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情報の整理にあたっては、それまでの考えを大きく転換する必要がある

情報の整理にあたっては、それまでの考えを大きく転換する必要がある

◇ 「超」整理法と、押し出しファイリング
 『「超」整理法』(中公新書、1993年)では、「情報を分類する努力をやめるべきだ」と提案した。これは、整理する対象がモノから情報に変わったことに伴って要求される考えの転換だ。
 このような転換が必要な理由は次の通り。
 モノについては、分類ができる。しかし、情報についてはできない。分類しようとして格闘するのは無意味だ。分類することによって、かえって見いだせなくなる場合がある。

 そこで提案したのが「押し出しファイリング」である。ファイルの内容別に分類するのではなく、時間順に並べる。
 これは、コンピュータサイエンスにおけるMTFやLRUという考えで正当化できることが、後からわかった(『「超」AI整理法』、第2章の2)。

◇「超」AI整理法と、「超」メモ帳
 『「超」AI整理法』では、「情報を捨てる努力をやめるべきだ」と提案した。これは、整理する対象が紙の情報からデジタル情報に変わったことに伴って要求される考えの転換だ。
 このような転換が必要な理由は次の通り。
 第一に、デジタル情報については、捨てるのは面倒な作業だ。第二に、ストーレッジの容量が事実上無限になったので、捨てる必要性がなくなった(『「超」AI整理法』、第1章の3)。

 そこで提案したのが「超」メモ帳である(『「超」AI整理法』、第3章)。情報を捨てずにいくらでもため込んで、キーワード、メタキーワード、カスケード方式の目次などによって、必要な情報を引き出す。
 対象が紙情報からデジタル情報に変わることによって、このような方法をとることが可能になった。

 『「超」整理法』では内容による分類を否定したのだが、ここでは内容による分類を行なっている。ただし、これは『「超」整理法』で述べたことと矛盾しない。『「超」整理法』で内容分類を否定したのは、紙の書類ではカスケード方式による分類が機能しないからだ(『「超」AI整理法』、第3章の3、p106、図表3-2)。
 この問題は、電子情報では解決される。しかも検索やリンクという方法を使うことができる。これによって、時間順に頼らずとも、ピンポイントで求める情報を探し出すことが可能になったのだ。





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