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#101 ジャズ界の巨匠 チック・コリアが残した16個のアドバイス

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(本記事は2021年2月に書いています)

前回から1ヶ月振りくらいの更新です。今後もゆるりと更新していきたいと思います。

先日2月9日に、ジャズ作曲家・ピアニストのレジェンド、チック・コリアさんがお亡くなりになりました。突然のニュースで大変驚きました。

チック・コリアさんとは、15年ほど前にヤマハ音楽研究所さんと遠隔ピアノレッスンシステムの開発をしていたころにニアミスしたことがあるのですが、直接お話する機会が無いままになってしまいました。

個人的には、以下の上原ひろみさんとのライブが大好きで、楽しそうに演奏される様子がすごく印象に残っています。

デュエット - チック・コリア&上原ひろみ
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今回あらためてチック・コリアさんについて調べていたら、1985年にバークリー音楽大学で学生さんに送った16個のアドバイスという記事が見つかったので、このnoteでメモしておきたいと思います。

なお、上記の写真とこれらの文章は、以下の Web サイトから引用させて頂いています。

Chick Corea (RIP) Offers 16 Pieces of "Cheap But Good Advice for Playing Music in a Group" (1985) | Open Culture https://www.openculture.com/2020/02/chick-coreas-16-pieces-of-cheap-but-good-advice-for-playing-music-in-a-group-1985.html

チック・コリアが残した16個のアドバイス

1. Play only what you hear.
「聴こえるものだけを演奏しなさい。」

2. If you don’t hear anything, don’t play anything.
「何も聴こえないのであれば、何も演奏しない。」

3. Don’t let your fingers and limbs just wander—place these intentionally.
「指や手足をただ彷徨わせてはいけません。意図的に置くこと。」

4. Don’t improvise on endlessly—play something with intention, develop it or not, but then end off, take a break.
「それを発展させるかどうかに関わらず、即興で延々と演奏しない。意図的に演奏し、終わったらブレークをとる。」

5. Leave space—create space—intentionally create places where you don’t play.
「空間を残す。空間を創り出す。意図的に演奏しない場所を創る。」

6. Make your sound blend. Listen to your sound and adjust it to the rest of the band and the room.
「あなたの音をブレンドする。あなたの自分の音に耳を傾け、バンドの他の音や空間に合わせましょう。」

7. If you play more than one instrument at a time—like a drum kit or multiple keyboards—make sure that they are balanced with one another.
「ドラムキットや複数のキーボードのように、同時に複数の楽器を演奏する場合、それらが互いにバランスがとれていることを確認する。」

8. Don’t make any of your music mechanically or just through patterns of habit. Create each sound, phrase, and piece with choice—deliberately.
「音楽を機械的に作ったり、いつものパターンで作ったりしない。それぞれの音やフレーズ、曲を慎重に選択して創りましょう。」

9. Guide your choice of what to play by what you like—not by what someone else will think.
「他の人がどう思うかでは無く、自分が好きかどうかであなたの演奏を選択しましょう。」

10. Use contrast and balance the elements: high/low, fast/slow, loud/soft, tense/relaxed, dense/sparse.
「コントラストを使って要素(高低、速い/遅い、大きさ/柔らかさ、緊張/リラックス、濃さ/透明感)のバランスをとりましょう。」

11. Play to make the other musicians sound good. Play things that will make the overall music sound good.
「他のプレイヤーの音が良くなるような演奏をしましょう。そうすることで音楽全体が良くなります。」

12. Play with a relaxed body. Always release whatever tension you create.
「リラックスした体で演奏する。あなたの作り出したどんな緊張も解放しましょう。」

13. Create space—begin, develop, and end phrases with intention.
「空間を作る。フレーズの開始、展開、終了の時に意図を持って。」

14. Never beat or pound your instrument—play it easily and gracefully.
「あなたの楽器を叩いたりしてはいけません。やさしく演奏しましょう。」

15. Create space—then place something in it.
「空間を創る。その後に何かを入れる。」

16. Use mimicry sparsely—mostly create phrases that contrast with and develop the phrases of the other players.
「模倣は控えめに。他のプレイヤーのフレーズと対比させ、発展させるようなフレーズを創りましょう。」

良く聴く、意図を持つ、空間を創る、リラックスする

これらのアドバイスを見ていくと、重要なのか、繰り返し出てくる言葉があるように思います。

・よく聴くこと。
他のプレイヤーの音や、自分の出している音、音楽を創る中で自分の心の中から聴こえてくる音、にきちんと耳を傾けること。

・意図を持つこと。
なんとなく手足を動かしたり、過去の惰性やパターンで演奏するのでは無く、一つ一つの動きにきちんと意図を持たせること。

・空間を創ること。
むやみに音でフレーズを埋めるのではなく、意図をもって演奏しない場所を創る。

・リラックスする。
できてしまった緊張を解放し、常にリラックスした状態で演奏する。

これらのアドバイスは、仕事や経営の参考にもなるのでは

こうしてみてくると、これらのアドバイスは我々の普段の生活にも示唆を与えてくれているように思います。
メンバーの声や、今プロジェクトが置かれている状況にきちんと耳を傾けること。
何か指示を出す場合にはそこにきちんと意図が含まれていること。
がむしゃらに仕事するばかりでなく、意図して業務に余裕や空白を持たせること。
常にリラックスした状態を保つこと。

どれも重要なアドバイスのように思います。

まとめ。

(1) 先日2月9日に、著名なジャズ作曲家・ピアニストのチック・コリアさんがお亡くなりになりました。享年79歳。

(2) 1985年にバークリー音楽大学で講義を行った際、学生さんに16個のアドバイスを記したメモを配られたそうです。いずれも、シンプルで深いアドバイスのように感じました。

(3) これらのアドバイスは、音楽の演奏だけで無く、我々の普段の仕事や経営に対しても示唆を与えてくれるように感じました。

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(ここに書かれている内容はいずれも筆者の経験に基づくものではありますが、特定の会社・組織・個人を指しているものではありません。)

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