核融合の未来と安全性 カーボンニュートラルの実現へ
核融合とは?
核融合ってなんでしょうか?
Aさん「え?核って怖くない」
Bさん「戦争反対!」
Cさん「放射能怖いわ・・・」
そうです。日本は原子力発電や核といった存在に対し、
3.11の時を経て、極めてネガティブな表現とされています。
ただ今日はロシアウクライナ問題によるエネルギー価格の高騰や
東日本大震災の原子力発電に対するイメージがよくなりつつあり、
高度な安全性とエネルギーの確保の両立が可能になったといえます。
核融合は、軽い原子核が高温・高圧の環境下で合体し、
より重い原子核を形成する過程です。
このプロセスでは大量のエネルギーが放出されます。
しかし軽い核同士を繋げることで、より炭素の排出を抑制し、
出力の大きいエネルギーを結びつけることもまたできるのです。
その意味で全国の女性陣が最も嫌う日焼けの源である
太陽のエネルギー源も核融合であり、地球上でこのプロセスを
再現することができれば、ほぼ無限のクリーンエネルギーを
提供できる可能性があります。
気候変動問題への影響
核融合は化石燃料を使用しないため、
二酸化炭素などの温室効果ガスの排出を大幅に削減することができます。
逆に言えば温室効果ガスを排出するのが、火力発電です。
日本政府もまた石炭火力発電所の新規建設を終了し、本格的なカーボンニュートラルの取り組みに邁進しています。
以前、私が読んだファクトフルネスにも書いてありましたが、
温室効果ガスの排出が大きい国として挙げられる
中国やインドは、人口が多いからこそ加害者国として
見られているということもあり、これからの課題は先進国が
率先して温室効果ガスの削減に取り組まなければならないのです。
原子力発電→二酸化炭素の排出を抑制できるが、安全性の問題も
火力発電→既存の発電方法、しかし炭素排出量の増加が課題
水力発電、風力発電、地熱発電→もっともクリーンだが、生産性が低い
このように気候変動の進行を抑制する上で、化石燃料に依存しない持続可能な
エネルギー源の開発が急務とされており、核融合はその有力な候補の一つです。
市場規模と経済的可能性
核融合技術の商用化は残念ながらまだ実現していませんが、
市場規模は巨大なものになると予測されています。
現に核融合専門のスタートアップもいくつか出ており、
カーボンニュートラルの実現に向けて、
本格的に投資は不可欠です。
研究開発には多額の資金が必要とされますが、
成功した場合のリターンは計り知れないものがあります。
それはかつてないソーシャルインパクトとなるでしょう。
IEAによると2022年時点での世界のクリーンエネルギー投資額は
219兆円に上り、残念ながら日本でなく中国の方が市場の割合を多く占める
現状にあります。
再生可能エネルギーや持続可能な技術への世界的な需要の増加とともに、
核融合エネルギー市場も拡大することが期待されます。
米国の主要な核融合研究企業
General Fusion
カナダに本社を置くものの、米国を含む国際的な投資を受けています。General Fusionは、磁気と圧縮を組み合わせた核融合技術に取り組んでおり、そのアプローチは環境にやさしく、経済的な核融合エネルギー源の開発を目指しています。
Commonwealth Fusion Systems (CFS)
MITとの連携で知られるCFSは、磁気閉じ込め方式の核融合技術に注力しています。特に、高温超伝導磁石を用いて、より小さく、効率的な核融合炉の開発を進めています。
TAE Technologies
カリフォルニアに本拠を置くTAE Technologiesは、非磁気閉じ込め方式に焦点を当てており、「ノーマック」と呼ばれる独自のプロセスを開発しています。この技術は、環境への影響が非常に低く、実現可能な核融合エネルギー源を提供することを目指しています。
米国の主要な核融合研究学者
Michl Binderbauer
TAE TechnologiesのCEOであり、同社の核融合技術開発の中心人物。Binderbauerは、環境に優しい核融合エネルギーの実現に向けて、多くの革新的な研究を推進しています。
Dennis Whyte
MITの核融合・プラズマ科学センターのディレクター。WhyteはCommonwealth Fusion Systems (CFS)と協力し、磁気閉じ込めによる核融合研究の先駆者です。
核融合は、その実現が難しい技術である一方で、
気候変動問題の解決に向けた最も有望な解答の一つです。
若年層の起業家は、この挑戦により、社会に大きな影響を与えるビジネスを
創出することができます。技術開発の進展とともに、
政策、経済、社会全体が核融合技術の実現を支え、
持続可能な未来への道を切り開く必要があります。
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