方のコメント欄でさんざん読んで、身構えていたにも関わらずあっけなくぼったくられた初日の話はこちら

ぼったくられてインド

初日からこんなんだったもんだから、なんかもうどーにでもなれという感じになり、かわし方もうまくなっていた。

いよいよ、インド旅の最大の目的地、バラナシに到着。ここでは、ガンジス川の沐浴&聖なる河に昇る朝日がみたいと思っていた。が、魔のインド人との交渉の時間が始まるのである。

ガートと呼ばれる川岸に設置された階段で、こそっと見てもいいのだが、お祈りをしている人の邪魔になるし、せっかくだからボートでゆっくり見たい。いや、でも、一人で乗ったら、カモにされるのは目に見えてるし、どこかに連れてかれるかも!とあらゆる想像をして、モンモンとし、同じ部屋に泊まっていた、ドイツ人女子に、あ~でこ~で、こ~だと訴えかけていたら

「ボート、興味あるから私もいくよ!」

となり、2人であれば、なんとかなるだろうと、早速、朝、ガート周辺をうろうろしてみた。すると

「ボート!ボート!安いよ安いよ!たった100ルピー」とあらゆるおやじたちから声をかけられる。なんだか、みんなボリそうな顔しているし、初日のことがあって誰も信じられない。

すると、ほっそい少年が近づいてきて「ボートボート」とつぶらな瞳で勧誘してくる。しかも、70ルピーでいいという。ニコニコしてかわいいし、安いし、即採用!

早速、ボート乗り場に連れて行ってもらう。しかし、乗り込むボートのそばに、怪しそうなおやじ一人。精一杯の笑顔を向けて、ボートに誘導してくれるが、なんか怪しい雰囲気になってきたぞ・・・

これだけ疑心暗鬼になっているあたしを横目にドイツ人女子は、なんでもいいじゃん!とばかりにさっさと乗り込む。前払いだということで、70ルピーをおやじに渡すと、OKOKと笑顔。あれ?ぼったくる気はないのね。本当にいいひとなんだな~と安心した。

棒きれのような腕で一生懸命こぐ少年。ちょっと目を向けると、いつもニコっと返してくれて癒される。家計を助けるために、頑張ってるのな~、おばちゃん、チップ弾んじゃおうかなと思っていた矢先に、少年、突然こぐのをやめた。

こぐのをやめても、ガンジス川はかなり流れがあり、ス~~~ッとボートが流れていく。撮影ポイントなのか?とのんきに朝日を撮ったり、楽しんでいたものの、なんだかほかの観光客のボートやガートから離れていってるような~と一抹の不安にかられたとき

「岸に戻るには、100ルピーを払え」と言い出した。

は~?かわいい顔して、最初からぼったくるつもりだったのか!と怒りをあらわにしようとしたとき、ドイツ人女子

「ふ~ん、私たちもうお金ないし、しょうがないわね」

なんて、横になり始めた。き、肝が据わっとる。いや、関心している場合じゃない!と平静を装い、気にせず、写真撮影。内心、ひやひやもんだったものの、ドイツ人は昼寝でもしそうな勢いでくつろいでるから、最後は3人で海まで行くか!と同じく昼寝。

すると、少年が青ざめてきて「お前ら、このまま戻らなくていいのか!海に出てしまうぞ」と怒鳴り散らしたもののドイツ人

「じゃ、海までいこー!」と余裕の返し。

岸のほうに目をむけ、顔面蒼白になってきた少年、あきらめて帰るかと思いきや、「お前たちが払わないから、だいぶ遠くなってきた。ここから帰るには200ルピーいる。早く払わないともっと高くなるぞ」と脅してきた。が、焦っているのは完全に少年。

それにしても、めちゃくちゃな値段設定。行きが70ルピーで、帰りが100ルピーに値上がりしたのもおかしいが、勝手に遠くにきたのに、2倍に膨れ上がる。

「ノーマネーって言ってるでしょ。払わないわよ~」と鼻歌でも歌いそうなくらいくつろいでいるドイツ人をみて、さすがにあきらめた少年。とうとう、オールをもって、漕ぎ出した。が、想定以上に流されたようで、漕いでも漕いでも岸が近くならない。私はというと、やっと戻ってくれるのな~とのんきに座っていたが、突然、もう一つのオールを投げてきて

「お前たちも漕いでくれ!?!$%&?!#$%&」

なんて、言ったかよくわからんが、もう俺、だめ、手がしびれるみたいなニュアンスであった。

あんなに強気だった少年が、半泣きしているのをみて、かわいそうになり、なぜか、ガンジス川で死に物狂いで漕いだ。もう、朝日どころではない。汗だくになりながら、ようやっとガートに到着。少年は満身創痍でよろよろしながらボートを降りた。

しかし、そこに待ち構えていたのは、あのおやじ。

「時間延長したから、140ルピー払え。」

は~?勝手に延長したうえに、またしても謎の値段設定。しかもだ、漕ぐの手伝わされたんだから、こっちがお金をもらいたいくらいだ。

怒り狂ったドイツ人と日本人は、両方の言葉で文句をまくしたて、この少年のせいで、まったく朝日も見られなかった!くつろげなかった!と手を出ししながら、金返せ金返せと大暴れ。

なんだなんだと人が集まってきて、収集がつかなくなり、もうめんどくせ~と思ったかどうかわからんが、出した手になぜか、100ルピーを押し付け、捨て台詞をはきながら、少年とともに消え去っていった。

あれ?一応、ボートには乗ったから、返金はいらんかったけど?しかも、払ったのは70ルピー?

なんだかよくわからないけれども、ぼったくって、だまして、金をとろうとした少年とおやじから、逆にぼったくってしまった。

それから3日間ほど、バラナシに滞在し、ガートを行き来していたところ、あの少年が、また客引きをしていた。声を掛けたら、青ざめてすっ飛んでどこかにいってしまった。

100ルピー、返そうと思っただけなのに。

#インド




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