リブラ潰しで喜ぶのは、中国

 アメリカの既成勢力はリブラ潰しに取りかかった。これを見て1番喜んでいるのは、中国の習近平主席だろう。

 アメリカの上下両院は、7月16日、17日にFacebook幹部を招いて公聴会を開く。ここではプライバシー保護などを理由にリブラに対する反対が述べられ 、リブラ開発の一時停止が要求される可能性が強い。

 他方で、Facebookは、規制当局の承認を受けるまでリブラは提供しない旨を明言すると報道されている。
 アメリカ金融当局はこの構想の審査に1年以上かかるとの見通しを示しているので、リブラの発行を2020年前半とする計画は遅れる可能性が強まった。

 アメリカの既成勢力は、総力を挙げてリブラ潰しにとりかかったわけだ。しかし、これは誠に愚かな決定であると考えざるを得ない。

 アメリカにおけるこのような状況の推移を見て1番喜んでいるのは、中国の習近平主席であろう。
 リブラが実際に使われるようになれば中国からの資本流出が生じ、中国は深刻な危機に陥る可能性が高いからだ。アメリカの愚かな決定によって、中国はこの危機を免れることになる。

 Facebook幹部でリブラ担当のマーカス氏は、「我々が行動に失敗した場合、価値観が劇的に異なる人々によってデジタル通貨が支配されることになるだろう」と指摘した。

 数年経って振り返ったとき、この時の決定がいかに重要な意味を持つものだったかが認識されるだろう。


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野口悠紀雄

一人の伝道師(エバンジェリスト)として、noteを使って何ができるかに挑戦します。
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