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【解説】自民党の政治刷新本部とは? 政治改革の焦点は連座制?


政治刷新本部とは?

政治刷新本部とはこれまで自民党のガバナンスコード作成機関として
党改革実行本部が置かれていました。

自民党の「政治刷新本部」の会合が開かれ、外部の有識者から派閥の政治資金パーティーの取りやめや、政治資金規正法の改正を求める意見が出されました。

派閥の政治資金パーティーをめぐる問題を受けて、自民党は17日に「政治刷新本部」の会合を開き、法律や会計の専門家など、外部の有識者7人から意見を聴きました。

引用:2024年1月17日 NHKニュース 自民党「政治刷新本部」会合 外部の有識者から意見聴取


党改革実行本部にて岸田総理が総裁選時の公約として
党役員の任期を1期1年連続3期までを掲げ、
幹事長や政調会長といった党の要職の
権力集中に歯止めをかけることに成功しました。

しかし派閥は党の組織ではないのです。


そもそも皆様、不思議かと思う人もいますが、
幹事長室や副総裁室、総裁室は全て自民党にあるのに対し、
派閥は自民党本部でなく、議員事務所でなく、
永田町の雑居ビルの中にございます。

つまり派閥は自民党内の組織ではないのです。

このため、党改革実行本部の対象外となり、
新たに総裁直轄組織で総裁自ら本部長を務める
政治刷新本部を立ち上げました。

政治刷新本部で議題に上がったのは派閥のあり方と
パーティーや人事の推薦禁止です。


第2次岸田再改造内閣が発足した。岸田文雄首相が人事を通じて意識したのは2024年秋の自民党総裁選での自身の再選だ。派閥の意向を聞き入閣適齢期の人材を閣内に最大限引き入れて「次なる岸田陣営」を固めていく――。意外な顔ぶれで刷新感を出す戦略は後回しになった。

これまで内閣改造にあたり、各派閥は自身の派閥に所属する議員を
閣僚に送り込みました。

この選考基準は派閥に貢献したものや、能力のあるものなど様々ですが、
いずれも派閥内での選考で適材適所という一面もあるかと思います。

例えば茂木派の元農林水産大臣の野村元大臣は
農水に長けた知識を持つ方であり、
農水大臣に起用されました。

このように派閥に気を使いながらも
適材適所の人事を行なってきたのも
岸田政権だと伺えます。

ただ政治刷新本部でこの推薦がなくなった今、
これからの内閣改造に注目です。

政治刷新本部のメンバー紹介

ここで政治刷新本部のメンバーについて触れましょう。

  • 本部長:岸田文雄総裁

  • 最高顧問:麻生太郎副総裁、菅義偉前総理

  • 本部長代行:茂木敏充幹事長

  • 本部長代理:その他の党四役etc

  • 幹事長:木原誠二幹事長代理

  • 事務局長:小倉将信前少子化対策担当大臣

これが主要メンバーです。
顔ぶれは党役員が幹部を務め、
委員には女性局や青年局、副幹事長などを務めた
方を順番に起用した形ですね。

なお無派閥と安倍派が最多であるのも特徴で、
派閥の是非がぶつかり合う場所となるでしょう。

党総裁の直轄組織とは?

自民党総裁の直轄組織とは?とよく思われるかもしれません。

簡単に言えば国家を揺るすような方針や議論を
行う場が総裁直轄組織であり、
それ以外に政調会長が設ける場合は政調の機関となります。

例えば現在だと総裁直轄機関は以下のラインナップです。


  • 憲法改正実現本部

  • 党改革実行本部

  • 行政改革推進本部

  • 新しい資本主義実現本部

  • 「こども・若者」輝く未来創造本部

  • 東日本大震災復興加速化本部

  • 地方創生実行統合本部

  • 国土強靭化推進本部

  • 財政健全化推進本部

  • 2025年大阪・関西万博推進本部

  • TPP・日EU・日米TAG等経済協定対策本部

  • 北朝鮮核実験・ミサイル問題対策本部

  • 北朝鮮による拉致問題対策本部

  • ウクライナ問題に関する対策本部

  • GX実行本部

  • 安定的な皇位継承の確保に関する懇談会

  • 令和6年能登半島地震対策本部

  • 政治刷新本部

結構あるんですよね!
中でも岸田総理が自ら本部長を務めるのが
「新しい資本主義実現本部」と「政治刷新本部」です。

前者は総裁選の公約の経済政策であり、
自らが本部長として先頭に立っています。

後者は「政治と金」の問題を受けて、
総理自ら本部長として指揮を取る状態です。

公明の修正案と野党の案、どう飲み込むか?

今回の政治改革では党内で議論をまとめた後、
与党もしくはあらゆる政党で政治改革の調整を
行なっていくかと思われます。

  • 会計責任者と議員の連座制

  • パー券の収支報告書不記載の上限額を下げる

などといった形が挙げられます。
ただ金額などについては各党ごとに意見が分かれ、
国民が裏金作りの温床になっているかの懸念が
解消されるのか?注目です。

まとめ

政治とカネの問題にうんざりする国民は確かに多いです。
よく行くカフェでも同様の話があります。

しかし同時に立憲民主党に対する期待感もないのが実情です。
また維新の会は関西での勢いが全国レベルに波及するのにも
時間がかかるでしょう。


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