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noハン会の小冊子にタイトルをつけました。

noterによるハンドメイド展示交流会から約2週間。
その小冊子企画に寄せた短編小説「手作りの想い出」をnoteで公開してから約1週間が経ちました。


小冊子について悩んでいたことが2つありました。
1つ目は、自分でもう1部ずつプリントするかどうか。
2つ目は、小冊子を完成させるかどうか。
それはどちらも、この企画が僕にとって大切だったからこその悩みでした。


1.もう1部プリントするか

最初は、郵送されてくるものとは別に、自分でもう1部ずつプリントアウトしようと思っていたんです。

まず。
保存用、兼、貸出用として。
1冊はタイトルを書き込んだり、読んでいくうちにくたびれていくだろうなぁと思って。
もう1冊きれいな状態のものを取っておきたい、
そして、もし知人に見せる機会が訪れた時、きれいなものを渡した方がいいのではないか、と思ったからです。

それと。
Kojiさんのイラスト、3つのうちのもう1つも手元に置いておきたかったからです。

でも。
結局プリントするのはやめました。

なぜなら。
もう1部プリントしてしまうと、企画の軸である【ハンドメイド】のイメージが失われてしまうと思ったからです。
表紙を3枚のイラストから2枚選べるようにしたのも、タイトルなどを書き込めるようにしたのも、小冊子をハンドメイドするという企画者の想いなんだと感じました。
世界でたった1つの、僕が悩みに悩んで表紙を選んで決めて、運営者の方々が僕のために印刷して重ねて郵送してくれた想いのこもった僕だけの小冊子。その他にもう1部プリントしてしまうと、大量生産の商品のように味気なくなってしまうんじゃないかと感じました。


2.小冊子を完成させるか

約1週間前に届いた小冊子は未完成でした。
自分でホチキスでとめて、タイトルを入れて、解説を書いて、完成となります。

しかし。
その完成させる作業をやりたくありませんでした。
届いた小冊子が愛し過ぎてなるべく汚したくない、という想いが強かったのです。
封筒を開けることさえためらったし、包装から出すのも緊張しました。
とりあえずそのまま、ホチキスでとじずに読みました。
ホチキスでとめて汚くなって後悔したくないし、自分の下手くそな字でタイトルを書くなんてもったいないと思いました。

でも。
これもまた、企画の軸である【ハンドメイド】のコンセプトに反してしまうと、考え直しました。
自分の手で、自分だけの小冊子を完成させる。わざわざそうできるようにした企画者の想いを大切にしたいと思いました。

だから。
やはり小冊子をしっかり完成させようと決めました。




小冊子についての2つの悩み。
1つ目は、自分でもう1部ずつプリントするかどうか。
2つ目は、小冊子を完成させるかどうか。
それはどちらも、この企画が僕にとって大切だったからこその悩みでした。
そしてどちらも、大切な企画だからこそ結論を出しました。
【ハンドメイド】の小冊子にこだわった企画者の想いが、やはり僕はスキだったのです。




小冊子にタイトルをつけました。

僕の小冊子のタイトルは「てあみの」です。
ひらがな表記にしましたが、意味は「手編みの」です。
各巻のサブタイトルは、表紙のイラストの名前から1巻を「愛情」、2巻を「冒険」としました。
1巻は「手編みの愛情」
2巻は「手編みの冒険」

今回、【ハンドメイド】が企画の軸であることを大切にして、「手」という文字を入れたいと考えました。
「編む」という表現は手芸をイメージさせると思いましたし、また、「物語を編む」と用いる場合もあるため、ぴったりではないかと思いました。
そして「てあみの」という言葉の響きも可愛らしいかなと感じました。

ちなみに。
映画にもなった、辞書を作る物語「舟を編む」という作品があります。
これは、「辞書作りは、言葉の海を渡るために舟を編むことだ」という意味でつけられたタイトルだそうです。
「ことばの海」といえばKojiさんが文章を書くことについて書いたエッセイ「海を待つ」で用いられているイラストのタイトルですね。
この小冊子は、僕達が物語を書く上で「ことばの海」を渡るために編まれた舟のようにも思えました。




ホチキスでとめる際、表紙だけ上下逆さまにしてしまうというミスを犯し、僕の小冊子には小さな穴が余計に開きました。強く後悔しつつも、「ハンドメイド作家さんはこういう苦労をたくさんして作品を作っているんだろうなぁ」と感じました。
解説はまだ書けていませんが。
正真正銘、世界に1つだけの、僕だけの小冊子となりました。

もう1部プリントせず、想いを込めたタイトルを自分で書いて、余計な小さな穴まで開けたことで、より大切な宝物となりました。

これが【ハンドメイド】の素敵なところ。




小冊子の参加作品はこちら↓


最後まで読んでいただきありがとうございました!

幸野つみ

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