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『平成はなぜ失敗したのか』(幻冬舎、2019年2月)/目次


はじめに 001

平成を振り返るための年表 009

第1章 日本人は、バブル崩壊に気づかなかった
1 1980年代に日本の国際的な地位が高まる 034
日本こそが世界経済の中心になる 034/地価と株価のバブルが起こる 036/
海外の土地も買いあさる 037/ゴルフ場開発が錬金術になった 038

2 バブルが崩壊したが、二日酔いから覚めず 040
90年代初めに、日本経済は天井に突き当たった 040/日本人は変化に気づかなかった 043/
百貨店外商ビジネスのバブルは続く 044/「日本はアメリカより強い」 046/
平成は失敗の時代となった 047
3 為替レートが歴史的な円高になる 049
円高ショック 049/円高で消費者は豊かになったが、企業利益は落ち込む 052/
円安になったが、アジア通貨危機で円高に 053

4 『複合不況』論の誤り 054
「貸し渋りが原因」とした複合不況論 054/原因は金融面でなく、実体経済にあった 055/
東京大学に先端経済工学研究センターを作る 056

第2 世界経済に大変化が起きていた
1 社会主義国が崩壊した 060
ベルリンの壁がなくなる 060/ソ連が崩壊した 061/
旧東ドイツで社会主義の生産性の低さを見る 063/憧れのワイマールやドレスデンを訪れる 064

2 中国が工業化した 066
国有企業の改革 066/新しい企業が誕生した 068/中国の工業化が始まるのを目撃する 070/
日本は新興国の工業化にどう対応すべきだったか? 071

3 IT革命の第2段階が進展する 073
インターネットの登場と普及 073/私の情報環境も変化した 074/
『「超」整理法』を出版する 076/インターネットに対する考えを変える 077

4 製造業が垂直統合から水平分業へ 079
水平分業が新しいビジネスモデルに 079/格安パソコンは世界経済の構造変化の結果だった 081/
エレクトロニクス関連製品の輸入が急増 082/製造業で新興国と競争はできない 083/
金融政策では解決できない問題 084/大英博物館だったイギリスが復活した 086/
イギリスを復活させたのは、高度サービス産業 087/アメリカでも新しい産業が成長しつつあった 088

5 世界が変貌しつつあるさまを見た 090
壁が撤去されて美しい湖が現れた 090/「ドイツの時代」にならなかったのはなぜか? 092/
円高の恩恵を満喫した海外旅行 093

第3章 90年代末の金融大崩壊
1 大企業や金融機関の不祥事件が顕在化した 096
イトマン事件で闇世界の勢力が姿を現す 096/二信組事件で大蔵官僚との関係が暴かれる 098/
住専処理で国会審議が大混乱 100

2 大蔵省スキャンダル 101
スキャンダルで大蔵省が権威失墜 101/大蔵省に対する社会の信任が完全に崩壊 102

3 山一破綻 104
膨らんだ含み損 104/営業特金、飛ばし、宇宙遊泳 105/自主廃業 106

4 長銀破綻 107
特権的組織の迷走 107/事業継続による不良債権隠し 109/万策尽きて国有化 111

5 国民が負った膨大な負担は正確に認識されていない 113
公的資金の投入で10兆円の国民負担 113/無税償却で法人税が39兆円減少 114/
一家計当たり平均1 9 2万円の負担 116/忘れられてはならぬことが、忘れられている 117/
米英では金融業の大変革があった 119

6 スケープゴートにされた人たち 120
誰かをスケープゴートにする不条理な日本社会 120/第一勧銀の元会長、宮崎邦次氏 121/
日本債券信用銀行の最後の会長、窪田弘氏 122

第4章 2000年代の偽りの回復で改革が遠のく
1 日本経済が大きく落ち込み、大規模為替介入へ 126
2 0 0 3年、大規模為替介入が開始された 126/2 0 0 4年に株価回復 127/
2 0 0 5年頃から円キャリー取引が始まる 128

2 時代の潮流に逆行する工場の国内回帰 129
輸出主導経済 129/工場が国内回帰した 131/円安は麻薬 132/
日本の製造業から創造的側面が消えた 133/小泉改革とは何だったのか? 134

3 シリコンバレーで感じた日本の立ち遅れ 136
スタンフォードで1年間を過ごす 136/カリフォルニアから工場が消えていた 138/
山手線内側の半分を超える広さのキャンパス 140/天国で暮らしている気分 143/
インターネット社会が到来していた 144/中国からの留学生が急増する 147

第5章 アメリカ住宅バブルとリーマン・ショック
1 目の当たりにした住宅バブル 152
住宅価格バブルでお祭り騒ぎ 152/アメリカ全土に広がった住宅バブル 153/
バブルかどうか、議論が分かれていた 154/値上がりをあてにしないと正当化できない価格 155/
サブプライムローンとその証券化 157/モーゲッジ証券、MBS 158

2 住宅価格高騰でトヨタ車が売れた 159
トヨタ車がカリフォルニアを埋め尽くした 159/
キャッシュアウト・リファイナンスの魔術 161

3 リーマン・ショック 163
リーマン・ショックが勃発 163/アメリカ金融危機の始まり 164/ベアー・スターンズを救済 165/
株価が一時的に持ち直す 167/リーマン・ブラザーズは破綻、AIGは救済 168/
投資銀行モデルの終焉 168/緊急経済安定化法が成立 169/アメリカ金融業は急速に回復 170/
日本における不良債権処理は参考にならない 171/GAFA企業が成長しつつあった 173

第6章 崩壊した日本の輸出立国モデル
1 輸出立国の終焉 176
住宅バブル崩壊と日本の輸出激減 176/日本経済の実体は古いままだった 178/
日本では危機意識が弱かった 179

2 中国の景気拡大策で日本の製造業が回復 180
中国の4兆元景気対策 181/対中輸出が顕著に増加 181/
中国の緊急経済対策が地価高騰を招く 182/地方政府の不動産開発とシャドーバンキング 183

3 政府に依存するようになった製造業 184
雇用調整助成金やエコカー減税 184/民間企業が政府支援に依存するようになった 186

4 日本経済は構造を転換できず 187
脱工業化ができなかった 187/古いビジネスモデルに固執し続けた 189

5 リーマン・ショック後の世界的金融緩和とユーロ危機 190
アメリカの金融緩和策QE1とQE2 190/ユーロバブルとその崩壊:ユーロ危機 191 

第7章 民主党内閣と東日本大震災
1 政権を取った民主党は、期待に応えたか? 196  
鳩山内閣の成立 196/事業仕分けはパフォーマンスに過ぎなかった 196/
インターネットが広がり、情報環境がさらに変化する 198

2 東日本が無人地帯になる可能性があった 199
東日本大震災と福島原発の危機 199/日本は偶然によって生き延びた 200/
日本経済に大きな影響 201

3 貿易赤字が拡大 203
輸出大国から輸入大国へ 203/投資立国への転換が必要 204

4 ユーロ危機で円高となり株価が下落 207
円高が進む 207/円高や海外移転は阻止すべきものか? 208/三党合意から解散へ 209/
世界的金融緩和競争 210

5 私たちの世代の2010年代 210
一個人が始めた奨学金 211/私の70歳代 213

第8章 アベノミクスと異次元金融緩和は何をもたらしたか?
1 異次元金融緩和はマネーを増やさなかった 216
異次元金融緩和政策で増加したのは「おカネのモト」だけ 216/
マネーストックは増えなかった 217/円安はアベノミクスで生じたのではない 219/
トランプ氏当選で円安に 221

2 追加緩和・マイナス金利導入も効果なし 221
原油価格の下落に対抗して追加緩和 221/金融政策の客観的な評価が必要 222/
マイナス金利で経済は活性化できない 224

3 アベノミクスは、経済成長を実現できなかった 225
営業利益は、為替レートの変動によって振り回されただけ 225/賃金は上昇せず、消費は増えず 228

4 金融緩和からの出口は? 230
世界が金融正常化に向かう中で、日本は緩和を継続 230/
金利が上がると、日銀に巨額の含み損 232/国債を保有し続けても、日銀に巨額の損失 233/
金利が上昇すると、財政が破綻する 234

5 長岡實氏の思い出 236
官僚の中立性を守る 236/部下の信頼を獲得できたリーダー 237/
70年代に、中期財政計画の試案作りを命じられる 238/やっと宿題を果たせた 241/
長岡氏の周りの人々 241

第9章 日本が将来に向かってなすべきこと
1 日本が直面する問題は「デフレからの脱却」ではない 246
悪化した日本経済のパフォーマンス 246/
デフレのためでなく、変化に対応しなかったために衰退した 247/日本が直面する3つの課題 248

2 労働力不足に対処する必要がある 250 
若年者が減って、高齢者が増える 250/出生率引き上げは解にならない 251/
労働力人口は現在より3 0 0 0万人近く減少する 252/高齢者の就労促進 254/
女性の労働力率を高められれば、労働力が約1 0 0 0万人増加 256/
人材の面で開国する必要がある 257/移民の問題に正面から向き合う必要 260
3 社会保障費増大にいかに対処するか 262
社会保障費が増加する 262/社会保障のための負担増は真剣に考えられていない 263/
非現実的な仮定に立脚した楽観的見通し 264/社会保障の財源は消費税だけではない 266/
人々は負担構造の明確化を求めている 267

4 世界経済の構造変化への対処 269  
大きく変貌する中国 269/IT分野でのめざましい発展 270/中国の基礎研究力の向上 271/
2 0 4 0年には中国が世界一の経済大国に 272/

5 新しい産業の登場が鍵 275
世界が変わってしまった 275/新しい産業が必要 276/変化を阻止するもの 277/
政府への依存から脱却する必要 279/日本にはユニコーン企業もない 280/
規制が新しい技術の利用を妨げる 281/日本人はもっと海外に出るべきだ 283/
「ベイズのアプローチ」を信じよう! 285

図表一覧 288
索引 295

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