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夢でもし逢えたら

小さい頃。

自分がどんな人と結婚するのか、想像してはドキドキ夢見ていた。

まだ恋も知らないあどけない少女の心はひたすら純真無垢。

未来は無限大。未知の可能性にあふれていた。

しかし、中間子ならでは状況把握能力をめきめき発揮し始めた私。

白馬の王子様も、スーパーマンも、この世にはいないことを悟るまでにそう時間はかからなかった。

サンタの存在の秘密について知るのも、私は姉よりも早かったという変な自負がある。

そう、妙に現実主義なところがあるのが私なのだ。

そうこうして自分の身の丈と顔を突き合わせ続け、紆余曲折、時が流れて。

いざ結婚を決めた時は、思いもよらない相手(夫とは友人期間がうんと長かった)と人生を共に歩むことの巡りあわせに【ご縁】以外の言葉は見当たらなかった。

あの頃の少女が答え合わせをした瞬間だった。

どうやら娘も将来の王子様を夢見る年頃に少しずつ近づいてきたようだ。

大雨の今日、出かけた図書館で手に取った『夢占い』の本。

【将来の結婚相手を夢で見る方法】のページを真剣に読んでいる。

その本によると・・・

1月20日の夜、何も食べずに寝よう。

すると将来の結婚相手が夢に出てくる。

結婚について思い悩む人が聞いたら眩暈がするほど、これでもかとシンプルな方法である。

「これ、やってみようかな~」とニヤニヤ身をくねらせつつ、次に出た言葉は。

「・・・ごはんの夢見そう」

・・・お、おん。

うん、いいぞいいぞ。いいじゃないか、娘よ。

まだまだ焦らないで。

ゆっくりゆっくり、あなたの人生を見つけていっておくれ。

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