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芝浦橋メイキング#4-遠景とエフェクト-

1.はじめに

前回のメイキングはこちらからどうぞ

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こんにちは、雪町と申します。今回もイラストを仕上げていって上の絵を完成させていきたいと思います。

2.遠景

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遠景は

1ー壁の下塗りをして面を取る。

2ー繰り返し同じ構造が続くものに対して1つパーツを作る(上のgifで言う窓)

3ーコピペ(+パースに合わせて自由変形)

を繰り返していくことで作っていきます。ほかの建物についても同じ作業を繰り返すだけなので割愛します。

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こんな感じでコピペと自由変形を駆使していけばサクサク遠景が錬成できます。窓やベランダの繰り返し構造が情報量を担保しますが、マクロな目で見たとき、壁の面内でのグラデーションが重要になってきます。詳しく言うと、繰り返し構造以外の壁などは、明るい面、暗い面にかかわらず、どこに強く光が当たるか、どこで空気遠近がより効くか、光の回り込み、拡散がどこに強く出るかを考えながらグラデーションを作っていかなければべたっとしてしまい、一気に安っぽくなってしまうので注意が必要です。なのでパーツパーツの書き込みではなく、引いてみたときの色の変化を大事にしたほうが良いと思います。(例えば反射したときにより太陽の角度に近いビルの上のほうが明るいなど←正確に言うと全然違うけどニュアンスだけ伝われ、、、!)

3.空

いよいよ大詰めです、空を描いていきましょう。最近は雲ブラシがかなり増えてきて手軽に描けるようになってきましたが、手を抜くと絵の完成度が一気に低くなってしまうので油断せずに描いていきましょう。

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まず最初に空の色が気にくわなかったのでより青みの強い色に変更しました。この時絵が破綻しないよう、ビルの光が当たらない部分などは空の色の影響をもろに受けるため、陰影の色も変えるのを忘れないようにしましょう。

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まずは自分がかっこいいと思うシルエットを取りましょう。大まかなシルエットを丸ブラシと水彩筆で作り、チョークと指先ツールで整えます。雲の描き方は個人でいろいろ分かれますが私の場合はシルエットを大事にしていきます。

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続いてハイライト部分のシルエットをチョークと指先ツールでとります。特にコツはなく、ちまちまとシルエットを取るだけです。どんな感じで描いているかはこちらのツイートを参考にしてください。もちろんハイライト部分も自分がかっこいいと思うシルエットを取ります。

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最後にハイライト部分をコピーしてぼかし、色調補正か何かで赤色にします。これをスクリーンモードで重ねてフレアを入れます。(スクリーンするときの不透明度はその時々に応じて変えます)。こうすることで夏の日差しの眩しさを作ることができます。

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↑スクリーンで重ねたやつ

4.エフェクト

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基本的にはあまり凝ったエフェクトは入れません。というかしっかり描いたのにエフェクトマシマシにしたら台無しになります。新しいレイヤーを用意して上のようにフレアを入れたい場所にエアブラシで赤色をかけていきます。あとはこれをスクリーンモードで重ねるだけです。くわしくエフェクトを見たい方はこちらからclipファイルをダウンロードしてください。

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というわけで完成です。

5.最後に

長い間メイキングにお付き合いいただきありがとうございました。長いことつらつらと書いていますが、基本的には第2回で解説したように下塗り→(汚れ)→面取りの順に描きこんでいるだけです。そこに季節や時間に基づいて自分なりに固有色、陰影の色を考えながら色を置いているという感じです。第1回でお配りしたブラシは描きこみをするのに便利なブラシたちですが、絵はぱっと見でほとんど決まると考えれば、質感よりもライティング、シルエット、配色が大事になってきて、なおかつ作家性の出る部分なのではないかと思います。なので絵を描く際には、この光源設計でキャラクターや見せたいもののシルエットが目立つのか、全体的な配色は自分が見ていて気持ちのいいものか、などといった視点でラフを掘り下げるのが大事であり、いい絵を描くための新しい発見につながるような気がします。

気持ち悪いポエムを吐いてしまいましたが最後までお付き合いいただきありがとうございました。実を言うと自分のような画風の人が少ないので増えるといいなーというあさましい考えでメイキングを作りました()。ですので少しでも役に立つと嬉しいです。

p.s. 今回のメイキングは文字だけでわかりにくい部分も山もりなので、なにかわからないことや気になることがあればtwitterのDMなりyukinociti@gmail.comなりに送ってくだされば文字や作業通話など何かしらを使って可能な限りお答えします。